箍のはずれたふたりが夫を殺すまで~八王子・男性教師殺害死体遺棄事件~

平成4年11月17日



神奈川県藤野町にある峠に向かう道を、男性は自転車で登っていた。

この峠道はいたるところに休憩所やベンチなどが置かれ、自転車でのぼる人のほかに、ハイキングで訪れる人もいる自然豊かな場所だ。
男性が「それ」を見つけたのは、ふと足を止めた落ち葉の中だった。ゴミかと思った「それ」は、骨のようにも見えた。
「まさか・・・」
そう思ったが、どうも気になった男性は110番通報。後にそれは、人骨であることが判明した。

警察が周辺を捜索したところ、男性が骨の一部を見つけた場所に接する斜面からほぼ全身の人骨がバラバラの状態で発見された。
しかも、胸の骨には刺し傷のような痕、そして額部分にも殴られたような傷痕があったことから、この人は殺害されてこの場所に遺棄されたとみられた。 続きを読む 箍のはずれたふたりが夫を殺すまで~八王子・男性教師殺害死体遺棄事件~

箍のはずれたふたりが夫を殺すまで~八王子・男性教師殺害死体遺棄事件②~

はずれた箍

一方の井上は、警察官の父のいる家庭で育ち、千葉大学を卒業後に同級生だった妻と結婚。
教師とはいえ、同じ千葉大卒の妻の上には立てなかったようで、子供の教育方針でも妻とはぶつかることがあったという。
家の中に自分の居場所を見いだせなくなっていた井上は、そのことを紀子に相談していたようだ。

井上と紀子が気があったのは、お互い家庭に不満があったことに加え、家族の中に警察官がいる、ということもあった。
紀子の兄も警察官で、お互いなんとなく自分たちは似ていると思っていたのかもしれない。 続きを読む 箍のはずれたふたりが夫を殺すまで~八王子・男性教師殺害死体遺棄事件②~

孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件~

平成16年7月10日


茨城県関城町(現・筑西市)。
この日、いつものように午前中農作業を終えて午前11時半ごろに帰宅したこの家の祖父は、家の中から孫の泣き声が聞こえるのに気付いた。
「やれやれ、ケンカでもしたかな」
そう思った次の瞬間、自宅前の車庫で孫の礼司くん(仮名/当時7歳)が倒れているのが目に飛び込んできた。
急いで抱き起そうとすると、孫の顔は殴られたかのように腫れ上がり、首には絞められた痕、そして、上半身には切り付けたような浅い傷がいくつかあった。
さらに、二階で泣いていた孫の和史くん(仮名/当時4歳)も、顔がうっ血しているような状態だった。 続きを読む 孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件~

孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件②~

思い通りにならない嫁

下館市出身の真紀さんは、高校卒業後は地元で就職していた。特に目立つ人ではなかったようだが、悪い話もない、そんな人だった。
その真紀さんが見合いをしたのは、真紀さんの実母の判断があったという。
今でこそ、30歳を過ぎてからの結婚は珍しくもなんともないが、当時は25歳を過ぎれば行き遅れとみなされる時代だった。ましてや、30歳を過ぎても結婚しないというのは、結婚できない女とみなされても文句は言えなかった。 続きを読む 孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件②~

謎の一家失踪と蔓延るうわさ~世羅町・一家失踪事件①~

平成13年6月4日

「なんで来とらんの。家に行っても誰もおらんってどういうこと?」

その採石会社では、社員旅行で中国の大連に向かうことになっていた。
しかし、集合時間を過ぎても、一人の女性社員が現れなかったのだ。同僚らが自宅を訪れたが、その女性もその家族も、誰一人として家にはいなかった。

「鍵もかかっとるし、どうしたんじゃろ……」

とりあえず連絡をつけられる親類に事情を話すと、なんと女性の夫も無断欠勤をしていることが分かった。さらに、家にいるはずの男性の母親も見当たらない。玄関にはしっかりと鍵がかけられ、呼びかけにも中から返答はない。
「車が1台ないけぇ、どっかに出かけたんじゃろうか」
その家には、乗用車と軽トラがあったが、乗用車がなくなっていた。そのかわりに、一人娘のものと思われる車が止まっていた。

連絡を受けた女性の弟が、はしごをかけて家の二階にあがった。一か所、鍵のかかっていない窓があったため、そこから家の中へ入ると、そこにはごく普通の、ありふれた生活の匂いが残っていた。

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