姪の命と引き換えで目が覚めた妻の覚悟~福岡・二丈町たてこもり殺害事件②~

迷走する一家

川村を捨てきれなかったA子さんは、自分たちの家がないということに気づく。
市営住宅を解約してしまっていたため、家族3人はとりあえず自動車に生活用品を積み込むと、各地を転々とした。川村には多額の借金まであり、手持ちの金だけが頼りだったが、行き先のあてなど全くなかった。
離婚を後押ししてくれた周りの人には顔向けできなかったし、川村の手前、A子さんがひとりで動き回ることもできなかった。

少なくても金があるうちはそれでもまだ良かった。
ラブホテルで寝泊まりし、それがダメなときは車内や公園にテントを張ったりもした。
だんだんと残金が乏しくなると、川村は窃盗をはたらいた。時にそれはひったくりにかわり、A子さんも手伝った。
川村がひとり歩きの女性や高齢者からバッグなどをひったり、逃げる。車で待機しているA子さんと落ち合って、逃走。
覚えているだけでも20回以上は行ったという。

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「お父さん」を惨殺した中国人留学生の罪と罰~大分・恩人殺害事件~

2002年1月18日未明

大分県杵築市山香町。
山間の畑が広がるのどかな集落で、高齢の夫婦が殺傷されるおぞましい事件が起きた。
殺害されたのは、建設会社を営む吉野諭さん(当時73歳)。背後から腰を一突きにされ、その刃先は腹部を貫通するほど深く差し込まれていた。
2階で寝ていた妻・恵美子さんは、一命をとりとめたものの、腹部を二か所刺され重傷であった。

娘の雅美さんは、父の死を病室の母親に告げることが出来ずにいた。
しかし、いつもまでも隠せるものでもないし、捜査上のこともあって伝える決心をする。
覚悟していたのか、夫の非業の死を知らされた妻・恵美子さんは、取り乱すこともなく、力なく頷いたという。

一片の落ち度も、ましてや他人から恨みを買うこともなかったこの夫婦に刃を向けたのは誰か。
犯人が逮捕された時、吉野家はさらに深い悲しみに打ちのめされることになる。

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「お父さん」を惨殺した中国人留学生の罪と罰~大分・恩人殺害事件②~

誤算

安をのぞいた4人は18日の深夜から、知人宅に集合して凶器などを車に積み込み準備を行った。
その途中で、再び段取りが変わる。
金は運転のみの役割のはずだったが、吉野さん宅付近まで来た時、張が
「3人(張、朴、少年)だけで押し入るより、もう一人いれば夫婦それぞれに2人つくことになるから、そちらの方が良い。金にも家に入ってもらいたい」
と言い出す。
これを安が金に通訳したところ、金も了承した。
その上で、吉野さんの車のカギが見つかり次第、外に出て車で待機するよう指示した。

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実名を掲載することについて

先日、コメントをいただいた。
全文はコメント欄を見てもらえればわかるが、私の記事には遺族への配慮がないのでは、というご意見だった。
ちなみに、このサイトでは説明にもある通り、被害者に著しい被害が及ぶ可能性がある場合は姓名のいずれかを匿名とするが、遺族や関係者についてはメディアや講演会などで名前を出している場合、書籍などで名前が出ている場合、すでに他サイトなどや過去の報道で容易にその氏名がわかる場合はその限りではないとしている。
たとえば光市母子殺害事件の被害者遺族、本村氏などは匿名にする方が不自然なほどその名前には強さがある。
そのあたりの判断は、私自身が慎重に考えてどうするかを決めている。

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その涙に虹がかかるまで~名護市女子中学生暴行殺害事件~

【お願い】

この事件の犯人が在日韓国人だという話が存在しているのは知っていますが、私は断定していません。シェアしてくださる際には、個人の思想、政治的思想を絡めていないかを確認してください。

個人的には、歴史問題、現在の日韓関係全てにおいて日本政府の立場を支持しますが、このサイトはそういったところとは全く別のところに存在しています。個人のしがないサイトですので、よろしくお願いします。

1997年正月

「美香じゃない、美香じゃない。絶対に人違いだ」

この日、沖縄県名護市に住む伊地茂さん(当時42歳)は、山奥へと車で揺られながらずっとそう考えていた。
茂さんは、昨年の621日から一日も休むことなく、突如行方が分からなくなった中学3年生の娘・美香さん(当時15歳)を探し続けてきた。
美香さんは家出などではなかった。行方不明になった日、自宅まであと600メートルというサトウキビ畑で、白いワンボックスカーに連れ込まれるのを目撃されていた。
それから半年。
茂さんは美香さんは生きていると信じて、沖縄中の路地という路地まで捜し尽くしていた。

現場には、美香さんがつけていたカエルのキーホルダー付きのリュックが遺されており、状況的に間違えようもなかったが、それでも父は、信じたくなかった。

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