🔓死刑と無期のはざまで~石垣市・小学生殺害事件/鹿沼市・幼児女子高生殺害事件~

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まえがき

死刑、その是非は日本国内のみならず、世界中で議論され続けていること。
死刑そのものがない国もあれば、日本同様、死刑を行う国もある。
死刑を執行するたびに、日本は世界中の死刑反対団体などから抗議を受け、国内でも人権団体や法律家による講義が行われるが、正直、それが何か影響しているかというような印象はない。

確かに国家による殺人と言われる死刑について、本当にそこまでしなければならないのかは、死刑囚と近い人間(個人的な繫がりのみならず、刑務官や弁護士など職務上つながりのある人を含む)であればあるほど、複雑な思いも抱くだろう。遺族の中にも、死刑に否定的な方すらいる。

しかし一方で、被害者遺族のみならず、家族からも「殺してくれ」と言われてしまうような、正直救いがたい罪を犯してしまった人もいる。
さらに、一度死刑判決を受けたものの、控訴審、上告審において無期懲役となって死刑を免れる人もいる。もちろん、その逆も。

昭和の終わりに起きた、二つの許し難い犯罪について、その後の裁判の結末を含め残しておく。

彼らは死刑を免れた。

【有料部分 目次】
鹿沼市の事件
 まさかの犯人
 もう一つの事件
 それまで
 出来のいい隣の子
 踏みつけられた部品
 第2の事件まで
 凶行
 裁判
石垣市の事件
 その日
 男の異常な性癖
 鬼畜の所業
 死亡ひとりでの死刑判決
それぞれの控訴審
 「死刑にしてくれ」といった母
 破棄自判
 解釈
死刑基準

小心者~三島市・短大生暴行焼殺事件①~

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平成七年四月八日午後一〇時半

静岡県三島市長泉町土狩の路上を、町内在住の公務員男性(当時22歳)は自転車で家路を走っていた。
そこへ、走ってきた車が男性の進路をふさぐように前方に回り込み停車、車から人の若い男たちが下りてきた。
「金、持ってるだろ、出せよ」
唐突に絵にかいたようなカツアゲをされた男性は、当然断った。
直後、頭に激しい痛みが走る。男たちは木刀を持っていた。
殴られた。男性が必死に体をかばっている隙に、男たちは男性の財布を奪って走り去った。

二三日。
三島市若松町の駐車場内で、車上荒らしが発生。
会社員の所有する乗用車の中から、書類入りのバッグが盗まれた。
この事件で警察は、周辺の防犯カメラ映像や聞き込みから、若松町在住の男(当時二三歳)を割り出し、窃盗の容疑で逮捕した。
二二日、男は日に発生した路上強盗でも逮捕される。共犯の男(当時二一歳)も逮捕となった。

男らは罪を認め、二三歳の男は執行猶予中であったことから前科も併せての実刑となり、それから年間服役した。
男の名前は、服部純也。彼は一七年後の夏、死刑執行によりその人生を終えた。 続きを読む 小心者~三島市・短大生暴行焼殺事件①~

その涙に虹がかかるまで~名護市女子中学生暴行殺害事件~

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【お願い】

この事件の犯人が在日韓国人だという話が存在しているのは知っていますが、私は断定していません。シェアしてくださる際には、個人の思想、政治的思想を絡めていないかを確認してください。

個人的には、歴史問題、現在の日韓関係全てにおいて日本政府の立場を支持しますが、このサイトはそういったところとは全く別のところに存在しています。個人のしがないサイトですので、よろしくお願いします。

1997年正月

「美香じゃない、美香じゃない。絶対に人違いだ」

この日、沖縄県名護市に住む伊地茂さん(当時42歳)は、山奥へと車で揺られながらずっとそう考えていた。
茂さんは、昨年の621日から一日も休むことなく、突如行方が分からなくなった中学3年生の娘・美香さん(当時15歳)を探し続けてきた。
美香さんは家出などではなかった。行方不明になった日、自宅まであと600メートルというサトウキビ畑で、白いワンボックスカーに連れ込まれるのを目撃されていた。
それから半年。
茂さんは美香さんは生きていると信じて、沖縄中の路地という路地まで捜し尽くしていた。

現場には、美香さんがつけていたカエルのキーホルダー付きのリュックが遺されており、状況的に間違えようもなかったが、それでも父は、信じたくなかった。

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