更新情報とお知らせ

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令和7年6月15日:🔓無念part2~ふたつのやるせない結末~
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令和7年5月27日:🔓慟哭~4つの少女による殺人~
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令和7年5月25日:片隅の記録~三面記事を追ってpart12~
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令和7年4月22日:片隅の記録〜三面記事を追ってpart11〜
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令和7年4月9日:🔓悲しみの果てpart2〜八尾市・闇金心中事件
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崩れゆく人々~いくつかの家族の結末part2~
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令和7年3月5日:🔓小児性愛者~羽島市・小学2年女児殺害事件~
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令和7年2月21日:彼女たちの理由~殺すしかなかった女たちの事件~
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令和7年2月7日:🔓愛のテーマ~兵庫・タクシー運転手強盗殺人事件~
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令和7年1月26日:片隅の記録・2025新年特大号〜三面記事を追ってpart10〜 続きを読む 更新情報とお知らせ

🔓無念part2〜ふたつのやるせない結末〜

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事件は日常にある。
なんの変哲もない1日の始まりであっても、どんなに素晴らしい人生を送っていても、どんな善人のそばにも、事件はある。

不幸にも事件に巻き込まれてしまった人々や家族は、その犯人が逮捕され、その罪に見合った罰を受けることを最低ラインとして受け止める。もちろんどんなに重い刑に処せられようと、被害者の受けた傷が癒やされるわけではないし、奪われた命は戻らない。
それでも続く人生を歩むために、人々は自分を納得させ、受け入れるしかない。

その罰が、さまざまな事情で最低ラインにすら届かなかったとしたら。

群馬の殺人

群馬県太田市小舞木町。
清々しい秋の日、その公園では地域の運動会が開かれていた。東武伊勢崎線と東武小泉線の太田駅から南東へ車で約10分ほどのところにある、比較的大きなその公園だ。
運動会に参加している家族のところへ、1人の女児が駆け寄ってきた。
「おじいちゃんが死んじゃう」
泣きながら訴える女児に連れられ向かったのは公園のトイレ。この女児はついさっき、祖父に連れられてトイレへ行っていた。駆けつけた人らがそこで見たのは、トイレで横向きに倒れている祖父の姿だった。

祖父は女児をトイレに連れていく際、「少し気分が悪い」という話をしていたといい、体調が悪化したのかと思われたが、祖父は大量に出血していた。

事件

平成13年10月14日、群馬県太田市小舞木町の市営九合六号公園の公衆トイレで、近くに住むシルバー人材センター作業員の木村唯雄さん(当時69歳)が血を流して倒れているのが発見された。
木村さんは背中など複数箇所を鋭利な刃物のようなもので刺されており、死亡が確認された。

木村さんはこの日、孫娘2人を連れて地区の運動会に参加しており、下の孫娘がトイレに行くのに付き添った際に何者かに刺されたとみられた。一緒にいた孫娘に怪我はなかったが、孫娘は4歳で、祖父の身に何が起きたのかをうまく伝えることは難しく、ただただおじいちゃんが死んじゃう、と泣いていたという。
事件が起きたであろう時間帯、トイレの外には1人の主婦がいた。この主婦によると、トイレの中から声などは聞こえなかったものの、ガタガタという音が聞こえたという。その後、トイレから30代くらいの男性が出てきたといい、その手にはハサミのようなものが握られていたのを見ていた。
男性は黒っぽい服を着て髪の毛が寝起きのようにボサボサだったというが、顔まではよく見ていなかった。

木村さんを発見した男性によると、トイレの壁や床などにかなりの血痕があったという。

警察は殺人事件と断定したが、木村さんにはトラブルなど一切なく、またその年の2月頃には女子学生がハサミを持った男に襲われ前髪を切られるという事件が未解決のままだったこともあり、通り魔的な犯行の可能性も考えられた。
木村さんは長年地元の富士重工業群馬製作所に勤務、退職したのちもシルバー人材センターに登録して植木の選定などを担当していたという。地域の役員なども積極的に担い、住民からの信頼も厚かった。友人も多く、小旅行やカラオケなどを楽しみにしていた。
家庭では、妻と死別してからは娘夫婦と孫らと生活しており、事件当時、娘婿は単身赴任中だった。

