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平成22年5月11日
男性はその日、火災発生を知らせる防災無線に耳をすませた。
場所によっては、消火活動をする必要もあるため、住所を聞き取ろうとして息をのんだ。
男性は急いで現場に駆け付けたが、その家はすでに2階から炎が噴き出し、手が付けられない状態となっていた。
その家は、男性が5年前に建築を請け負った家だった。
八街の放火
平成22年5月11日午後2時半ころ、千葉県八街市小谷流の民家が燃えていると、近所の住民から119番通報があった。
駆け付けた消防隊が火を消し止めたものの、木造二階建ての立派な家は見るも無残に焼け落ちた。
この家は、農業の中村行夫さん(当時76歳)と長男(46歳)、そして長男の娘ふたりの4人暮らしだった。
火災は平日の午後に起こっており、長男と娘二人はそれぞれ学校と職場へ行っており無事が確認された。行夫さんも、火災が起きた時いつも使用している軽四自動車が見当たらなかったことから、行夫さんも出かけていて無事なのでは、と思われたが、その後の現場検証で、1階の六畳間で遺体が発見された。
近所の人らは、「車がなかったからてっきりお孫さんを迎えに行っているのだとばかり思っていた」と話し、一家を襲った突然の不幸に同情を寄せた。
しかし、一つおかしな点があった。
住民らが言うように、普段行夫さんが使用していた軽四がなくなっていたのだ。
長男も使用しておらず、行夫さんが自宅で死亡している以上、行夫さん以外の誰かがその軽四を乗って出ていった、としか思えなかった。
警察では当然、事件を視野に入れて捜査したが、後日行われた司法解剖の結果、行夫さんの遺体には背中に刺し傷があったことが判明。さらに、胃の内容物から食後4時間ほどで死亡していること、そして、喉には微量のすすも認められたことから、刺されてすぐに火を放たれたとみられた。
警察は殺人事件と断定、目撃情報や、なくなった車の捜査を始めた。
まずもたらされたのは、行夫さん宅の近くの山道に放置されていた見慣れぬ自転車の存在だった。それは2台並べて置いてあり、最近とめられた、という感じだったという。
また、家の中では物色されたような跡もあり、さらには行夫さんの家族以外のなにものかが「食事」をした形跡があったという。
以上のことから、犯人が行夫さんを殺害後に室内を物色し、食事をして火を放ち、行夫さんの軽四を盗んで逃走した、と警察では見ていた。
そしてもうひとつ、重大なある事情がこの家には悩みの種として覆いかぶさっていたことも分かった。
行夫さんの孫娘の一人が、ストーカー被害に遭っていたのだ。
【有料部分 目次】
ストーカー
八街の父と娘
「愛に年齢は関係ないっ!」
父親の暴走
凶行
無罪主張の父
A子
少女たち
恐ろしい話ですね……。としか言いようがないです。
ただ、他にもこの犯人は余罪が中高生と共謀した強盗致傷や恐喝ばかりで、大人の社会になじめないというかそもそも精神年齢が子どものまま突き進んでしまったような印象も受けました。むしろ子どもであるA子が保護者というかよほど大人だったんじゃないかと。
とにかく、お亡くなりになられた方のご冥福とA子さんが社会復帰して普通の生活を送れてることを祈りたいです。
アルトK様
いつもお世話になっております、お読みいただきましてありがとうございます。
おっしゃる通り、A子は途中から娘と言うより妻、母親というような立ち位置になっていったのではないかと思いました。
庇うわけではないんですが、A子はホントはいい子というか、なんかそんな気もするんですよね。悪ぶることでどこか父親に認めてもらいたかったのか、周りに一目置かれたかったのか。
被害者の孫とは全く違うタイプだったことも、なんとなくA子の切なさというか、胸の内を想像してしまって。
父親とは長く離れられるのですから、生き直して欲しいですね。