自己憐憫の夫がつけた、やり過ぎた妻へのおとしまえ~日立母子6人殺害事件②~

恵さんへの違和感

幼い子どもたちとともに突然殺害された恵さんについて、報道によれば「しっかり者のお母さん」「病院で薬剤師として働く立派な人」「働かない夫から暴力を受けていた」というようなものばかりである。
被害者という立場を差っ引いても、夫である小松被告のクズっぷりが凄いため恵さんについては同情の声しかない。
しかし、どうも私は恵さんという女性について、そういった世間の声と本人像が合致せずにモヤモヤしたものがあった。

被害者を貶める意味ではなく、客観的に冷静に恵さんという女性を見た場合、事件が起きてしまった要因もまた見えてくる。もちろん、だからといって殺されて良いはずは全くない。



DQNネーム

恵さんと小松被告の出会いは出会い系サイトとも言われていたが、実際には先述の通り病院の待合である。
小松被告の作業着がドラゴンボールの柄であったことで、それを珍しがった恵さんと話が弾んだという。
これは人の趣味なのであれこれ言うつもりはないが、そもそも小松被告はいわゆる田舎のヤンキーから抜けきれない人物であり、世間の多くの人が眉をひそめたり、恥ずかしいと思うような言動や思考回路を「イケてる()」と勘違いしているタイプの男である。
ドラゴンボールの作業着って見たことねぇよ・・・
その男を好きになり子供まで作ってしまう時点で、実は恵さんも同じセンスの持ち主であることは容易にわかる。良いとか悪いではなく、センスや考え方的に似た者同士であるということだ。

その証拠に、子どもたちの名前を見てほしい。読めない!と事件よりも注目されてしまった子どもたちの名前であるが、5人のうち4人は小松被告が名付けている。
長男次男辺りは比較的名前の由来も頷ける範囲ではあるが、双子の三男四男に至っては「双子で右左だから、ライトレフト」が名前の由来である。
長男はまだしも、長女を含めそれ以外の子どもの漢字は当て字で、「夜露死苦」的ないわゆるDQNネームに分類される。
しかし、長女については、小松被告は関与していない。長女の名前も、同じく読めない。。。

申し訳ないが私だったらそんな名前は付けさせないし、周囲にもそんなDQNネームを子供につける人はいない。犬猫にもつけない。
小松被告のみならず、恵さんもそういった名前を良しと考えるタイプの人であった。

妊娠の意味

世の中には妊娠しやすい人というのがいる。私の知人にも、とにかく妊娠しやすい人がいて、先日43歳で第6子が誕生した。
有名なところでいえば橋下弁護士のところも確か7人のお子さんがいたはずで、それ自体は日本のために大変ありがたいことである。

しかし、子どもが多い家庭には二種類あって、それはテレビでもスペシャルが組まれる大家族モノを見ていてもよくわかる。
多くの大家族は、公営の団地などにぎゅうぎゅう詰めで暮らし、日々の悩みはお金。
子どもたちは満足に進学も出来ないといった家庭が多い半面、日本テレビで長年特集が組まれる石田さんちは家の中こそカオスであるものの、お父ちゃんは外資系の化粧品会社勤務でおそらく年収は一千万以上であろう。
石田さんちの子どもたちはそれぞれ大学に進学したり、少なくとも携帯や電気が止まるようなことは起きていない。

小松家の場合は、前者である。ちなみに恵さんの職業は薬剤師ではない。当初から、恵さんの出身高校の偏差値レベルや、そもそも薬剤師名簿に載っていないということからも、病院に勤務はしているが事務ではないのかと言われていた。
なぜそんな間違いが起こったかというと、小松被告が周囲にそう話していたようなのだ。
これは、小松被告がホラを吹いたのだろうか?単なる勘違いで事務員を薬剤師と間違うことはなさそうだが、現実は派遣の事務員であった。