堅実な人生を送り、娘夫婦や孫たち、友人との穏やかで幸せな老後がこの先も続くはずだった。
一体、木村さんの身にあの日あの時何が起きたのか。

難航する捜査

警察は主婦の目撃情報をもとに75人の捜査員を投入。主婦の協力で作成された犯人らしき人物の後ろ姿のイラストを公開、付近の不審者などを洗い出したが、犯人の足取りはなかなか掴めなかった。
現場からは血のついた足跡が発見されていたが、停められた車の合間を縫って道路へ出たところで途絶えていたという。目撃情報も、その主婦のもの以外なかなか具体的なものもなかった。

太田市内の小学校では犯人が捕まっていなことから登下校の警戒を徹底させるなど対策はとったものの、その不安は相当なものだった。
通り魔の犯行が排除できない以上、どこの誰もが被害者になり得た。子供達は外で遊べなくなり、共働きで家を空けざるを得ない親たちの不安は高まる一方だった。

しかし事件から1年、捜査は進展する気配を見せなかった。

血のついた足跡から割り出された靴の種類はアディダスのスニーカー。当時若い人の間で人気だったという。色は黒だったことがわかっていて、サイズも少なくとも27センチ以上だった。

一方で木村さんがなぜ狙われたのか、殺害されたのかという動機の点でも様々な見方がなされた。
木村さんは当時、現金を持っていたかどうかが不明だったという。となると強盗目的とも言い切れないし、初めから怨恨の線はかなり薄かった。通り魔的犯行ならばそれこそトイレでなくともよく、その動機は全く読めていなかった。
そのため、運動会という行事そのものに関係があるのでは、という見方も一部の捜査員からは出ていたという。公園での子供の声や学校の部活動、そういった「音」が原因となった事件は他にもあったし、もしかするとそういった行事から排除されているような人の逆恨みのようなことかもしれない。

しかし捜査の進展がないまま、事件からすでに4年が過ぎていた。

【有料部分 目次】

容疑者
そして
鹿児島の事件
時効直前の自白
その男
両親

🔓慟哭~4つの少女による殺人~

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人が罪を犯すには多くは理由がある。他人から見ればバカバカしいようなことでも、本人には大問題、それこそ生きるか死ぬかというレベルに思えることもある。

大人でもそうであるなら、経験も知識も感情の制御も未熟な少年少女はどうだろう。
ただでさえ、思春期から成人するまでの年頃というのは、将来への漠然とした不安や、それまで正しいと信じてきた教師や親、ひいては社会全体への不信感なども芽生えるわけで、その自分でもどうしようもない苛立ちをそれでもどう昇華させるかは、だれしも苦く恥ずかしい思いと共に経験してきたことである。

親とぶつかり、友達とぶつかり、学校と社会とぶつかりながら、利己的な考えを改め、感情を抑え、時に理不尽に耐え、他人と一緒に尊重し合いながら社会で生きていくということを学ぶ。

それが出来なかった、あるいはそれ以前の問題だった少女たちはその時、なにを思ったか。彼女たちが起こした取り返しのつかない結末と慟哭。

広島の18歳

昭和59年12月、広島県三原市の通称白滝山のふもとで不審な男女が目撃された。中年男性と、少女。冬の午後6時といえばもう辺りは真っ暗だった。こんな遅くまで、こんな場所で何をしているんだろう?
まさか、自殺?
気になった通行人が声をかけると、男性は躊躇する様子を見せつつも、事情を話はじめたが、それは驚くべき内容だった。

