片隅の記録~三面記事を追ってpart6~

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自分に正直に生きることは大切。しかし社会のルールや法律、倫理観を捨ててまでそれを貫く人がいたら。

物事を自分の価値観でしか見られない人がいたら。

ことの重大性を全く認識できない人がいたら。

自分の気持ちに正直に生き過ぎた人と、公共の福祉と自己の責任、倫理観を法廷に持ち込んだ人そして、娘が命を落とす要因を作った人々がヘラヘラしているのを絶対に、絶対に許さなかった両親の話。 続きを読む 片隅の記録~三面記事を追ってpart6~

片隅の記録〜三面記事を追ってpart3〜

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蒲田のラブホテルの腐乱死体

「部屋が臭くてたまらない。部屋を変えてくれ」

昭和63年1月1日、宿泊していたカップルからフロントに苦情が入った。年末年始のラブホテルは、クリスマスからの流れもあって満員御礼が続いていた。少々、清掃に手ぬかりがあったか?
ただ、その部屋のにおいは、この手のホテルにありがちな漂白剤の匂いでも、下水が詰まって湧き上がるようなものでもなかった。

…何かが腐っている?

苦情があった翌朝、ホテルは従業員二人にその部屋の点検を命じた。
ホテルの中央にある大きなベッドは、下に土台があってその上にマットレスが乗っかっているというもので、部屋を一通り点検して異常がなかったことから、最後にマットレスをあげてみることにした。

マットレスを起こした時、従業員らが見たのは、すでに腐敗が始まっていた遺体だった。

続きを読む 片隅の記録〜三面記事を追ってpart3〜

🔓逃げる女、追いかける男~3つのDVにまつわる事件~

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一度は愛した相手が肉体的、精神的、経済的、性的に暴力を振るうようになったら?
結婚前にはわからなかった、相手の本性はなぜか、そう簡単に別れることが難しいような状況になって初めて明かされることが多い。

たとえば結婚して、子供が出来るまでは、妻が仕事を辞めるまでは、家を妻の実家近くに建てるまでは……
男女問わず、相手の本性を知ったときにはすでに身動き取れない状況になってしまうこともある。

しかも厄介なことに、それらDVについて世間と被害者の受け止め方に大きなズレがいまだに存在するのだ。
束縛されるのは愛されているから、別れるなんて子供がかわいそう、専業主婦させてもらえるなんて羨ましい、女性からの暴力なんて可愛いもんだろう、そういうあなたにも悪い部分があるんじゃないの……

多くのDV加害者は非常に外面がよく、他人には良い夫、良い妻に見られがちである(人前でもやる奴はただのアホである)。だから被害者は相談しても周囲に理解してもらえず、そのうち相談すらできなくなり、自分が死ぬか相手を殺すかはたまた全員で死ぬかみたいな話に発展することもあるのだ。

配偶者ならば無理矢理SEXしたっていい、配偶者ならば子供の面前で罵倒したって良い、そんな勘違いをしている人は令和になっても山ほどいる。

配偶者であってもやっていいことと悪いことがあるという基本の事件、接近禁止命令下での凶行そして、邪魔した人を殺害した事件。
(以下の文章について無料部分有料部分にかかわらず、YouTubeその他への無断使用はお断りします) 続きを読む 🔓逃げる女、追いかける男~3つのDVにまつわる事件~

🔓守られなかった命~太子町・ストーカー殺人事件~

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平成111026日、埼玉県桶川市のJR桶川駅前で一人の若い女性が殺害された。
殺害されたのは、女子大学生の猪野詩織さん。犯人は元交際相手を中心とする男5人のグループだった。
加害者が元交際相手だったことや、被害者が若い女性でブランド物を複数所有していたことなどを警察が公表したことでワイドショーなどではなぜか詩織さんがあたかも奔放で加害者を弄んでいたかのような取り上げ方をされた挙句、被害者のみならず遺族までも貶めるような報道が相次いだ。

しかしその後、被害者らがなんども警察に相談していたにもかかわらず警察が真摯に向き合っていなかったこと、事件後の警察の隠蔽が発覚、さらには改ざんや隠蔽に加担した警察官らが起訴され有罪となるなど、警察の怠慢が大きくかかわっていると判明した。

