およそそうとは見えない女郎蜘蛛~秋田・大曲4歳児殺害事件③~

裁判

裁判で美香は、道の駅かみおかの駐車場において、畠山との性行為を諒介君に邪魔されたことに「畠山が」立腹し、美香に対し「殴れと命じた」、と話した。
美香は畠山から結婚をほのめかされており、畠山を失いたくない一心で諒介ちゃんの頭部を中身の入ったコーヒーの缶で殴らされ、その時畠山が諒介ちゃんの口を押さえていたと述べた。
弁護側も、美香は積極的に暴行したわけではなく、畠山に強制されたと主張した。
用水路に棄てたのも、畠山に指示されて行ったことだとした。 続きを読む およそそうとは見えない女郎蜘蛛~秋田・大曲4歳児殺害事件③~

妻だけを生かした一家皆殺し男の「本音」~中津川・一家6人殺傷事件①~

2005年2月27日


すぐ目の前に山が迫る岐阜県中津川市・坂下町の「住宅」。
その男性は、なにか心のざわつきを感じながら、勝手知ったる「その住宅」の玄関を開けた。
昼間ではあったが、家の向きの関係で家の中は薄暗く、いつもならば昼間でも電気がついているはずなのに、その日はついていなかった。
この日、男性はインフルエンザで体調がすぐれず在宅しており、実家である「その住宅」に子どもたちを連れて遊びに行った妻の帰りを待っていた。
そこへ、ひょっこり妻の父親が顔を出した。
「下(実家)でみんな待っとるから、行こうか」
小柄でにこやかな義理の父は、いつもと変わらない表情でそう告げ、男性と共に軽自動車で「その住宅」へと向かった。
子どもたちもいるはずの家の中は静まり返り、男性は不安を覚える。背後にいる義理の父に、みんなは?と聞くと、「ばあちゃんの部屋におる」と言うので、その部屋へ向かうが、その部屋は真っ暗で人などいる気配もしなかった。

「Tさん、死んでくれ」

気がつくと、男性は腹部に包丁が刺さっていた。

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妻だけを生かした一家皆殺し男の「本音」~中津川・一家6人殺傷事件②~

束の間の平穏

同居してすぐ、またもチヨコさんは物がなくなったといっては家族を泥棒呼ばわりし始めた。
ただ、その程度であればまだ耳をふさいでさえいればやり過ごすこともできた。
父親が生きていたころは、父親がチヨコさんを諫めたり、原や妻を庇うなどしてくれていたため、同居した当初は一緒に食事もし、家族の体をなしていた。

しかし、父親が他界したのち、その言動は次第に常軌を逸していく。

言葉だけだったチヨコさんの妻に対するいびりは激しさを増した。時には、突然妻の頬を平手打ちするなど、暴力行為にも及び始めた。
通帳がなくなった、服がなくなった、とにかくありとあらゆることで妻を罵倒した。
原が仕事から帰宅すると、妻は部屋で泣いていることが増えた。
子どもたちの教育にも良くない、これでは家庭が壊れてしまうと思った原は、昭和59年頃に神奈川県小田原に住んでいた弟にチヨコさんを託す。
弟は原に比べてチヨコさんの扱いがうまかったこともあり、また、チヨコさんの性格もわかっているためにこれを承諾、月に1~2回は中津川の原宅へ戻るという生活を始めた。

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それでも家に帰りたかった、”きみはいい子”②~南国市小5男児暴行致死事件~

他人事の母親

最初に断っておくが、この事件で母親については全く罪に問われていない。法律的には、和輝君の母親は罪を犯していないことになっている。

しかし私は、この母親はなにか人格的、あるいは発達的な障害を持っているのではないかと真剣に感じている。

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それでも家に帰りたかった、”きみはいい子”①~南国市小5男児暴行致死事件~

平成20年2月4日

その男児は、いつも池のほとりで一人佇んでいた。
来る日も来る日も、放課後の校庭の、支柱のついた丸時計が見えるその場所で、なにをするわけでもなくひとり、いた。
雨の日も、冬の寒い日も、陽が落ちて暗くなっても、男児は18:00までずっとそこにいた。

「彼はサインを出していた。それを僕がよう受け止めなかった」

事件後、男児が通っていた小学校のある教諭は、こういって涙をこぼした。

高知県南国市で小学5年生の藤岡和輝君が、母親と内縁関係にあった無職の男に暴行され、右硬膜下血腫などによる心肺停止で搬送され、びまん性軸索損傷により死亡した。
11歳のあっという間の人生であった。

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