「お父さん」を惨殺した中国人留学生の罪と罰~大分・恩人殺害事件~

2002年1月18日未明

大分県杵築市山香町。
山間の畑が広がるのどかな集落で、高齢の夫婦が殺傷されるおぞましい事件が起きた。
殺害されたのは、建設会社を営む吉野諭さん(当時73歳)。背後から腰を一突きにされ、その刃先は腹部を貫通するほど深く差し込まれていた。
2階で寝ていた妻・恵美子さんは、一命をとりとめたものの、腹部を二か所刺され重傷であった。

娘の雅美さんは、父の死を病室の母親に告げることが出来ずにいた。
しかし、いつもまでも隠せるものでもないし、捜査上のこともあって伝える決心をする。
覚悟していたのか、夫の非業の死を知らされた妻・恵美子さんは、取り乱すこともなく、力なく頷いたという。

一片の落ち度も、ましてや他人から恨みを買うこともなかったこの夫婦に刃を向けたのは誰か。
犯人が逮捕された時、吉野家はさらに深い悲しみに打ちのめされることになる。

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「お父さん」を惨殺した中国人留学生の罪と罰~大分・恩人殺害事件②~

誤算

安をのぞいた4人は18日の深夜から、知人宅に集合して凶器などを車に積み込み準備を行った。
その途中で、再び段取りが変わる。
金は運転のみの役割のはずだったが、吉野さん宅付近まで来た時、張が
「3人(張、朴、少年)だけで押し入るより、もう一人いれば夫婦それぞれに2人つくことになるから、そちらの方が良い。金にも家に入ってもらいたい」
と言い出す。
これを安が金に通訳したところ、金も了承した。
その上で、吉野さんの車のカギが見つかり次第、外に出て車で待機するよう指示した。

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