遺族らは埼玉県警に対し捜査の怠慢が事件を起こし、詩織さんが死亡したとして国家賠償請求訴訟に踏み切る。
事件後、遺族に対して非を認める発言をしていた埼玉県警だったが、この裁判においては手のひらを返したような態度を取り始めた。
結果、最高裁まで争われたものの、司法の判断は
「怠慢は認定、しかし被害者が殺害される結果との因果関係は否定」
した。

判決は遺族にとって満足できないものではあったが、この事件をきっかけにその後ストーカー規制に関する法律が成立、また、同じ警察の捜査怠慢が問題視された栃木リンチ殺人での国家賠償請求では、その警察の捜査怠慢と被害者の死の因果関係が認定された。
この訴訟は、桶川ストーカー事件の被害者遺族の存在が大きく関係していたといい、桶川ストーカー事件の遺族もこの判決を評価している。

ストーカーに関する認識を大きく変え、警察の姿勢やマスコミの被害者叩きなど多くの問題を露呈させ、変えていった事件としてこの桶川ストーカー事件は広く知られているが、実はこの事件の数か月前、同じようなストーカー殺人事件が兵庫県で起きていた。

その事件は、もしも警察がしっかりと対応し事件化されていれば、同じケースだとして埼玉県警が被害者殺害より前に何らかの対処が出来ていた、せざるを得なかったのではないか、とすら思えるほどのものだった。
【有料部分 目次】
早朝の正面衝突
男の素性
神崎の事件
警察署逃げ込み事件
肋骨骨折事件
誓約書を勧めた警察官
コンビニ事件
「女でも紹介したったらどないや」
苦悩と憤り
由加子さんへの誹謗中傷
一部認容、一部棄却
無理心中か、否か
思い

🔓Love & Father~八街市・父娘強盗殺人放火事件~

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平成22年5月11日

男性はその日、火災発生を知らせる防災無線に耳をすませた。
場所によっては、消火活動をする必要もあるため、住所を聞き取ろうとして息をのんだ。
男性は急いで現場に駆け付けたが、その家はすでに2階から炎が噴き出し、手が付けられない状態となっていた。

その家は、男性が5年前に建築を請け負った家だった。

八街の放火

平成22年5月11日午後2時半ころ、千葉県八街市小谷流の民家が燃えていると、近所の住民から119番通報があった。
駆け付けた消防隊が火を消し止めたものの、木造二階建ての立派な家は見るも無残に焼け落ちた。

この家は、農業の中村行夫さん(当時76歳)と長男(46歳)、そして長男の娘ふたりの4人暮らしだった。
火災は平日の午後に起こっており、長男と娘二人はそれぞれ学校と職場へ行っており無事が確認された。行夫さんも、火災が起きた時いつも使用している軽四自動車が見当たらなかったことから、行夫さんも出かけていて無事なのでは、と思われたが、その後の現場検証で、1階の六畳間で遺体が発見された。

近所の人らは、「車がなかったからてっきりお孫さんを迎えに行っているのだとばかり思っていた」と話し、一家を襲った突然の不幸に同情を寄せた。

しかし、一つおかしな点があった。

住民らが言うように、普段行夫さんが使用していた軽四がなくなっていたのだ。
長男も使用しておらず、行夫さんが自宅で死亡している以上、行夫さん以外の誰かがその軽四を乗って出ていった、としか思えなかった。
警察では当然、事件を視野に入れて捜査したが、後日行われた司法解剖の結果、行夫さんの遺体には背中に刺し傷があったことが判明。さらに、胃の内容物から食後4時間ほどで死亡していること、そして、喉には微量のすすも認められたことから、刺されてすぐに火を放たれたとみられた。

警察は殺人事件と断定、目撃情報や、なくなった車の捜査を始めた。
まずもたらされたのは、行夫さん宅の近くの山道に放置されていた見慣れぬ自転車の存在だった。それは2台並べて置いてあり、最近とめられた、という感じだったという。
また、家の中では物色されたような跡もあり、さらには行夫さんの家族以外のなにものかが「食事」をした形跡があったという。
以上のことから、犯人が行夫さんを殺害後に室内を物色し、食事をして火を放ち、行夫さんの軽四を盗んで逃走した、と警察では見ていた。

そしてもうひとつ、重大なある事情がこの家には悩みの種として覆いかぶさっていたことも分かった。

行夫さんの孫娘の一人が、ストーカー被害に遭っていたのだ。

【有料部分 目次】
ストーカー
八街の父と娘
「愛に年齢は関係ないっ!」
父親の暴走
凶行
無罪主張の父
A子
少女たち