17歳~カノジョを殺した僕たち~

交際相手を殺害するという事件は珍しくない。交際しているとは言っても、その実情は周囲からは分からないし、愛しているがゆえに、悲惨な結末を招いてしまうケースもある。

事件備忘録でも愛憎入り乱れる事件を多数取り上げているが、いい年こいた大人たちであっても我を見失ってしまうわけで、それが大人の階段をのぼり始めたばかりの少年少女であれば、些細なことがこの世の終わりに思えることもあるだろう。

最近でも、少年少女による交際相手への殺人(未遂含む)は平成29年の台東区の18歳の少年による交際相手殺人放火事件、平成26年の岡山で起きた年上の交際女性を殺害遺棄した17歳の少年の事件など、あまりに短絡的で幼い動機による事件が起きている。

ただ少年事件ということでその詳細はなかなか判明しづらい。
少年だからこそ、自分の思いを言語化できなかったり、少年だからこそのある種の一途な思いから真相がわかりにくくなっている可能性もあるだろう。

ただ事実としてあるのは、彼らは、カノジョを殺して捨てたということ。 続きを読む 17歳~カノジョを殺した僕たち~

狂言~いくつかの事件と愚かなる人々~

狂言--

Wikipediaを見ても和泉元彌さん的な何かしか説明がないが、簡単に言うと自分で計画し実行しておきながら、自分は偶然巻き込まれた、他人がやったかのように見せかける行為のことを指す。
似たようなものに自作自演があるが、これは本来、自分で作ったものを自分が演じることを意味していて決して悪い意味ではないのだが、「ジエン」というともう、他人を装って自分を褒める、擁護する、自分の利益になるような言動をする、そんなようなニュアンスで通っている。

日常においても、異常なまでの噓つきというのはいるし、次第にその嘘はバレ、人が離れていくケースはよくある話だ。
しかしこの狂言は、単なる「嘘つき」な人が起こすものとは違う。
嘘をでっちあげなければならない理由が、彼らにはあった。

バカじゃないかで済むレベルから、シャレにならないレベルまで。 続きを読む 狂言~いくつかの事件と愚かなる人々~

🎄特集:星降る夜の男女の事件簿⛄

2022年も残すところわずかとなりました。

皆様、今年も事件備忘録をご愛読いただきまして誠にありがとうございました。
今年を振り返ってみると、個人的には大変キツイ出来事が3月に起きて、私はその悲しみから抜け出せずに今も彷徨っている状態。

ちょっと自分語りをします。Twitterでは少し言及したのですが。
読者の皆様には簡単にお伝えいたしますと、生涯の友と呼べる人を突然亡くしました。彼は大変な実業家で、地元愛媛のみならず活躍しておりました。
「若い人に夢を与えるために惜しみなく浪費する」
その言葉通り、仕事とは別の部分でレース、競馬など夢を生み出す人でした。

2021年にはその夢のひとつである競馬の世界で、とある馬の馬主として有名になりました。
気さくな語り口で掲示板に降臨しては、ファンと交流し、そのせいか所有するその馬の人気は爆上がり。ネットの世界には疎い人でしたが、それでも彼なりに楽しんでいました。

夏に体調の変化がありはしたものの、最期まで彼は豪快で夢を生み出し続け、そして流れ星のようにあっという間に逝ってしまいました。

私は約12年に渡って、彼の本当にプライベートな部分に接してきて、その立場上、誰にも本音を話せない中での吐き出しの場所としてそばにいました。
失恋したこと、みっともない部分、格好悪い部分、うまくいかなくてブチギレたり、八つ当たりしたり、そんな彼に接するたび、彼の背負う重圧を思い知ったりしました。

彼の死はあまりにも突然だったために伏せられましたが、私は彼の周囲とは全く接点がないにもかかわらず、すぐに知ることが出来ました。
それはもう、彼自身が「もう、会えんぞ」と何とかして私に伝えたかったとした思えないような偶然に偶然が重なって、私は彼が骨になる前に、その最期の姿まで知ることが出来ました。

それでも、きちんとお別れが出来なかったということがこれほどまでに苦しいとは思いもよらず。

彼は治療のために東京に滞在していましたが、こんな結末になると思わなかった私は、彼が死の2週間前に「東京に来てくれんか」と言ったのを、「松山に帰ってからゆっくり会いましょう」と言ってしまった。
治療に専念してほしかった。なにより、元気だったからこんなことになるなど夢にも思わなかった。
私の人生において、後悔することなどなかった中で、たった一つの死ぬほど後悔する痛恨の過ちとなってしまいました。

