孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件~

平成16年7月10日


茨城県関城町(現・筑西市)。
この日、いつものように午前中農作業を終えて午前11時半ごろに帰宅したこの家の祖父は、家の中から孫の泣き声が聞こえるのに気付いた。
「やれやれ、ケンカでもしたかな」
そう思った次の瞬間、自宅前の車庫で孫の礼司くん(仮名/当時7歳)が倒れているのが目に飛び込んできた。
急いで抱き起そうとすると、孫の顔は殴られたかのように腫れ上がり、首には絞められた痕、そして、上半身には切り付けたような浅い傷がいくつかあった。
さらに、二階で泣いていた孫の和史くん(仮名/当時4歳)も、顔がうっ血しているような状態だった。 続きを読む 孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件~

孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件②~

思い通りにならない嫁

下館市出身の真紀さんは、高校卒業後は地元で就職していた。特に目立つ人ではなかったようだが、悪い話もない、そんな人だった。
その真紀さんが見合いをしたのは、真紀さんの実母の判断があったという。
今でこそ、30歳を過ぎてからの結婚は珍しくもなんともないが、当時は25歳を過ぎれば行き遅れとみなされる時代だった。ましてや、30歳を過ぎても結婚しないというのは、結婚できない女とみなされても文句は言えなかった。 続きを読む 孫に手をかけた姑と許せという実母~茨城・孫二人殺人未遂事件②~

謎の一家失踪と蔓延るうわさ~世羅町・一家失踪事件①~

平成13年6月4日

「なんで来とらんの。家に行っても誰もおらんってどういうこと?」

その採石会社では、社員旅行で中国の大連に向かうことになっていた。
しかし、集合時間を過ぎても、一人の女性社員が現れなかったのだ。同僚らが自宅を訪れたが、その女性もその家族も、誰一人として家にはいなかった。

「鍵もかかっとるし、どうしたんじゃろ……」

とりあえず連絡をつけられる親類に事情を話すと、なんと女性の夫も無断欠勤をしていることが分かった。さらに、家にいるはずの男性の母親も見当たらない。玄関にはしっかりと鍵がかけられ、呼びかけにも中から返答はない。
「車が1台ないけぇ、どっかに出かけたんじゃろうか」
その家には、乗用車と軽トラがあったが、乗用車がなくなっていた。そのかわりに、一人娘のものと思われる車が止まっていた。

連絡を受けた女性の弟が、はしごをかけて家の二階にあがった。一か所、鍵のかかっていない窓があったため、そこから家の中へ入ると、そこにはごく普通の、ありふれた生活の匂いが残っていた。

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謎の一家失踪と蔓延るうわさ~世羅町・一家失踪事件②~

発見

平成14年9月7日。
世羅町京丸にある京丸ダムに、車の底が見えていると通報があった。
実は以前にも、別のダムに沈んだ車が発見されたことがあったが、山上さんとは無関係の車で、車内からは中年男性一人の遺体が見つかり、山上さんではないことは判明していた。

警察が車を引き上げたところ、山上さん宅の乗用車と同じ白のスプリンターだった。
心配そうに見守る住民らの前で、車は静かに引き上げられ、中からは成人と思われる4人の遺体と、後部座席には動物の骨が発見された。

歯型鑑定の結果、4人は山上さん一家と断定、行方不明から1年と3か月、事態は最悪の結末を迎えてしまった。 続きを読む 謎の一家失踪と蔓延るうわさ~世羅町・一家失踪事件②~

謎の一家失踪と蔓延るうわさ~世羅町・一家失踪事件③~

預貯金総額3000万円

表向きは何不自由ない生活に見えていた山上家が、理由は別にして過去に借金をしていたことは事実である。
そして、失踪の直前になんらかの督促状が着ていたことも事実であった。
ただ、山上家には政弘さん名義で2700万円、祖母の三枝さん名義で200万円、順子さん名義で170万円、そして千枝さん名義でも200万円の預貯金残高があったのだ。
しかも、農協などにおそらく付き合いもあってかけていたのだろう、生命保険もあった。
その年間の保険料は総額で120万円であった。
これほどまでに十分な預貯金があったのであれば、借金トラブルということは考えにくかった。
ちなみに、だが、年間120万円の保険料にのけぞる人も多いと思うが、田舎では珍しい話ではない。
私の父も、愛媛の山奥で兼業農家を長いことしていたが、年間の保険料総額は150万円を超える。家族が多いことや、車の所有率の高さ、その他理由はあるけれど、決して突飛な額とは言えない。 続きを読む 謎の一家失踪と蔓延るうわさ~世羅町・一家失踪事件③~