🔓小心者~三島市・短大生暴行焼殺事件②~

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逮捕

警察では犯行現場から、「土地勘のある人間の犯行」とみて聞き込みに力を入れていた。
そんな中、不審者、夜間徘徊者リストに名前があった服部の、当夜の目撃情報に目を付けた。
事件後には三月と六月の二度、大規模な検問なども実施されていたが、この時に服部の事件関与は全く浮かんでいなかった。
というのも、服部は事件の直後にひき逃げ事件を起こしており、二月末に出頭して逮捕されていたのだ。

警察では住民らの協力の下、不審者リストを作り上げ、現場の地理に詳しいもの、住民目線で見て不審者、あるいは犯罪の臭いがする人物などを調べていった。
その一人一人のアリバイ、素行調査、証拠資料との照合などを地道に行う日々が続く中、不審者リストにある服部のDNAと、現場に残されたDNAが一致したのだ。
もし、住民らの協力がなかったら、おそらく服部は重要人物とみなされなかった。しかも本人は別の事件ではあるものの、自ら出頭して罪を認め、実刑判決を受けていたのだから。

DNAというゆるぎない証拠があったものの、当初服部は全面否認だった。
「コンビニでナンパしたが、家に帰した」
服部の当初の供述はこうだった。
警察も、DNAが現場にあったということから、佐知子さんと最後に接触した人物の可能性が強い、ということは言えても、殺人を犯した張本人とは言い切れなかった。
とりあえず逮捕監禁と強盗の罪で逮捕したものの、本人の口から供述を得られたのは逮捕から一週間後、佐知子さんの自転車を遺棄した場所を自白し、その後殺害を認めることとなった。

【有料部分 目次】
無期は嫌
死刑になると思ってなかった弁護人
ふてぶてしさの反面
小心者

「🔓小心者~三島市・短大生暴行焼殺事件②~」への3件のフィードバック

  1. お久しぶりです。
    安芸の男と申します。

    この事件についての話題が出てくるたびに思い出すのが、1989年に発生した福岡市女子大生焼殺事件です。
    犯人の野中豊に女性ばかりを狙った強盗致傷の前科があり、その仮出所中に強姦目的で車に連れ込んで犯行に及ぶなど、共通点がいくつもあります。
    しかも福岡の方は、確か余罪も女性を車ではねて強盗に及ぶという荒っぽいものだった気がします(きちんと覚えていなくてすみません)。
    そんな野中豊は一審では懲役20年でしたが、二審で破棄されて言い渡された無期懲役で確定しました。

    この先例を見る限り、服部に一審で無期懲役が言い渡されたのは至極妥当であり、二審や上告審で支持されてこのまま確定という流れの方が可能性は高かったでしょう。
    それを覆して、二審で破棄して死刑を言い渡した東京高裁の裁判官たちの大胆さには、ただただ驚かされます。
    服部に有利な諸々の事情を考慮した上での破棄自判による死刑という英断は、これからも高く評価していきたいと思います。

  2. 生きたまま灯油やガソリンをかけて放火したのは
    この事件と、あとは川村幸也・旧姓野村哲也の事件くらいしか
    すぐには出てこないのですが、とにかくひどいとしか…

    1. oko_kさま
      ご購入いただきありがとうございます。

      そうですね、有名な事件で言うと、その2件でしょうか…家に放火したとか、そういうことではなく「殺害の手段」がこれですからね。
      この事件が、判例として「殺害方法が殊更残虐」ということで死刑になりうるとした例かな、と思います。それについては、文中にある通り、一審の福島弁護士も言及されてますね

      細かく見れば、死刑案件ではなくても殺害方法としての「焼殺」は沢山あるんです。
      「一人で死ねは暴言か」の記事でも取り上げてるのですが、群馬で起きた女性殺害事件、三島の事件のように被害者一人、殺害方法はガソリンをかけた上での生きたまま、意識のある状態での焼殺でした。
      しかしこちらは懲役10年。加害者も大やけどを負っていたことや、一応無理心中図ったっぽい、あと、遺族と和解してるということでこうなったようですが、三島の事件より前なので、今後は焼殺という殺害方法は死刑になりうる行為だと言えます。

      もしそうなっていくなら、服部純也の死刑には大きな意味があったと思います。

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