暴走反応〜松山市・同居女性傷害致死事件〜

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松山地裁第41号法廷にて。
令和422日から始まったその裁判は、交際していた女性を同居していた男が死なせたという事件についてだった。

奇しくもその裁判が始まった日は、2年前に事件が起きた日と同じ日。すでに保釈されていた被告の男は、スーツを着て髪も短く刈り、神妙な面持ちでメモをとりながら裁判に臨んでいた。

二人の間に何があったのか。なぜ男は愛する人を死なせてしまったのか。

当初の報道では、痴話喧嘩の末に体力で勝る男が女性を死なせたという印象だったが、弁護側は無罪を主張。
被害者には心臓に不安な点があったというのが根拠となっていたが、裁判が進むにつれて明らかになったことがもう一つあった。

自分でどうにかしたかった男と、男が全てを受け入れたがために制御不能となった女の事件。 続きを読む 暴走反応〜松山市・同居女性傷害致死事件〜

🔓町田DV殺人事件

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平成19年5月6日。

町田市森野2丁目のとある2階建てアパートの一室で、結婚間もない夫婦が暮らしていた。
当時34歳の夫・仁志は、健康食品会社に勤務しており、28歳の妻は細身の美人で福島の出身だった。 何の変哲もない、ごくごく普通の若い新婚夫婦に見えたが、妻はその外見からは想像がつかない一面を持っていたという。
入籍からわずか3か月後のこの日、夫は妻の細い首に手をかけ、そのまま殺害してしまった。 犯行後、夫は冷静に知人に事の顛末を電話し、さらには予定していた新婚旅行と挙式のキャンセルを業者に伝え、自身は自宅の外で警察官の到着を待ったという。 計画的に見えるこの殺人事件。この夫婦に何があったのか。

出会いと、妻の抱える病

仁志が妻と出会ったのは平成18年の夏。たまたま居合わせた居酒屋で、彼女の方が声をかけてきた。
可愛らしい顔立ちに惹かれた仁志は、電話番号を交換し後日デートをする。そして、その後すぐに同棲をはじめ、翌平成19年の2月には入籍まで済ませるほどの早い展開だった。

結婚を強く望んだのも妻の方であった。当初から仁志に対して強い愛情を示していた妻だったが、そのうち異様な側面を見せ始める。
「最初は普通の人だった」 とは、夫・仁志の弁である。若く可愛い妻は、かねてより仁志のことを知りたがり、常に一緒にいたいという考えを持っていたが、それらは女性にありがちな甘え願望によるものであり、すべては愛情がさせていることだと思っていた。
過去に付き合っていた女性のこともひどく気にし、卒業アルバムなどで顔と名前を確認したりもしていたが、それらもやきもちの一種とも思えた。

しかし、だんだんと妻は理解しがたい言動を見せるるようになる。 ほんの些細なことでスイッチが入り、途端に不機嫌になり怒り始めるのだった。
理由は様々だったが、「部屋が寒い」「会話が減った」「メールの返信に絵文字がない」といった、他人には到底はかりようのない彼女の基準によるものだった。
その感情の振れ幅は次第に大きくなり、部屋中のものを投げつけたり、家具を壊す、押さえつけなければならないほどに暴れる、果ては自傷行為にまで及んだ。 夫・仁志は当初知識もなかったため、とにかく抱きすくめて妻の感情が静まるのを待つほかなかったが、妻が「パニック障害」を持っていることを打ち明ける。そこで初めて、妻の病を知ることとなったのだ。

しかし、妻が抱えていたものは、「パニック障害」だけではなかった。