小松被告の手記によれば、恵さんはピルを服用していたという。それが、なぜか妊娠してしまう。
小松被告も驚いたようで、「計画的だったの?」と冗談交じりに聞いたほどだ。それに対して恵さんは、困る風でもなく笑っていたという。
反感を買うのを承知で言うが、いわゆる出来ちゃった人というのは、ただのバカか計画的だったかのどちらかだと思っている。
恵さんは後者ではなかったか。小松被告を逃がさないための手段ではなかったか。
もっと言えば、子供が増えればその分手当も増える。子供が生まれた後も、小松被告と同居しながら籍を入れず、不正に母子手当を受給していたのは恵さんである。
籍を入れなかったのは、恵さんの両親が大反対していたことが理由だと思われるが、もしかすると母子手当を受給し続けるためではなかったか。
ふた月に一度振り込まれる20万円は、決して少ない額ではなかったはずだ。

子供優先の真意



恵さんは小松被告と付き合い始めた当初、子どもを邪険にされるのが嫌だから親密になることには二の足を踏む、ということを告げている。
そのような経験があったからというが、はたして恵さんは子供優先の人であっただろうか。
小松被告との間に4人の子どもをもうけていることから、子ども好きなのはわかる。
しかし、子供5人を抱え、しなくても良いスナック勤めをし、明け方まで帰宅しないという面も持ち合わせている。
そもそもスナック勤めも小松被告が家にいたからできたことであり、男と会う時間があったのも、小松被告に子供の世話を任せていたからである。
私も経験があるが、夜の仕事は大変疲れるものだ。嫌なことも多い。仕事が終われば幼い我が子の顔を早く見たい、そう思うものだ。
しかし恵さんは家事もせず、家を空けることが増えた。
そして、その浮気相手の男と「どうなるかわからないけどふたりでやっていくことにした」のだ。
この浮気相手の男は、反社会的勢力との関係をちらつかせないと話が出来ないような腑抜けである。そのことを小松被告に失笑されるレベルの男であるが、恵さんには自分と5人の幼い子どもを託せる相手に見えたのだろう。
それでも子どもは手放せないのは、母性が強いからという人もいるだろう。そりゃ母子家庭に戻るのだから手当のことを考えたら手放せないよねー。
腑抜け男とどこまで話したかは定かではないが、おそらく離婚後の生計についての話はしているはずだ。
小松被告の昼の給料は丸々恵さんがもらうことになっていた。だから男にもメリットがあったのだろうことは想像に難くない。

悪者になりたくなかったひと

恵さんの印象で、もうひとつ大きなものとして、「徹底的に悪者になりたくない人」なんだなぁという印象がある。
それが、周囲のみる目と、小松被告との夫婦生活での言動とのギャップである。
周囲にはさも「働かないヒモ男」と小松被告のことを言い、しかし現実では夫婦そろってパチンコ屋へ日参する日々であった。
小松被告を悪しざまに言いながら、5人も子供を作ったのも解せない。しかも末っ子の双子は、小松被告すら「ケンカの絶えない不安定な時期」というほど夫婦に危機があったと思われる時期である。
それでも恵さんは妊娠し、出産する。

子どものゲーム機を売り払ってパチンコに行くと周囲に嘆いていたという話も、表面的にはそうであったかもしれないが、夫婦そろって職がない時期が半年もあったことを考えると、小松被告だけの問題とも思えない。
信じられないという人が多いだろうが、パチンコで生活費を稼ぐ人は少なくない。成功するかどうかは別にして、手っ取り早く金を増やすのはギャンブルしかない。
スロットの場合は、ある程度台が読めればいわゆる万枚というような大勝ちは望めなくても、1日あたり数千円~数万程度のプラスを出し続けることは可能だ(多くの人は欲をかいて引き際を見誤るため負ける)。
元手がかかるリスクはあるが、1人より2人で打った方が当たった時は大きい。そのため夫婦で通う人も少なくない。
恵さんが一切ギャンブルをしない人なら小松被告だけの問題だが、少なくともそうではない以上、恵さんが小松被告だけを悪者するのは違うと言わざるを得ない。


また、スナックでのバイトもそうだ。
確かに、きっかけは小松被告の職が続かないことであり、小松被告が一家の大黒柱になりきれないせいである。
幼い子供を抱えて夜の仕事に出ざるを得なかった恵さんには同情するし、日払いが可能な水商売であれば生活の足しに十分なり得ただろう。

