病める女~愛知・藤岡町男児せっかん死事件①~




平成12年10月16日

愛知県豊田市。
とあるガソリンスタンドで、女性は昼休憩をとっていた。
昼と夜の寒暖差が激しくなってきてはいたが、ここ数日は晴れて、秋の気持ちよい日々が続いていた。

ふと、手にしていた携帯電話が震えた。
着信の相手は、以前から親しくしていたママ友だった。
「やっちゃった、もう硬くて冷たくなってる。死後硬直してる。」
にわかに理解できないママ友の言葉だったが、女性はとにかく「救急車を呼んで」と伝え、勤務先を飛び出すとママ友の自宅へと向かった。
道中、再度ママ友に連絡を取った女性は、「お願いだから、抱きしめてあげてて。」と頼んだという。

ママ友の自宅につくと、ママ友は放心状態で子供部屋に座り込んでおり、女性に対し、「もうやばい、これで刑務所だわ」と呟いた。

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病める女~愛知・藤岡町男児せっかん死事件②~




もうひとり

3月12日に開かれた亮子の初公判において、弁護側は起訴内容を一部否認。亮子が単独で行ったとする検察に対し、亮子の知人である女性の名前を示して、その女性に言われるがままに行ったものだと主張した。
それはむしろ、その知人女性こそが、この事件の「主犯」であるかのような主張だった。 続きを読む 病める女~愛知・藤岡町男児せっかん死事件②~

流浪の運命共同体~長野・山梨・静岡・男女殺害遺棄事件①~

「なぜ母が殺されなければならなかったのか。そしてなぜ、姉がそれに加担したと言われるのか、まったく理解できません。
ふたりは仲の良い母娘でした……」

黒磯市役所で記者会見に応じた男性は、悔し涙をにじませた。
傍らには、妻の姿もあったが、この二人は一歩間違えれば今頃生きていなかったかもしれなかったのである。
ふたりは生き延びたが、入れ替わりに行方不明になった男性の母と姉は、壮絶な人生を送る羽目になってしまった。 続きを読む 流浪の運命共同体~長野・山梨・静岡・男女殺害遺棄事件①~

流浪の運命共同体~長野・山梨・静岡・男女殺害遺棄事件②~

金づる





上原は、この放浪生活は実に3度目だった。
1度目は1997年ころ、トラック運転手をしていた上原は闇金からの借金を逃れるために、当時の妻と自身の両親に、「暴力団と土地をめぐってトラブルになったので逃げよう」と騙し、2か月ほど各地を転々としていた。
その後は離婚しいったん落ち着いたものの、1998年9月に闇金に居場所を突き止められてしまい、今度は交際中だった現在の妻とともに車上生活を送る。その期間、なんと2年である。
上原は筋金入りの放浪のプロだったのだ。 続きを読む 流浪の運命共同体~長野・山梨・静岡・男女殺害遺棄事件②~

流浪の運命共同体~長野・山梨・静岡・男女殺害遺棄事件③~

母娘

警察は、上原のほかに、悦子さんの娘である美緒も、悦子さんを殺害した容疑で逮捕、送検していた。
しかも、当初暴行を加えたのは美緒であり、上原はそれに加担した、といった報道だった。
上原も、裁判では「もともと合流した当初から、母娘の中は悪かった。日ごろから美緒は悦子さんと口論が絶えず、存在を疎ましいと感じていた」といった主旨の発言をしていた。
そのうえで、殺害に至った当日も、口論から美緒が悦子さんに暴行を加えているところへ、上原と中里さんが加担した、とされていた。 続きを読む 流浪の運命共同体~長野・山梨・静岡・男女殺害遺棄事件③~