あなたと、地獄の果てまでも~大和市・連続主婦強盗殺害事件④~

共同作業

一人目のターゲットは弘子さんに決めた。
いつ実行するかという話になった際、庄子が8月28日、あるいは29日はどうかと言うと、章代は「あの家は夫の給料日が25日だから、早い方がいい」と提案。
実行日は28日と決まった。
その際、二人でやらなければ意味がないから、殺害時はふたりで首を絞めると決めた。そして、重要な事項である「天国を見せる」ことについても、章代が先に弘子さんに対してわいせつ行為に及ぶことも決めた。
そのほか、怪しまれないように室内に入るため、まず章代が訪問することや、財布の置き場所なども確認した。 続きを読む あなたと、地獄の果てまでも~大和市・連続主婦強盗殺害事件④~

あなたと、地獄の果てまでも~大和市・連続主婦強盗殺害事件⑤~

フミのことだけ

この事件は間違いなく、庄子が画策し、章代を引き入れて起こした事件である。章代単独ではこの事件は起きなかったけれど、庄子は章代と出会わなくても、というか強盗や強姦はこれまでに何度も繰り返して来ていた。
荒唐無稽な話を信じてしまったのも、もともと信仰心の厚い母親に厳しく育てられ、神秘的、霊的な事柄に興味を持っていたところへ、庄子の類稀なる詐欺師としての才覚のなせる業に翻弄されたともいおうか、そういった側面があったがために章代は「従属的」とされた。
一審横浜地裁でも、庄子が発案し、章代を巻き込んだものであり、章代に犯行への意思を植え付け、醸成し、決意させたのは庄子であると認定されている。 続きを読む あなたと、地獄の果てまでも~大和市・連続主婦強盗殺害事件⑤~

男の罪を見つめた火の玉~宮崎・独居2女性連続強盗殺人事件~

平成13年11月26日

女性はその日、隣の家の灯りが朝になっても付きっぱなしになっていることに気が付いた。
夜遅くまで仕事をして帰宅し、疲れてそのまま寝てしまったのだろう、そう考えながらその家に入っていった。
勝手知ったるその家は、女性の53歳になる娘が暮らす家で、実家の隣という安心感からか、玄関に鍵がかかっていないこともあった。
電気を消そうと寝室へ向かった女性が目にしたのは、ベッドの上であおむけに倒れ、胸から血を流して息絶えた娘の姿だった。
殺害されていたのは橋田とし子さん。西都市内でスナックを経営していた。 続きを読む 男の罪を見つめた火の玉~宮崎・独居2女性連続強盗殺人事件~

男の罪を見つめた火の玉~宮崎・独居2女性連続強盗殺人事件②~

待ち伏せ

松田は11月25日午前3時、潜伏していた資材置き場の小屋から出た後、目についた倉庫やビニールハウスなどに忍び込んでは、防寒具や食料(ミカンなど)を次々盗んだ。
そして、橋田さん方の裏手に当たる空き家に入り込み、そこでまた計画を練っていた。
すでに橋田さんを殺害してでも金品を奪おうと考えていた松田は、凶器になり得るものがないか探していた。
ふと、自転車の車輪部分にあるスポークが目に入った。
松田は、この針金状の金属をどうにか加工すれば、凶器の代わりになるのではと考えた。 続きを読む 男の罪を見つめた火の玉~宮崎・独居2女性連続強盗殺人事件②~

男の罪を見つめた火の玉~宮崎・独居2女性連続強盗殺人事件③~

知的、精神遅滞への判断

松田は裁判で精神鑑定が行われた。
弁護側は、複雑な家庭の中において十分なしつけや愛情を受けずに育ったことでいわゆる社会規範を身に着ける機会を失い、くわえて養育環境や親からの遺伝的な要素によって知能検査は軽度の精神遅滞にあたる低さになっていたことを訴えた。
また、松田は4度の窃盗での服役の過去があるが、実は幼少の頃より盗癖があったのだという。それが理由で、小学5年生から中学までを養護施設で過ごすことになったのだ。
クレプトマニアという言葉が聞かれるようになり、罰よりも治療を受けさせることが優先されるとも言われているが、松田の盗癖はこのクレプトマニアとは違うようであった。
クレプトマニアは、成育歴なども大きく関係する病気であり、摂食障害との関連性も大きいもので、利益のために盗むのではなく、盗むために盗むといわれているが、松田の場合は完全に自己の利益のためである。

そして、盗むために、自己の利益のために殺人を犯しているので、全く別物だろう。
裁判でもこの盗癖についてはさほど重要視されていないように見受けられた。 続きを読む 男の罪を見つめた火の玉~宮崎・独居2女性連続強盗殺人事件③~