🔓拾い上げた耳たぶ~北茨城市・女性監禁リンチ事件~

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平成12年4月10日

茨城県水戸市。
女性は息も絶え絶えの状態で実家の玄関になだれ込んだ。
家にいた母親が、一目ではそれが自分の娘だと気づけないほど、女性はボロボロの状態だった。
右目の周囲は紫色に腫れ上がり、腕も足も、見える範囲は傷だらけという凄まじい状態……。
女性は、60キロ離れた北茨城市内から自転車と徒歩で、この日ようやく実家にたどり着いた。
家族が女性の顔をよく見ると、両耳の耳たぶが、なかった。

事件概要

平成12年5月15日、茨城県警少年課と高萩署は、友人女性をプレハブに監禁したうえ、殴る蹴るの暴行を加えたとして水戸市内の無職少女A子(当時17歳)と、旅館従業員B子(当時17歳)を、傷害容疑で逮捕した。
少女らは、4月4日から9日にかけ、北茨城市内の知人男性宅の庭にあるプレハブ内に、友人の児島理絵さん(仮名/当時26歳)を連れ込み、児島さんに暴行を加えた疑い。
児島さんは殴る蹴るの暴行のほかに、タバコや熱したヘアアイロンを押し付けられたり、体中に打撲痕や火傷が無数にあった。
児島さんが一度逃走した際は無理やり連れ戻し、その後服を切り刻んで逃げられないようにしたうえで、児島さんの両耳たぶをハサミで切り落としていた。
児島さんは9日夜になって、少女らが寝入った隙に逃走。徒歩や放置自転車を使用しながら4月10日正午過ぎに水戸市内の自宅に戻り、病院での治療を受けたのちの12日に被害届を提出していた。

調べに対し少女らは、
「児島さんが悪口を言っていた」「むしゃくしゃしていた」
などと話し、警察では監禁場所となったプレハブを所有する一家の男性会社員からも事情を聞いていたが、その後、傷害ほう助の疑いで北茨城市の鳥居健人(仮名/当時22歳)を逮捕した。鳥居は、A子の交際相手だった。

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【有料部分目次】
出会い
暴行
裁判
地方都市のこの時代DQN

17歳の”漢気”~大牟田・男性殺害事件①~

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平成13年4月13日

福岡県大牟田市。
そのとある住宅で、一人黙々と身支度を整える少年の姿があった。
真新しい作業着に身を包み、足元は地下足袋。その腹には、さらし替わりの白いシーツが巻き付けられていた。
実家から持ち出したのは、叔父の形見の切り出しナイフ。

じっと見守る女に、少年はこう語りかけた。
「待っとかんや」
頷く女に微笑んで、少年は討つべき相手の元へ駆け出した。 続きを読む 17歳の”漢気”~大牟田・男性殺害事件①~

やつあたり~高野山写真店主殺害事件①~

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平成19年8月15日

「判決は短すぎる印象。お墓には、残念な結果になった、と報告します……

老齢の男性は、新聞社の取材に対して呟くと、肩を落とした。
普通の裁判と違うことはわかっている。成人と少年では、与えられる罰が軽減されることもわかっている。
最初から、わかっていた。

それでもあまりに軽い。加害者が少年ならば、どんな苦しみ、無念の中で命を奪われようとも、その罪は軽くするのが正しいのか。

男性はいつまでも考えていた。

続きを読む やつあたり~高野山写真店主殺害事件①~

やつあたり~高野山写真店主殺害事件②~

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見えない「理由」

裁判は平成19129日から和歌山地裁で始まった。
事件から9か月が過ぎ、季節は冬になっていた。
裁判では殺意の有無が争点となり、「死んでも構わないと思って爆発的に暴行を加えた」とする検察と、「死んでもいいという意識すら持ち合わせていないほど、行動を抑制できない状態だった」と主張する弁護側が真っ向対立した。 続きを読む やつあたり~高野山写真店主殺害事件②~

やつあたり~高野山写真店主殺害事件③~

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母との確執

少年は裁判でも「母親との関係」について言及することがあった。
それ以前にも、仲のよかった女友達に対し、「家のことが分からない」などと話すこともあった。

先にも述べたとおり、少年は小学校低学年の頃に両親が離婚、以来、母親と祖母(母方)に育てられた。
その間、一時期ではあるが、母親は男性と交際し家を空けがちだったこともわかっている。
しかしどうも、その時のことが原因ではないようなのだ。
原因は、その男性と別れた後の出来事にあった。 続きを読む やつあたり~高野山写真店主殺害事件③~