13歳の遺体

「娘が、友達の女の子を殺したと言っていて……」

通行人は半信半疑ながらことがことだけに、警察へ通報。のちに警察が事情を聞いたところ、父親と一緒にいた高校3年生の娘が、幼馴染の女子中学生の首を絞め殺害したと供述。
警察が付近を捜索したところ、白滝山の砂防堤で倒れている少女を発見、死亡を確認した。

死亡していたのは広島県内在住の中学生、力田実穂さん(当時13歳)。逮捕されたのは実穂さんの家の近所で暮らす江梨子(仮名/当時18歳)だった。

調べによると、この日の午後、江梨子は実穂さんを誘ってこの白滝山へと出かけたという。しかし夕方になっても帰宅しないことから江梨子の父親が白滝山へ迎えに行ったところ、ふもとで動揺している江梨子を発見したということだった。

家が近く、子供のころから姉妹のように仲良く育ってきたという江梨子と実穂さん。ただ最近では、以前のような仲の良さではなくなっていた、という話もあった。

憎うて、たまらんかった

ふたりが小さい頃は本当に仲が良く、おそらく家族ぐるみのような付き合いだったと思われる。
しかし5歳の年の差は、次第に成長のずれとして二人の間に立ちはだかった。
江梨子は大学進学、しかも薬学部を希望していたということからも、平均より勉強ができる少女だったようだが、両親はその進路に反対だったという。
私自身は被害者の実穂さんと同年代だが、確かにその時代、看護師を目指す女子生徒はいても薬学部というのはかなり少なかったように思う。当然ながら薬学部ということなら大学も6年必要で、その分費用もかかる。もしかすると、経済的な事情もあって反対されたのかもしれず、それについてはこの時代おおいに有り得た話である。
彼女らが育った場所は広島県内でも田舎であり、この時代で広島県内の薬学部といえば広島大学か福山大学で、いずれも車で、かつ現在の道路状況なら1時間ほどの距離であるものの、当時の状況、ましてや電車を乗り継いでの通学は片道2~3時間かかり非現実的だった。となると必然的に下宿、寮、一人暮らしとなりそのあたりも女子にとっては家族の理解を得られにくかったかもしれない。

さらに言えば、大学への進学自体を反対されていたのかもしれない。

高校3年の2学期の終わり、もう、時間がなかった。実は事件のあった日の翌日には進路判定作業が始まる予定となっており、この時点で両親との間で話がまとまっていなかった江梨子はかなり焦っていた。
事件の数日前には父親と、そして事件当日の午前中にも母親と激しい口論となっていたという。

その数時間後、江梨子は思いついたように近所の実穂さんを白滝山へ誘った。

被害者の実穂さんも、江梨子同様に成績優秀、性格も朗らかで何の問題もない中学生だった。この昭和の終わり、多くの家には弾ける弾けないは別にしてピアノがあり、実穂さんはそのピアノも非常に上手だったという。
仲良しだったふたりの間に波風が立ったのはその年の春。江梨子が高校3年に上がってからだった。
進路について親と対立した江梨子は、その朗らかな実穂さんの振る舞いが癇に障るようになっていた。実穂さんが何かしたとか、そういった話は出ていない。実穂さんはそれまでと変わらずにいたにもかかわらず、自身の苛立ちの矛先を江梨子に向けられる羽目になった。
それは実穂さんが弾くピアノの音にまで及んだといい、ある時江梨子は実穂さんに直接、「ピアノでイライラする」と告げている。実穂さんはそれ以来、ピアノを弾くのをやめた。

しかしそれ以外に2人の間の問題があったような気配もない。ただひたすら、江梨子は天真爛漫で明るく振舞う実穂さんに勝手にどす黒い感情を募らせていたのか。

報道は江梨子を逮捕したところで終わっている。18歳であるものの、当時の状況を考えれば少年院送致になったと思われるが、江梨子は取り調べで
「実穂ちゃんが憎い。憎うてたまらんかった」
と話している。

