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この記事はその性質上、完全有料となっています。
無断転載、クレジットなき引用、参照は固く禁止します
【目次】
平成18年12月21日午後10時半
午後11時20分
逮捕
サンダーバード内での事件
異常な男
半端もの
懲役18年
乗客
幼な妻
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無断転載、クレジットなき引用、参照は固く禁止します
【目次】
平成18年12月21日午後10時半
午後11時20分
逮捕
サンダーバード内での事件
異常な男
半端もの
懲役18年
乗客
幼な妻
「なぁ、本当のこと話してくれんか。」
四街道署の取調室では、刑事がこう問い続ける日がもう一週間以上も続いていた。
それでも、目の前の少年は頑として、当初の供述を変えようとはしなかった。
「人を殺しました。友人の父親です。凶器は近くの池に捨てました。」
捜査員らは納得しかねていた。この目の前の少年が、「友人の父親」を殴り殺したというのが、どうにも理解できなかった。そもそもの動機も、「友人の父親に冷たくされたから」。なぜそんな理由で人を殺そうという判断になるのか。
千葉県四街道市で起きた殺人事件。
この事件の裏には、というか、この事件は起こるべくして起こった事件でもあった。
【有料部分 目次】
事件発覚
報道
長男
父のそれまで
子供たち
父と子と、その友達
支配
審判
レイプ
少年たち
東京地裁刑事10部506号法廷。
女性弁護人は、分厚い最終弁論の束をめくりながら淡々と読み上げていく。
しかし淡々とした口調とは裏腹に、語られるその内容はその場にいる全員の頭上に重く重くのしかかり、法廷全体を深く沈みこませていた。
「被告人の身に起きたことは、一人の人間が抱えることのできる許容量をはるかに超えている」
弁護人の声は静かに、そして強く法廷に響いた。
平成18年6月10日午後11時50分ころ、東京都千代田区の日比谷公園内で、小学生くらいの男の子が胸から血を流して死亡しているのを、通行人が発見した。
さらには、男の子に覆いかぶさるようにして胸や両手首から血を流している女性もおり、病院に搬送され、一命をとりとめた。
警察の調べで、ふたりは川口市在住の母と子で、亡くなった男児は横山翔くん(当時10歳)、母親は51歳と判明。
現場の状況から、母親が翔くんを殺害し、自らも後を追おうとしたとみられた。
しかしこの事件は大きく報道されることはなかった。新聞各社も、事件を報道したのは二日後、内容としても無理心中か?という程度の短いものだった。
しかし、その後10ヶ月にも及ぶ裁判で明らかにされた母親の人生は、誰もが絶句してしまうような、それこそ弁護人のいう、「抱えきれる範囲を超えた苦難」に満ち満ちたものだった。
母親が最期に出した答えとは。
※この記事は令和4年8月30日まで無料で公開されていたものです。条件に合致する方は無料でお楽しみいただけます。
そうでない場合も、既読でないかご確認の上、購入にお進みください。
【有料部分目次】
生まれた直後からの苦難
経済的な苦難と、長女
心身の苦難
投影性同一化
もうだめ
愛他的殺人
埼玉県妻沼町。
群馬県警の捜査車両は一台の車とカーチェイスさながらの追跡劇を作り広げていた。
運転していたのは男。男が運転していたのは、群馬県館林市内で盗まれた車であり、その車には、持ち主の子供たちが乗っていた、はずだった。
平成11年5月3日、GWのさなかのこの日、その車は館林市松原の住宅展示場にあった。
所有者は館林市内在住の会社員、田島修さん(仮名/当時37歳)。妻と二人の子供とともに、この住宅展示場を訪れていた。
ぽかぽか陽気の中、子供たちは楽しい休日を満喫し、後部座席で寝入っていた。
田島さん夫妻は子供たちを起こそうとしたが、気持ちよさそうに眠っていたため、エアコンをかけエンジンをかけたまま車を離れた。
住宅展示場へ入って、目当ての家の二階に上がってふと、修さんが外に停めた自分の車のほうを見て驚愕した。
あったはずの車が、消えていたのだ。
「車がない!子供が乗ってるんだ!!」
展示場に入ってわずか6分。すぐさま110番通報し、直ちに緊急配備が敷かれた。
午後8時半、冒頭の通り国道17号線を群馬から埼玉に入ったところで捜査車両に行く手をふさがれたその車は、ガードレールにぶつかりながらも逃走を図ったものの、逃げ切れず逮捕となった。
が、肝心の子供の姿が車の中にはなかったのだ。
さらに、警察が男の身元を調べたところ、なんと別の事件で茨城県警に指名手配されていた男だということが判明した。
【有料部分 目次】
男のそれまで
暗雲低迷
どうしようもない男
誤算からの破滅
自責
その後
「連絡が来ると思ってました。いいですよ、書いてもらって。事実が捻じ曲げられなければ、いいです。」
秋の終わり、私が公開しているとある記事にコメントがついた。
その記事とは、平成16年に栃木県宇都宮市で起きた拳銃立てこもり事件だ。
その詳細は該当記事を読んでもらうとして個人的にはこの事件備忘録を始めるきっかけともいえる思い入れのある事件だった。
コメントしてくれたのは女性で、彼女はこの立てこもり事件で死亡した畠山武人氏と、それ以前に人生の一時期をともに生きた人物である。
宇都宮の立てこもり事件を書いた後、畠山氏と刑務所で一緒だったという人や暴力団関係で知り合いだったという数人から話を聞くことは出来ていたが、いずれも男性であり、さほど深い関係の人はいなかったことから、私はすぐさま彼女に連絡を取った。
そこで彼女が語ってくれた内容は、凄まじい迫力に加え、本人でなくては絶対に出せない生々しさに満ち溢れていて、私は圧倒されてしまった。
重大な罪を重ねたあげく、若き愛人と手をつなぎ頭を拳銃で撃ちぬいて心中した男。その荒ぶる魂に隠された「人間・畠山武人」を、私はなぜかどうしても残しておきたくなった。
平成3年の夏の終わりに宇都宮市内で起きた、覚せい剤と立てこもりと、彼と女子中学生の物語である。
【有料部分 目次】
事件概要
あの夏の少女
出会い
軋み
後輩の女
厳しい現実
逮捕、そして別れ
けじめ
永遠の別れ