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母親は4歳の我が子に、「ママとぎゅーってしよう」と言って呼び寄せた。無邪気に母親の腕の中に飛び込む息子。
その息子の首に、母はタオルを巻きつけた。そして力いっぱい、絞めあげた。
ぐったりした息子を床に寝かせ、母は自分の命を絶つために椅子を取りに向かった。すると、息をしていないはずの息子が、ふぅっと息を吐いたような気がした。
生きている!そう思った母は、息子の背中を叩き、人工呼吸も施した。が、息子がそれ以上反応することはなかった。
やっぱり死んじゃった。次は私の番だ、早く死ななきゃ。
そこへ、仕事に行ったはずの夫が突然帰宅した。
「……なにしてる?」
様子がおかしいことに気づいた夫は、虚ろな妻に詰め寄った。
「猛瑠、殺しちゃった。」
驚いた夫がさらに問い詰めると、妻はこういった。
「だってあんたが猛瑠をちゃんとみてくれないから!」
夫は息子の様子を確認した後、通報した。
平成23年7月14日
北海道清水町南の住宅から、「妻が子供に手をかけた」とその家に暮らすトラック運転手の男性から近くの交番に通報があった。
警察が駆け付けると、男性の長男で保育園児の猛瑠(たける)ちゃん(当時4歳)がぐったりしていて、その後救急搬送されたが死亡が確認された。
警察の調べに対し、家にいた猛瑠ちゃんの母親が首を絞めたと認めたことで、殺人容疑で母親を逮捕した。
逮捕されたのは佐々木尚美(仮名/当時32歳)。
部屋の中には遺書とみられるものがあったことなどから、警察では尚美が猛瑠ちゃんを殺害して自分も死のうとした無理心中とみて取り調べを続けた。部屋の鴨居には首を吊ろうとしたのか、ひもが掛けられていた。
後に尚美は家族について悩みがあったと供述した。
猛瑠ちゃんの首には絞められた痕跡があり、旭川医大で司法解剖された結果、窒息死と判明した。
幼い子供が母親によって殺害されるという腹立たしくも悲しい事件だったが、無理心中を図ろうとしたことが報道された後、その詳細についてはほとんど情報がなかった。
その後、尚美には懲役8年の実刑が言い渡されたが、公判で明かされた無理心中に至った経緯はあまりにも理解に苦しむものだった。
【有料部分 目次】
母のそれまで
子供の発育
破壊的な経済観念
本当の動機
この子誰の子
私が悪いんだろうけど