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平成13年4月17日
仙台市太白区、東北自動車道仙台南IC付近で検問中だった宮城県警高速隊は、車検切れのステッカーが貼られた車を見つける。
その際、職務質問した男の免許が切れていることに気が付いた。
男が乗っていたのは石川ナンバーのレンタカー。車内には、女性と幼い子ども3人が乗車していたという。
さらに、男はこれまでに反則金を未納していることも判明していた。
高速隊員は、車内の状況や子どもたちの様子に不審な印象を受け、反則金の未納照会の際に家族構成を確認した。
「一人、二人、三人・・・」
高速隊員の顔色が変わる。この家族には、もう一人子供がいるのではないか。
無免許運転で逮捕したのち、男にそのことを問いただすと、男は「昨年の夏、次女が海水浴中に溺れ死んだので、処置に困って捨ててしまった」と答えた。
福井県警の捜査員らが、男が話した福井県河野村の国道8号線にある「道の駅河野」付近の草むらを探したところ、25メートルほど下った斜面に、幼児のものと思われる人骨を発見した。
しかし男は、捜査員に対し「殴ったら死んだ」という話もしていたのだ。
両親逮捕
無免許運転で逮捕されたのは、北海道生まれの住所不定、福本信夫(仮名/当時27歳)。警察は、レンタカーが借りられたのが免許失効後に妻の名で借りられていたことなどから、妻もその事実を知っていたとして妻からも事情を聞いていた。
発見された骨は幼児の頭部とみられていたが、DNA鑑定の結果が出るまでにとりあえず信夫を道路交通法違反で仙台地裁に起訴し、鑑定結果によっては傷害致死、死体遺棄の疑いで再逮捕する予定としていた。
5月22日、DNA鑑定の結果、発見された骨が信夫のDNAと酷似していることが判明。骨は、信夫の次女で行方不明の加奈ちゃん(当時2歳)である可能性が高まったとして、29日、信夫と妻の美穂(仮名/当時28歳)を死体遺棄容疑で再逮捕した。
さらに、加奈ちゃんが死亡した経緯についても調べが進められた。
当初は要領を得ない話を繰り返す両親だったが、加奈ちゃんは実際には海水浴で溺れ死んだのではなく、両親らの苛烈な虐待の末の死だったことが明らかになっていった。
2歳の女児は、生まれてからのほとんどの時間が虐待の日々であった。
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【有料部分目次】
無計画の家族
現実逃避と嘘の山
美穂
ホテルでの出来事
虐待者による蘇生術への評価
遺棄、そして
虐待死は殺人ではないのか