しかし、「気晴らしになるから」と本人も言っているように、小松被告が十分な収入を得始めてもやめなかったという時点で、「働かないヒモ亭主の代わりに身を粉にして働いた女性」という世間の評判はぐらつき始める。
同じような状態でそれでもホステスをし続ける女の理由は酒乱か、男がいるかの2択だ。恵さんは後者であった。

そこに不貞関係があったかどうかは別にして、恵さんに他の男性の影があったのは事実である。しかし、恵さんはその事実を両親らには話していなかったと思われる。
小松被告の手記には「自分一人が悪者になる」といった表現があった。おそらく、離婚を相談する上で恵さんは自身が不利になる情報を隠していたようだ。
しかし、恵さんの両親ははなから小松被告を嫌っており、離婚するにあたっては反対されることはないように思われたが、それでも悪者になりたくない恵さんにすれば、言えなかったのだろう。

小松被告への「仕打ち」

私は過去に浮気をされたことがある。
小松被告の手記は、そんな私には非常につらい手記であった。小松被告にたった一つ同情するとすれば、恵さんの浮気が発覚してから事件発生までの6日間である。
小松被告は、恵さんに対して「男がいるから離婚したいのか」と聞いている。愚問である。
恵さんは当然、「それと離婚とは別」と返す。正直に「そうです」なんて言うわけないじゃん。

話し合いをしたいから早く帰ってきてほしいという約束も、恵さんは反故にした。しかも、その日も件の男性と会っていた。
信じよう、ちゃんと向き合って欲しい、そういう小松被告の思いを「一旦は」受け入れておきながら、恵さんはそれをないがしろにした。
些細なことと思うかもしれないが、この期に及んでもよりにもよってその男と会っていたというのは、サレ側にしてみれば心が砕かれるような思いであろう。

また、小松被告が離婚を受け入れ始めると、途端に恵さんは機嫌がよくなり、まるで仲直りしたかのように小松被告に優しく接し始める。
一緒の布団で寝ようかなと言ってみたり、好物をこれでもかと食卓に並べたり、子どもたちを風呂に入れてほしいと頼んだり・・・
恵さんからすれば、せめてもの罪滅ぼしというか、小松被告に対する贖罪の気持ちからの言動かもしれないが、ここでも「悪者になりたくない」恵さんの性格が見え隠れする。
その一方で、浮気相手の男と同じ柔軟剤の臭いをまとい、まるで男の存在をアピールするかのような振る舞いもした。


小松被告の立場からすればどうだったか。
泣く泣く離婚を受け入れ、子どもたちとも別れなければならない、身から出た錆の部分は否めないとしても、だからといって浮気していいのか。
そこは譲れなかったのではないだろうか。
にもかかわらず恵さんは、自身の浮気は棚に上げ、まるで小松被告に施しをするかのように接した。
それは小松被告のことを思っているかのように見せかけた、「自分本位」な言動でしかないのだが。

激動の6日間をやり過ごした小松被告であったが、事件の前日にはある程度今後のことを考えていたように思われる。
自殺も考えていたようだが、それでもまだ踏みとどまっていた。
仕事や住む場所も見つけ、彼なりに家を出た後のことをまだこの時点では考えていたのではと思う。
しかし、10月6日に日付が変わったその夜、新たな生活に心躍らせる無防備な恵さんが置き去りにした携帯の画面に、義母とのLINEを見つけた瞬間、小松被告の心に鬼が棲みついた。

恵さんは小松被告との顛末を友達ら話していた。しかしそこに自身の浮気についてのくだりはなかった。相手の男との会話履歴は全て消されていた。そして、義母に対しては悪いのはすべて小松被告(おそらく暴力を振るわれたと話している)であり、自分の都合の良いように話をしていた。

「血の責任」

勝手な解釈をして神様に怒りの鉄槌を食らわされそうだが、レビ記20章に「血の責任」という教えがある。
大雑把に言えば、してはならないと定められたことを破ったものは、殺さなければならないというもの。
それを見逃してしまうと、もっと酷いことが起きるのだから、その前に血を断たなければならないという、まぁ極端な教えではあるが、そういう思考に陥る人は少なくない。
もうひとつ、レビ記ではなかったかもしれないが、「子どもを殺さなければならない、さもなくばもっと恐ろしいものに子どもたちが殺されるから」という教えもある。
これはいわば「子供の将来を悲観して」というやつだが、小松被告はこのふたつの教えを遂行した形になる。ものすごい中途半端だが。

