🔓罪万死に値する~横浜・一家3人殺害事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

県道にて

平成14年8月4日、午後1時半。
富山県富山市東田地方(ひがしでんじがた)の県道で、一台の不審な乗用車が目撃された。
赤色のその乗用車は、県道を蛇行するような運転をしており、警察にも危険走行をしている車がいるとして通報が入っていた。

近くをパトロール中だった覆面パトカーは、ある情報を持っていたことからその赤い乗用車を捜索、後にその車を発見、停止させた。
その乗用車は、神奈川県内である事件に関係した人間が乗っているとして、神奈川県警から全国手配されていたのだ。
警察官が車を停止させ、運転手を確認。事情を聞いたところ、神奈川県警から手配されていた人物だと認めたため、そのまま富山署に任意同行となった。

この時、車内には女性の姿もあった。実はこの女性の行方も警察は追っていた。

この女性の両親とひとり息子は、8月日夜に自宅マンションでメッタ刺しにされ殺害されているのが見つかっていたのだ。

都筑区の惨劇

警察に知らせたのは、そのマンション3階に暮らす老夫婦の長男だった。
千葉県内に住んでいた長男は、数日前からこの横浜市都筑区のマンションに住む両親と連絡が取れず、心配して訪ねてきていた。
外から見ると、洗濯物が干しっぱなしのような状態だったことで心配は嫌な予感に変わった。
警察に連絡したうえで、都築署員と共に合鍵で部屋に入ると、そこはまさに血の海だった。

父親はリビング、母親は廊下、そして中学生になる甥っ子が寝室でそれぞれ息絶えていた。
全員寝間着姿で、状況から死後数日とみられた。

【有料部分目次】
行方不明の男女
嫉妬深い男
裁判
夫婦のそれまで
離婚話
拉致監禁
弁護士
私立探偵とほどかれた髪
はずしていなかった、「思い込み」
話し合いたかっただけ
妻の言い分、夫の言い分
被害者、遺族であっても……

花嫁は嬰児遺体を連れて〜横浜・YCATゴミ箱嬰児遺体遺棄事件〜

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

昭和562月、横浜の伊勢山皇大神宮の結婚式場では若々しいカップルの結婚披露宴が執り行われていた。
花嫁は色打掛から爽やかなブルーの振袖へとお色直しをし、恰幅の良い新郎も紋付袴がよく似合っている。
招待客は80名ほど。新郎新婦の父親が勤務するのはいずれも東京電力、新郎自身も川崎の電動機器メーカーの営業、新婦も大手銀行に勤務していたことで、招待された人々も皆、社会的立場のしっかりした人々だった。

専修大学を卒業した花嫁は、長身で目元の涼し気な、今で言うと女優の木村多江似の美人。二人は披露宴の後横浜のホテルに宿泊し、アメリカへ新婚旅行へ行く予定だという。

式場スタッフもそんな晴れやかなカップルを目を細めて見守っていたが、気になることがあった。

着付けを手伝う女性スタッフの間で、妙な噂が流れていたのだ。
1月に行われた結納の着付の際、確かに花嫁様は妊娠してらっしゃいました。お腹の膨らみがわかるほどになっていましたから。ところが、2月の披露宴の時はそのお腹がぺっちゃんこになっていた。なのに、二人の間に赤ちゃんが生まれたという話もない。事情を知るスタッフの間では、どういうこと??と噂になっていました。」

新郎新婦に変わった様子もなく、披露宴で花嫁はとにかく明るかったという。

しかしその2ヶ月後、式場のスタッフは警察の聞き込みを受けることになる。 続きを読む 花嫁は嬰児遺体を連れて〜横浜・YCATゴミ箱嬰児遺体遺棄事件〜

🔓わがままシンデレラ~大垂水峠・美人ピアノ教師殺害死体遺棄事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

「あの先生、確かにものすごい美人でした。けど、子供たちにも優しいしとにかく熱心でしたから……。32歳?いやいや、24,5歳にしか見えませんでしたけどねぇ」

事件後、被害者を知る人々から語られたのは、とにかく美しい人だったということだった。それだけではなく、甘く、舌ったらずな話し方は独特で、その声に魅力を感じる人々もいた。

当時(昭和62年)、愛好家が多く存在したアマチュア無線。
資格を持った人々が、無線を通じで見ず知らずの人とつながることができる、そういう楽しみ方をする人々がいた。
この事件の被害者も、アマチュア無線の愛好家だった。
深夜、電波に乗って聞こえてくる甘い彼女の声に、何人もの男たちが虜になったという。

そしていつしか彼女を頂点とする構図がその愛好家の中に出来上がっていく。
それはまるで、女王と家来、そんな風に見えた。

大垂水峠の遺体

昭和62年12月28日午前7時40分、八王子の甲州街道沿いの大垂水峠の沢で、毛布にくるまれた遺体が発見された。
ピンク色の毛布にくるまれた遺体は、白いパジャマ姿。セミロングの髪に、ゴールドで統一されたアクセサリーを身に着けていた。そのアクセサリーが輝く両腕は、細いビニールひもで縛られていたという。
季節柄、さほど腐敗は進んでいなかったが、死後3~4日とみられた。

