🔓死刑と無期のはざまで~石垣市・小学生殺害事件/鹿沼市・幼児女子高生殺害事件~

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まえがき

死刑、その是非は日本国内のみならず、世界中で議論され続けていること。
死刑そのものがない国もあれば、日本同様、死刑を行う国もある。
死刑を執行するたびに、日本は世界中の死刑反対団体などから抗議を受け、国内でも人権団体や法律家による講義が行われるが、正直、それが何か影響しているかというような印象はない。

確かに国家による殺人と言われる死刑について、本当にそこまでしなければならないのかは、死刑囚と近い人間(個人的な繫がりのみならず、刑務官や弁護士など職務上つながりのある人を含む)であればあるほど、複雑な思いも抱くだろう。遺族の中にも、死刑に否定的な方すらいる。

しかし一方で、被害者遺族のみならず、家族からも「殺してくれ」と言われてしまうような、正直救いがたい罪を犯してしまった人もいる。
さらに、一度死刑判決を受けたものの、控訴審、上告審において無期懲役となって死刑を免れる人もいる。もちろん、その逆も。

昭和の終わりに起きた、二つの許し難い犯罪について、その後の裁判の結末を含め残しておく。

彼らは死刑を免れた。

【有料部分 目次】
鹿沼市の事件
 まさかの犯人
 もう一つの事件
 それまで
 出来のいい隣の子
 踏みつけられた部品
 第2の事件まで
 凶行
 裁判
石垣市の事件
 その日
 男の異常な性癖
 鬼畜の所業
 死亡ひとりでの死刑判決
それぞれの控訴審
 「死刑にしてくれ」といった母
 破棄自判
 解釈
死刑基準

🔓卑怯者~鈴鹿市他・少女連続殺傷事件~

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平成6年9月1日 

三重県上野署に、この日一人の男性が出頭してきた。
男性は、テレビのニュースでとある事件を見聞きし、2年前の出来事を思い出したのだ。

「犬の死体を池に沈めるのを手伝ったことがある……」

そのニュースとは、8月11日に拓殖町の竹谷池において、浮いていた黒いごみ袋の中から、手足のない女性の遺体が発見された、というものだった。
男性がこのことを警察に話そうと思ったのは、その発見された黒いごみ袋が、金網で巻かれていたという特殊な状態だったことが、自身が手伝って遺棄したものと全く同じ状態だったからだった。
【有料部分 目次】
竹谷池の遺体
被害者
犯人逮捕
連続暴行魔
出生の秘密と「におい」
協力者
妻の苦悩
死刑求刑と無期判決
どうしようもない衝動と人間性のかけら
叫び

🔓破滅のロト6~舞鶴市・母親殺害幼児遺棄事件~

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兄妹

平成17年3月29日午前9時50分、京都府福知山市。
その日、男性は仕事でダンプカーを運転し、曲がりくねった府道530号線を走行していた。
春の山里の景色が広がるその道は、普段あまり車の往来も地元民や工事関係者のみでさほど多くない。春先とはいえ、朝晩は気温が5度以下になるほど冷え込み、運転席の窓をすかすと気持ちの良い冷たい風が吹き込んできた。

ふと、道路沿いを流れる上三岳川が目に入った。
道路との高低差は5mほどあり、普段ならば気にも留めない小さな川だが、運転手は思わずダンプを停めた。

上三岳川の川岸に、なにか、いた。

運転手がガードレール越しにのぞき込むと、そこにはうつぶせで両足を川の水につけた状態の幼児が倒れていたのだ。

仰天した運転手は急いで川へと駆け降りると、その幼児の生死の確認をした。生きている。運転手は幼児を抱きかかえると急いで最寄りの民家へ駆け込み、119番通報した。

幼児は女の子で、救急隊員らの保温によって一命をとりとめたものの、上室性期外収縮、徐脈を伴う体温32.5度、直腸温度は34度の低体温となっており、凍死の一歩手前という重篤な状態にあった。

ただこの時点で、付近の住民はこの女の子を全く知らないといい、この年頃の女児の迷子、捜索願も出ていなかった。女の子も名前を話せなかったことから、その身元は分からなかった。

女児の保護から4日後の4月1日午後3時。
高知県吾川郡いの町長沢の国道で、幼い男の子がとぼとぼと歩いているのを住民が見つけ、110番通報した。
男児は4歳で、名前を話すことができた。そこで、署員らは驚愕する。
この男児は、3月31日に京都府警に捜索願が出されていた男の子だった。京都の男の子がなぜ、高知のしかも山奥に?

