🔓ボクは知らない〜巣鴨・子供置き去り事件〜

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令和3年8月、滋賀県内で6歳の女児がジャングルジムから落ちて死亡するという痛ましい事故が起きた。
しかしその後、女児の体に100箇所に及ぶ殴打痕があったこと、事故直前の未明にその女児が少年に連れられてコンビニにいたことで通報されていた事実が判明。
調べた結果、女児は事故死ではなく、その少年に暴行されたことで死亡したと判明した。

その少年は、女児の17歳になる兄だった。

この事件が報じられると、その生育歴や母親の状況などから、今から30年ほど前に起きたとある事件と重なる、そんな声も聞かれた。

その事件は、昭和63年に発覚した。

西巣鴨のマンション

昭和63年7月18日。豊島区西巣鴨のマンションの大家から、「部屋を貸している女性が子供を置いたまま行方不明になっている」という届けが巣鴨署に入った。
女性は昭和62年9月からこのマンションの2階の一部屋を借りていて、その際、一人息子を連れていたという。
「この子は立教中学に通っています。私はデパートに勤めてますのでよろしくお願いします」
そう言って挨拶したという女性は、入居した翌10月からこのマンションでは見かけられていなかった。

息子と二人暮らしだというその家は、昭和63年2月以降月額9万円の家賃が支払われておらず、催促しても女性が姿を見せないことから痺れを切らした大家が直接訪問。その際、どうやら母親が長期間不在であると分かったことから通報したのだった。

通報で駆けつけた巣鴨署員は、その部屋の玄関を開けて絶句した。

玄関からすでに家の中はゴミだらけの状態だった。
一方で台所では電気炊飯器でご飯が炊き上がり、女性の息子と思われる中学生くらいの少年が味噌汁を作っていたという。フライパンには野菜炒めと思しきおかずもあった。
温かな夕餉の香りと、糞尿と生ゴミ、カビの入り混じった凄まじい混沌の香りが充満するその家の中には、少年以外に二人の女児の姿もあった。

「・・・この子はどこの子??」

大家は混乱を隠しきれずにいた。この家には先にも述べたとおり、借主の女性とその息子の二人しかいないはずだったのだ。

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【有料部分目次】
のりちゃん
利恵(母親)
ユキ
コウヘイ(押入れの遺体)
タカシ
ふたたび、のりちゃん
サトシとワタル、そしてタカシ
ふたたび、利恵
兄妹