淋しくて淋しくて~仙台・同僚女性殺害事件~

平成19年6月15日午後8時

その夜、男性は仙台市若林区のとある有料駐車場に停めてある一台の軽自動車の前で立ち尽くしていた。
その車は、男性と5月に入籍したばかりの妻のものだったが、実はその妻とは、前日の夜から連絡が取れていなかった。
男性は会社を休んで妻を捜していたところ、夕方になって仙台南署から「大和町の契約駐車場に、お宅の車が勝手に停められている」と知らされ、急いで現場にやってきたのだった。

車はフルスモーク仕様だったため、外から中の様子は全く覗えず、さらに合い鍵は妻の母親が持っていたことから、男性は妻の母親に連絡し、到着を待っているところだった。

午後8時過ぎ、駆け付けた妻の母親と姉が車のロックを解除しドアを開けると、前の座席のシートが後ろに倒され、中には誰も乗っていなかった、ように見えた。

後部座席を確認した瞬間、母親と姉の悲鳴が上がる。男性はその場で腰を抜かした。
後部座席の陰に、妻がいた。その姿は激しく顔面を損傷し、さらには全裸であった。

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淋しくて淋しくて~仙台・同僚女性殺害事件②~

略奪愛


真紀はたしかに貴信さんと交際していた。その期間はおよそ5年。貴信さんの自宅で同棲していた時期も2年ほどあった。
真紀と貴信さんの出会いは、平成13年に遡る。平成11年の10月から真紀が働いていたスーパーに貴信さんが入社してきたのだ。
真紀の身分はパート。一方の貴信さんは、東京の大学を出て、幹部候補だった。というのも、貴信さんは勤務先のスーパーの取引先である青果市場の社長の息子、ということで、そういった立場になったという話がある。
事実、事件当時の貴信さんは31歳という若さでスーパーの常務という肩書を持っていた。 続きを読む 淋しくて淋しくて~仙台・同僚女性殺害事件②~

淋しくて淋しくて~仙台・同僚女性殺害事件③~

丸出しの嫉妬心

真紀の結婚については、職場の同僚らは「知らなかった」という。扶養の関係上、夫の存在を人事や経理には隠せないと思われるが、パート仲間は真紀はずっと「村山真紀」だったと話す。
スーパーに入社した後に結婚しているので、旧姓のまま通していたのだろうか。
一方で、貴信さんとの交際は周知の事実だった。

真紀は職場で同僚らの前で泣き崩れるなどしつつ、由希子さんに対して嫌がらせを始めた。
真紀は貴信さんと別れて以降も、なんだかんだと理由をつけては貴信さんのアパートに行っていた。その際、体の関係を持つこともあり、それらは裁判でも証言された。
貴信さんからすれば「しかたなく」の意味合いが大きかったのは痛いほどわかるが、真紀にとってそれは、これまでなんどもやってきた「略奪」の手筈であった。 続きを読む 淋しくて淋しくて~仙台・同僚女性殺害事件③~

淋しくて淋しくて~仙台・同僚女性殺害事件④~

裁判

平成20131日。仙台地裁102号法廷で判決公判は開かれた。
傍聴したジャーナリストの中尾幸司氏によれば、事件後初めて目にする真紀の姿に息をのんだという。
事件後に様々な媒体で見たそれまでの真紀は、人前に出る仕事だったこともあってきちんと身だしなみを整え、目元の涼やかな30代女性、というイメージだった。
私の手元にある真紀の写真も、ラガーシャツを着てはにかむもので、大柄で肩幅が広いという点は目立っても、どこにでもいる女性だった。
しかし、この日中尾氏が見た真紀は、「棒のような」、長い束ねた髪がなければ痩せた男にしか見えなかったという。 続きを読む 淋しくて淋しくて~仙台・同僚女性殺害事件④~

郵便局員が繰り広げた禍々しき愛の劇場~八尾市・妊婦襲撃事件~

平成9年4月14日午後7時40分


大阪府八尾市南木の本4丁目。
仕事を終えてバスで帰宅した女性は、自宅近くのバス停から徒歩で自宅マンションへと向かっていた。
距離にしておよそ300メートル。いつもと変わらない、帰り道だった。

自宅マンション手前で、不意に背後から誰かにぶつかられた。
何か圧迫されるような、妙な感触を覚えた次の瞬間、それは激しい痛みとなって女性を襲った。
わけがわからないまま、女性は必死でマンションの階段を上る。もう少し、もう少し・・・
とめどなく流れる血をおさえることもできないまま、必死に自宅マンションのドアを叩いた。いつも女性より先に夫が帰宅しており、その日も夫は家にいた。

「誰かに刺された」

夫がドアを開けると、血まみれの妻がそういって両膝をつき、そのままおなかを庇うように仰向けに倒れた。
すぐに病院へ運ばれたが、おなかの赤ちゃんはすでに死亡していた。

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