そして1年が経とうとする今も、その気持ちに区切りをつけることができず、彼のいないこの世界を日々空虚な思いで見つめることしかできずにいます。

幸い、理解ある家族、共通の知人の存在が支えてくれていますが、立場上なかなか吐き出せずに1年を過ごしたので、ここでちょっと吐き出しました。

星になった彼は、私の一番星。男女間の友情などあるわけがないと思っていた私ですが、彼は私にとって、永遠のずっ友。
難しくて怒ると怖くて理不尽で俺様で超自分勝手で金に物言わせるししかもハンパやないし、でも、地元の災害時にはこっそり何千万も寄付したり、奨学金を抱えた若者を助ける事業をやったり、会社での女性社員への福利厚生を充実させようとしてたり、細かいところに気配りしたり、自分が悪いと思ったらごめんなさいが言える、本当は心の優しい人でした。

あぁなんだか意味不明になってきました。吐き出したかっただけです。読んでくれてありがとう。

ということで、今年最後の事件簿特集、星降る夜の男女の事件簿、はじまりはじまりぃ。

不倫で始まり不倫で終わる私たち~練馬・夫殺害事件~
🔓哀しき女と自死した男の桃色吐息~北区・SMプレイ誘拐事件
早くアタシを迎えに来てちょうだい~亀岡・妻子殺害事件~
🔓その涙の意味~杉並・不倫保険金殺人事件~

いいわけ〜祖父母による孫殺害無理心中事件〜

親が子を道連れにして自殺を図るというケースを、日本では無理心中、と表現する。
この言葉の適切さはさておき、一般的なイメージや言葉が社会に浸透しているは間違いない。

この言葉には、親の身勝手な考えの犠牲になった、という印象があり、子は親を選べないという、今時の言葉で言えば「親ガチャ失敗」の最悪のケースである。
母親主導の場合は母子心中が多く、父親主導の場合は一家心中になるケースが統計的にも多い。
また特殊な統計として、虐待死は内縁の妻、夫によるケースが多く見られるのに対し、無理心中においてはむしろ血の繋がりのない子どもが犠牲になるのは少ないという。

一方で、その無理心中、一家心中を画策したのが他の家族だったら。

基本的に両親以外の家族が加害者になる場合は、一家心中、一家皆殺し的なことに発展することが多い(中津川の無理心中、柏の無理心中など)こと、結果として被害者数が多くなり死刑求刑もあり得るためセンセーショナルな扱いをされてしまうことで記憶には残るが、件数としては多くない。

この、親以外による無理心中事件の中で、祖父母による無理心中について取り上げてみたい。
加東市にて、娘の長男を預かっていた60代の祖母が2歳の孫を池に沈めて殺害した事件があったが、このケースも無理心中(未遂)とされている。
親が主導して子を巻き添えに無理心中することと、祖父母が孫を巻き添えにそれを企てるのと、その動機や背景に違いはあるのだろうか。 続きを読む いいわけ〜祖父母による孫殺害無理心中事件〜

限界破裂〜虐げられた人々の愛の事件〜

普通に生きていても、時に他人から不当な扱いをされることがある。
会社でのパワハラ、学校でのアカハラ、そして夫婦間、恋人間におけるモラハラ、DVなど。
相手との立場の問題や相手に対する感情の問題で、不当な扱いだとわかっていてもそれに抗議できず、ただ耐えることでやり過ごそうとする人も少なくない。
また、怒りがあったとしても同じ土俵に立ちたくないという思いで、あえて無関心を通そうとする人もいるだろう。

特に日本人はできるだけ、争い事を避けようとする傾向があるのも事実で、少々のことで騒ぎ立てるのはみっともない、そう思う人もいる。
限定していうと、男女間夫婦間における様々な問題は、第三者が介入し辛い面もあって気がつけば虐げられていた人は一人その理不尽な思いを抱き続けることになる場合が多い。

一方で人にはそれぞれ堪忍袋というものがあり、その容量は個人差が激しい。

虐げられた人々の我慢の限界が来た時、それまで蔑ろにしてきた本当の加害者は狼狽え、そして許しを乞う、自分がしてきたことを棚にあげ……

いくつかの我慢の限界を超えた男女の事件。 続きを読む 限界破裂〜虐げられた人々の愛の事件〜