22歳元自衛官が見誤った故郷の誇り~宮崎家族3人殺害事件②~

貴子さんとくみ子さんの過ち

貴子さんについて、裁判の過程で次々とその気の強さから出てしまった奥本への暴言、叱責、暴力が浮かび上がった。
先にも触れたが、経済的に余裕がなかった奥本に対し、折に触れまるで出来損ないであるかのような言葉を投げかけた。
「雄登の抱き方がなってない」「若いんだから寝てばかりいるな!」
また、その叱責の仕方も「大声で」繰り返されたといい、肉体労働を経て帰宅した奥本にとっては心身休まることは難しかったであろう。

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差別と自死で煙に巻かれた本筋~奈良・月ヶ瀬女子中学生殺害事件~

平成9年5月4日。
月ヶ瀬村の嵩集落にある自宅へと続く鬱蒼とした道路を、少女はひとり歩いていた。ついさきほど別れた友人の姿は、もう見えなくなっている。
自宅まではここから坂道を登っておよそ500m。鬱蒼とした村道ではあるが、幼いころから知っている慣れた道である。
顔見知りの商店のおばさんの車とすれ違う。この道を通るのはほとんど顔見知りの村の人ばかりだ。

背後から来た車が不意に停車し、運転手が声をかけてきた。
「乗っていくかい?」
充代さんは、顔を上げた…

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差別と自死で煙に巻かれた本筋~奈良・月ヶ瀬女子中学生殺害事件②~

高野嘉雄弁護士の存在

それに着目したのが、奈良弁護士会の高野嘉雄弁護士である。
殺人事件、少年犯罪などの刑事事件で弁護を重ね、裁判では情状面を非常に重視する弁護士としても知られる。
「弁護人は(被告にとって)最後の情状証人」であるとし、たとえどんな犯罪を犯した人間であっても、自身の感性を研ぎ澄ませ、全力でぶつかり弁護していくという、弁護士からも尊敬される大変優秀な弁護士である。
甲山事件、奈良の小一女児殺害事件などの有名な刑事事件を手掛けたほか、無銭飲食、窃盗などの比較的軽微な事件でもその精神は同じであった。
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差別と自死で煙に巻かれた本筋~奈良・月ヶ瀬女子中学生殺害事件③~

放火疑惑と花瓶事件

誠人の生い立ちに話を戻そう。
誠人については、村の人たちの多くが幼いころは素直ないい子であったと話す。母方の祖母も、気遣いのできる優しい子であったと証言している。
同級生らの証言も同様で、事件後のあの誠人の姿に目を疑う者もいた。
誠人が小学3年生(5年生という説も有)の時、嵩集落の集会所が全焼した事件が起きたが、それが誠人のせいにされた、というのはいろいろなところで報じられている。
火が出た直後、「誠人!逃げ!」という声を聞いた村人がおり、それだけで誠人がやったと思われたとなれば少しかわいそうな気がするが、実はその前段階の話がある。

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愛のためと嘯いた男の事情~静岡2女性殺害事件~

2010年5月5日。

静岡県御殿場市萩原の住宅街の一角。
住宅ローンが滞り3月に競売にかけられたその家は、不動産業者が落札し清掃業者が残された荷物やゴミの整理のため立ち入っていた。
直前の4月25日まで元の住人が暮らしていたその家は、生活感の抜けきらない何とも言えない雰囲気だったが、競売物件にはよくあることでもあった。
敷地内にある物置を掃除していた業者は、放置された青いビニールシートに目が留まった。粘着テープで不自然に巻かれたそのビニールシートをはぐと、そこに現れたのは女性らしき遺体であった。
仰天した清掃業者の通報で駆け付けた御殿場署員も遺体を確認、その後の調べで遺体は2月ごろから行方が分からなくなっていた久松紘子さん(当時26歳)とわかった。
紘子さんは、遺体発見現場となったこの住宅の元の持ち主である桑田一也(当時44歳)の前妻であった。

桑田は、遺体が発見される直前の4月に、知人女性に振り込め詐欺をはたらいた容疑で逮捕、起訴されていた。

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