しかも、行方不明になっていたのはこの男の子だけではなかった。
男の子には2歳の妹がおり、さらには母親の所在も31日夜以降、わからなくなっていた。

その後、京都府警との連絡により、4日前に福知山市内で保護された女の子の兄と判明した。

母親の所在は依然わからずにいたが、警察では、もう一人所在のわかっていない男の存在を把握していた。

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【有料部分目次】
事件発覚
男のそれまで
女のそれまで
破滅へのロト6
傷害事件
限界
目撃者
殺意の形成
こんなに尽くしているのに

🔓Love & Father~八街市・父娘強盗殺人放火事件~

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平成22年5月11日

男性はその日、火災発生を知らせる防災無線に耳をすませた。
場所によっては、消火活動をする必要もあるため、住所を聞き取ろうとして息をのんだ。
男性は急いで現場に駆け付けたが、その家はすでに2階から炎が噴き出し、手が付けられない状態となっていた。

その家は、男性が5年前に建築を請け負った家だった。

八街の放火

平成22年5月11日午後2時半ころ、千葉県八街市小谷流の民家が燃えていると、近所の住民から119番通報があった。
駆け付けた消防隊が火を消し止めたものの、木造二階建ての立派な家は見るも無残に焼け落ちた。

この家は、農業の中村行夫さん(当時76歳)と長男(46歳)、そして長男の娘ふたりの4人暮らしだった。
火災は平日の午後に起こっており、長男と娘二人はそれぞれ学校と職場へ行っており無事が確認された。行夫さんも、火災が起きた時いつも使用している軽四自動車が見当たらなかったことから、行夫さんも出かけていて無事なのでは、と思われたが、その後の現場検証で、1階の六畳間で遺体が発見された。

近所の人らは、「車がなかったからてっきりお孫さんを迎えに行っているのだとばかり思っていた」と話し、一家を襲った突然の不幸に同情を寄せた。

しかし、一つおかしな点があった。

住民らが言うように、普段行夫さんが使用していた軽四がなくなっていたのだ。
長男も使用しておらず、行夫さんが自宅で死亡している以上、行夫さん以外の誰かがその軽四を乗って出ていった、としか思えなかった。
警察では当然、事件を視野に入れて捜査したが、後日行われた司法解剖の結果、行夫さんの遺体には背中に刺し傷があったことが判明。さらに、胃の内容物から食後4時間ほどで死亡していること、そして、喉には微量のすすも認められたことから、刺されてすぐに火を放たれたとみられた。

警察は殺人事件と断定、目撃情報や、なくなった車の捜査を始めた。
まずもたらされたのは、行夫さん宅の近くの山道に放置されていた見慣れぬ自転車の存在だった。それは2台並べて置いてあり、最近とめられた、という感じだったという。
また、家の中では物色されたような跡もあり、さらには行夫さんの家族以外のなにものかが「食事」をした形跡があったという。
以上のことから、犯人が行夫さんを殺害後に室内を物色し、食事をして火を放ち、行夫さんの軽四を盗んで逃走した、と警察では見ていた。

そしてもうひとつ、重大なある事情がこの家には悩みの種として覆いかぶさっていたことも分かった。

行夫さんの孫娘の一人が、ストーカー被害に遭っていたのだ。

【有料部分 目次】
ストーカー
八街の父と娘
「愛に年齢は関係ないっ!」
父親の暴走
凶行
無罪主張の父
A子
少女たち

🔓魔が刻~群馬・幼児ダム突き落とし事件~

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平成11年5月3日

埼玉県妻沼町。
群馬県警の捜査車両は一台の車とカーチェイスさながらの追跡劇を作り広げていた。
運転していたのは男。男が運転していたのは、群馬県館林市内で盗まれた車であり、その車には、持ち主の子供たちが乗っていた、はずだった。

事件概要

平成11年5月3日、GWのさなかのこの日、その車は館林市松原の住宅展示場にあった。
所有者は館林市内在住の会社員、田島修さん(仮名/当時37歳)。妻と二人の子供とともに、この住宅展示場を訪れていた。
ぽかぽか陽気の中、子供たちは楽しい休日を満喫し、後部座席で寝入っていた。
田島さん夫妻は子供たちを起こそうとしたが、気持ちよさそうに眠っていたため、エアコンをかけエンジンをかけたまま車を離れた。
住宅展示場へ入って、目当ての家の二階に上がってふと、修さんが外に停めた自分の車のほうを見て驚愕した。
あったはずの車が、消えていたのだ。

「車がない!子供が乗ってるんだ!!」

展示場に入ってわずか6分。すぐさま110番通報し、直ちに緊急配備が敷かれた。

午後8時半、冒頭の通り国道17号線を群馬から埼玉に入ったところで捜査車両に行く手をふさがれたその車は、ガードレールにぶつかりながらも逃走を図ったものの、逃げ切れず逮捕となった。
が、肝心の子供の姿が車の中にはなかったのだ。

さらに、警察が男の身元を調べたところ、なんと別の事件で茨城県警に指名手配されていた男だということが判明した。
【有料部分 目次】
男のそれまで
暗雲低迷
どうしようもない男
誤算からの破滅
自責
その後