白滝山の砂防堤付近には、お菓子の空き箱が残されていたという。実穂さんはあの日、江梨子に誘われておそらく嬉しかったのではないか。姉のように慕っていた江梨子の問題は、おそらくピアノの音が聞こえるほど近いところに住んでいた実穂さん方にも知られていただろうし、実穂さんも江梨子のその苦しみを知っていたから、おとなしくピアノを弾くのをやめたのだろう。
ひさしぶりの幼馴染のおねえちゃんとのおでかけ。ふたりの間にどんな会話があったのかはわからないが、実穂さんのそんな思いとは裏腹に、江梨子の心はもうどうしようもなく黒くなっていた。

【有料部分 目次】

岡山の17歳
吹田市の17歳
大阪市の17歳

片隅の記録~三面記事を追ってpart12~

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相模原の首吊り遺体

それは、一見よくある首吊り遺体だった。
霊園内の森の散策道にある一本の楢の木からそれはぶら下がっていた。地上約1,3mのところで二股に分かれた枝部分からロープがさがり、木の根元にはロープが重みで緩まないよう、複数回巻きつけられて固定されていた。

遺体は男性、年齢は30代後半から40代といったところか。着衣に乱れはなく、また男性の体格や楢の木の形状などからも、男性が自ら木に登って首を吊ることが可能な状態だった。
ただ、男性の胸には、刃物による傷があった。そして近くには使用されたとみられる刃物も落ちていたのだ。
死にきれなかったときのために、男性が持参したのだろうか?しかし首を吊った状態で遠のく意識の中、自分の胸を複数回深く刺すということが可能なのだろうか。

警察は自殺と事件の両面で捜査を開始、そして7月15日、警察は「霊園内の遺体は息子ではないだろうか」と届け出ていた相模原市内に住む男性から事情を聞いたところ、その男性が息子の自殺を手伝ったという趣旨の話をしたことから男性を殺人容疑で逮捕した。 続きを読む 片隅の記録~三面記事を追ってpart12~

片隅の記録〜三面記事を追ってpart11〜

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新聞の片隅に小さく載った事件。
発生当初は報じられても、その後を詳しく追うケースは、よほどの重大犯罪でなければ多くない。
あの事件ってどうなったんだっけ。そんなことすら、思われないような事件を掘り起こしてみる。

どの事件にも、物語がある。 続きを読む 片隅の記録〜三面記事を追ってpart11〜

🔓悲しみの果てpart2〜八尾市・闇金心中事件

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誰しも生きていれば借金を背負うことはある。たとえば家や車を買うとき、多くの人はそれぞれのローンを組む。学費など、子供の教育費のローンを組む人もいるし、貸与型の奨学金も借金の一つだ。
そして多くの人は銀行や公庫などの正式な金融機関で審査を受け、返済能力を判断されその範囲内での貸付が行われる。そのため、中には希望額が借りられなかったり、そもそもローンが通らないということもある。
そうなった場合、普通の判断ができる人は購入を断念、あるいはグレードをさげ、身の程に応じた生活を送るわけだが、中には諦めきれずに審査の緩い金融機関で再挑戦してしまう。審査が緩いところは全てではないが金利が高いところが多い。それでも数%の高い利息を細かく計算する人はそもそもそんなローンには手を出さないわけで、大抵の人はローンが通るならと、その高い金利のローンを契約するケースも多い。

それにもあぶれてしまったら。お金の使い道が車とか家とかではなく、日々の生活費や医療費などの切迫したものだったとしたら。さらには本人の属性で借金自体が出来なかったら。

そして、その不安と焦りを見透かすかのように「救いの手」を差し伸べたのが、悪魔だったら。
その悪魔から逃れられなかった家族の悲しみの果て。 続きを読む 🔓悲しみの果てpart2〜八尾市・闇金心中事件