不可解な愛の流刑地~池田市・自衛官心中事件①~

平成18年8月15日

「主文。被告人を懲役6年6月に処する。」

この日、大阪地裁である事件の判決が言い渡された。
検察側の求刑は殺人罪での懲役15年だったが、言い渡された判決はそれを大幅に下回る、懲役6年6月というものだった。

判決を言い渡されたのは、元自衛官の藤田盛司(当時42歳)で、被害者は当時不倫関係にあったという同じ自衛官で元部下の女性だった。

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嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件①~

平成13年7月21日午後3時半

大分市横田の県道沿いの緑地帯駐車場で、タクシー運転手はいつものように休憩をとっていた。
ふと、同じ駐車場内に停めてある車に目をやった。
「そう言えばあの車、もう何日もここに停まっちょるけど……。」
そこは、県道22号線沿いに広がる緑地帯に設けられたスペースで、トラックやタクシーの運転手が時折休憩のために車を停めることはあっても、周辺には家も店もないため長期間車が停められているのは不自然だった。

気になった運転手が、乗用車の中を覗いたところ、人が乗っている気配はなかったが、女性の持ち物らしきハンカチやブラシが落ちていた。
気になりながらも引き返そうとした時、後部座席にあった粘着テープが目に入った。
ふっ、と、運転手の心がざわついた。運転手が見たのは粘着テープだけではなかった。車内には、無数のハエが飛んでいたのだ。 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件①~

嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件②~

13通の偽造手形

由香さんに対して、絶対に銀行に回ることはないから安心しろなどと言っていた冨田は、その手形を受け取ったその日のうちに、手形割引業者に裏書譲渡した。
由香さんが勤務していた会社は特に経営に問題がなかったため、割引業者らも冨田からの依頼であっても拒否する理由がなかった。
もちろん、ここで偽造されたものではないのか、という疑いを持たれれば拒否される可能性はあったが、この時点ではその疑いを持つ余地はなく、また、冨田の「嘘」を全員が見抜けなかった。
この時冨田が得た現金は、4625741円だった。 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件②~

嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件③~

振り払った救いの手

経営者の妻らに知られたことで、本来ならば由香さんの苦悩はここで終わるはずだった。
理解ある経営者の妻と息子は、由香さんが騙されてやったことであり、現時点では会社に損害も出ていないことから、由香さんを今後監督していくことで不問に付した。
それはもちろん、由香さんが洗いざらい話してくれたと思ってのことであり、心労をかける必要はないとして由香さんの両親にも何も言わないことにしたのだ。

しかし、由香さんはすべてを話してはいなかった。 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件③~

嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件④~

猿芝居

由香さんは、ある時冨田からこんな話を聞かされていた。
「弁護士を紹介してくれたのは、大阪の暴力団の組長なんだ。A(冨田と由香さんが出会った会社)にいたときに研修で大阪に行ったんだけど、飲み屋で隣り合わせてね。
すごく気に入られて、その時に何かあったら連絡すればいい、と弁護士を紹介してもらったんだ」 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件④~