被害者は女性、その左足には大きな特徴があった。つま先の部分がなかったのだ。
といってもかなり昔に手術によって切断されたような状態だったため、幼いころに事故か病気でつま先部分を失ったとみられた。

警察は大きな特徴であるとして身元を調べるためにその特徴を公開。すると、28日になって「大垂水峠の遺体は姉ではないか」という連絡が入った。
12月23日から行方が分からなくなっていたのは、遺体遺棄現場からは遠く離れた名古屋市在住のピアノ教師の女性だった。
通報者は実弟で、23日の夕方に姉が弟宅で近所の子供らにピアノを教えた後、行方が分からなくなっているというのだ。愛車のフェアレディZも、なくなっていた。

その後、弟によって遺体は姉であると確認された。

【有料部分目次】

ファンクラブ
12歳年下の「ツバメ」
純金のお嬢様
取り戻したかった青春
公衆電話にかじりつく男
女王様の誤算
20年後の暴露話

今まで大丈夫だったから~我が子を放置して平気な親たち~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

令和4年7月29日、神奈川県厚木市の公園駐車場で、「車内にいた子供の様子がおかしい」と母親から110番通報があった。
救急隊らが車内から子供たちを救出したが、1歳と2歳の姉弟はすでに意識がない状態、「これまで経験がないほど体が熱くなっていた」と救急隊員が言うほど子供たちの状態は悪かったという。

調べに対し母親は、公園で遊ばせた後、車内で子供たちといたと説明。ただ、7月末のクソ暑いさなかなぜかエンジンを切り、30分も自分はスマホをいじっていたのだという。
そして気が付いた時には、子供たちは後部座席で重篤な状態に陥っていた、という説明をどこの誰が信用すると思ったのか。
案の定、その後の調べで母親は知人男性宅の前の路上に子供たちを乗せたままの車を放置、男性宅で過ごした後に車に戻ったところで様子がおかしいことに気づきわざわざ公園まで車を移動させてから、110番通報していたことが判明。
子供の命よりも自己保身、しかもこの母親はこの事件の数週間前にもスーパーの駐車場に1歳の息子を残したままにしているのを通報されていた。

児童相談所が把握していながら防げなかった事件。もうあまりのことに頭がどうにかなってしまいそうだが、保護責任者による積極的な虐待とはまた違うこういった事件は後を絶たない。
毎年のように車内放置で死亡に至らなくとも危険にさらされる子供が報道されているのに、同じことをする人がいなくならないのはなぜなのか。

振り込め詐欺がいっこうになくならないのも、こう思っているからだ。

「まさか、わたしが。」「自分は大丈夫」「ちょっとだけなら大丈夫」

この事件に限らず、過去に起きたいくつかのケースを掘り起こしてみたい。
そしてそのケースごとの背景や結末、世間の当時の反応なども比較してみる。 続きを読む 今まで大丈夫だったから~我が子を放置して平気な親たち~

「八月の母」と伊予市団地内少女監禁暴行死事件

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

先日Twitterで「八月の母」を読んで感想を書いてほしい、という話があった。
この、「八月の母」を書いたのは悲しきデブ猫ちゃんで愛媛新聞購読者にはお馴染みの、早見和真氏である。
早見氏のことは皆さん検索していただくとして、この「八月の母」という本は実に事件備忘録的な本であり、完全なフィクションではあるけれど、実際に起きた事件がベースとなっている。

平成26年八月のあの日、私は夫の実家のある久万高原町にいた。夕食の準備をしながら見ていたニュースに、全員が「これ、ちょっと……」と言ったきり言葉をなくした。
伊予市の市営団地の一室で、若い女性の遺体が発見されたというニュースだったが、その時点でそれが集団によるリンチの末の死であること、女性が監禁状態にあったことなども併せて報じられていたからだ。

年代的に私は綾瀬のコンクリ事件を思い出した。
被害者は松山市内の10代の女性で、逮捕されていたのが現場となった団地の一室の主である女と、その子供たちが含まれていたことも衝撃だった。
団地、家出少女、未成年者のたまり場、シングルマザー、もうこれだけでお腹いっぱい的な話ではあるが、私はこれが「伊予市」で起きたことにも実は重きを置いていた。
事件の全容は、未成年者がかかわることもあってかなり抑えめだったように思う。途中からは主犯とされた母親の名前さえ伏せられることもあった。
報道をつなぎ合わせれば、たまり場と化していたその団地の一室に、いつからか入り浸るようになった被害者が、家族の感情のはけ口にされ日常的に暴行されるようになり、歯止めが利かなくなった末に命を落とした、というもの。
殺人ではなく、傷害致死である。集団心理という言葉も取り上げられた。

その事件をもとに書かれたのが、「八月の母」である。

この本は、フィクションではあるものの作中には実在する町の名前がでてくる。地元の人間ならばどこなのか、どの店なのかまでわかるほど、場所を意識して書かれている。それが、事件備忘録でよく話題になる「場所と事件の関係性」を意識させ非常に興味深く読んだ。
内容的に結構なネタバレになることはあらかじめお断りするとして、実際の事件と私が生まれ育った愛媛を取り混ぜながら本の紹介と読書感想文を書いてみる。

以下、ネタバレOKな方のみお進みください。嫌な人はまず本を読もう。
  続きを読む 「八月の母」と伊予市団地内少女監禁暴行死事件