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行政、福祉とのすれ違い
康晴は、仕事を完全にやめてしまう九月までの間、何度か生活保護の申請のため福祉の窓口を訪れていた。 現状では近い将来、間違いなく収入が途絶えてしまう。働く意思は十分にあるが、何よりその仕事がない。
誤解の内容に、だが、仕事がないという意味は、康晴と母親の生活スタイルを考慮したうえで、母子が最低限生活していけるだけの収入を得られる仕事、という意味だ。
自分の食べることより、とにかく母親の生活を維持しなければならないという思いがことのほか強かった康晴は、「良かれと思い」先に福祉窓口へ相談に行ったのだろう。 しかし、後から考えると、この相談に行ったタイミングが悪かった。
そして、そのタイミングの悪さゆえにマニュアル通りの対応に終始してしまった福祉の窓口は、後に総バッシングされる羽目になる。
【有料記事 目次】
・母の回復と自分の死
・そして最期の夜へ
・裁判
・温情判決の是非
ここからは有料記事です
こういう悲しい事件、何件か聞いた事があります。老老介護とかで。
ま、こういう弱者を国と言うか世間はどれぐらい救う気があるのかと言うことを考えさせられます。(もちろん自分を含めてです。)
何とか出来ないものか。かと言って人の心にどこまで踏み込めるのか。踏み込んだとして、救い出せるのか。そのために自分の人生全てを投げ出せるのか。
あと、判決に関しての意見は、おおむね賛成です。むしろ10年ぐらい服役していた方が良かったと思います。
言葉が悪いですが、正直、康晴の人生はあまりうまくいってなかったと思います。
悲劇のヒーローにはなったけど、そこからどうやって生活するかです。芸能界デビューしてタレントみたいになれるわけでもないし。大体看護疲れがのこっているでしょう。
そういう意味で、服役しながら疲れを癒していけばいいと思います。真面目な人は規則正しい生活がいいはずです。
で、出所して新しい人生を送ればいいと思います。
うちはまだ母親は元気ですが、要介護となった時はどうするか。本当に考えさせられます。
ひめじのさま
いつもありがとうございます☺
この事件が遺した物は多いのですが、ありがちな「役所の怠慢」「会社の無理解」といったことは実はなかったんですよね。
役所は完璧ではなかったにせよ、門前払いをしたわけではなかったし、ケースワーカーは尽力していた。
会社もかなり融通をきかせていたし、母親が通っていたデイサービスもできる限りの対応をしてくれていた。
けど、康晴にとって大事なのは多分そこではなかった。
生活保護を普通に受けられたとしても、おそらくそれが彼を苦しめることになったろうし、母を預けられたとしてもそれもまた彼に自責の念を抱かせたかもしれない。
彼にとって、人様に迷惑をかけることは有り得なかった。
このケースで人に迷惑をかけられないと頑なに思う人に残された道は、もう死しかありません。
せめて母が認知症でなかったら。
人に頼る、お願いしてみる、難しいかもしれないけど、大切なことだと思います。
康晴氏の執行猶予については同意見ですが、理由は違います。親を殺して執行猶予なんてありえない、にもかかわらずなぜ執行猶予?そもそも裁判官や検察が被告の肩を持つなんて考えられない。要するに行政が責められないよう手を打ったと見ています(≒執行猶予付けたるよってに、行政の不手際は忘れたってくれや)。康晴氏がほんとに望んだのは刑の軽減や裁判官の似非涙なんかじゃなく、もっと血の通った行政の弱者支援体制だったのではないでしょうか。そのためにも康晴氏は実刑判決を受けてそれに対して行政がマスコミからパッシングを受ける。そういう図式が必要だったと思います(効果があったかどうかはわかりませんが)。
自分も今介護離職中でいつ第二の片桐康晴氏になるかわかりません。そういう点で本件は語弊はありますが自分にとってはいい反面教師です。行政サービスはもとより近所や親せきなんかもあまりあてにしないようにしています。
追伸:case1112様のことですから康晴氏がふがいなさすぎるといわれるのかと思ってましたがそうでもなかったんですね。
おさむさんがそのように思われるのはご自由だと思います。
当時の福祉行政は今よりも酷かったのは否めませんし、実際に片桐さんが望んだのはおっしゃる通り、減刑や執行猶予ではなかった、と私も思います。
おさむさんは介護をなさってるんですね。私はもう15年ほど前ですが、義祖母の介護を経験しました。もちろん、片桐さんやおさむさんとは状況が違いますが、それでも苦労しましたから、それ以上の事だと想像します。
あてにしない、とは仰いますが、それでも外部を遮断することはなさらないで欲しいです。
追伸について、あなたは私を誤解しています(笑)
コメントありがとうございました。