小松被告の心情としては、自分のこれまでの8年間は全てこのアパートにあり、子どもたちはその結晶であり、恵さんは自分に幸せをくれた唯一無二の存在であった。
それが今、消え去ろうとしているわけだ。それならばいっそ、自分の手で絶ってしまえば、恵さんは永遠に自分の妻であるという恐ろしいまでに自分勝手な考えが大きかった。
恵さんはその幸せをもたらしてくれた反面、自分からその幸せを奪い去ろうとする存在であるともいえる。子供たちは小松被告に懐いており、特に、恵さんの連れ子であった血のつながらない娘・夢妃ちゃんは、母がいない間一生懸命小松被告の手伝い氏をし、2人が言い争うと涙を流して止めようとしていた。
長女の夢妃ちゃんは、おそらく小松被告の苦しみが母親の行動にあることを見抜いていた。小松被告が泣いているのを、夢妃ちゃんは知っていた。
夢妃ちゃんのために小松被告が買った服にふざけて恵さんが袖を通した際には、「服がのびるからマジやめて!」と怒っていたというが、夢妃ちゃんはのびるからではなく、恵さんに触ってほしくなかったのではないかとすら思う。


ともかく、恵さんはやり過ぎた。携帯を見られてからはもはや開き直りとも取れる言動が見られた。しかし、それを周囲には隠していた。
小松被告には優しい言葉を投げかける半面、徹底的に自分の非は周囲に隠し、小松被告をあざ笑うかのような会話を母親と交わしていた。

小松被告に対し、恵さんがどう思っていたかは知る術はないが、小松被告に責任の一端があったとはいえ、だからといって家庭を放置して男にうつつを抜かして良いはずはない。
少なくとも、子どもたちに対しては、恵さんよりも小松被告の方が親らしかったと私は思う。保育園では迎えに来た小松被告に嬉しそうに走って駆け寄る子どもたちが目撃されている。

レビ記では、「姦淫(恵さんが不貞行為をしていたとは限らないが)の罪は家族を崩壊させる」ため、殺人などと同等の刑罰をもって裁かれるが、まさしく恵さんの言動は、小松被告を含めた家族全員を殺してしまった。

小松被告は、夢妃ちゃんを含めた自分の子どもを、恵さんはともかく相手の腑抜け男が自分以上に愛することなどあり得ないと思っていたはずだ。そしてそれはおそらく正しかった。
当初、小松被告は子供たちまで手をかけようとは思っていなかったはずだ。しかし、子どもたちを残したところで殺人犯の子どもとして生きていく羽目になるのは忍びないからという、身勝手極まりないいいわけをぶちかまして、結局、子どもたちも殺害した。小松被告は、その手でやり過ぎた妻の「血の責任」に落とし前をつけた。

事件から1年

小松被告は現在、2月に起訴されてからまだ裁判が始まっていない。7月には名前の一部を削った免許証を使用して口座を開設し、同じ免許証を用いて携帯電話を契約していたことなどから、有印私文書偽造、詐欺の疑いで再逮捕された。
小松被告の望みは、死刑になることただ一つ。
もちろん、罪の重さを考えれば死刑は免れないだろうが、それも小松被告のお得意の逃げでしかない。罪の重さに日々苦しみながら生きるのは耐えられないのだろう。
ならなんでこんなことしでかした?それはその時悪魔が耳元でささやいたから。
あの時携帯を見なければ、あの時妻の誘いに応じて一緒に寝ていれば、あの時、あの瞬間、あそこでこうしていれば、ウソをつかなければ。
小松被告の人生は全部こうだ。

人生には分岐点がある。しかし、その分岐点は、実ははるか昔の自分が行った選択が積み重なって出来た分岐点だ。そこで人生が変わったわけではない。

小松被告はことごとく、選択を誤った。誰のせいでもない、全て自分が逃げの選択をしたからだ。

ただ唯一、2017年10月6日未明の行動だけは、小松被告からすれば「逃げなかった」ゆえの選択だったのだろう。

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