🔓お父さんは悪くない~続・ある家族の崩壊への軌跡/八尾市・長男バラバラ殺人事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

店先には、いつもその父親の姿があった。
缶ビール片手に、父親は客を待ちながらテレビの野球中継を見るのが常だったという。

「精神病院行ってんねん」

息子はそう言ってにこっと笑う。お気に入りのTシャツやスニーカーを「おっちゃん!見て!」と人懐っこく話しかける息子のことを、近所の人たちの中には親しみを持って接する人らもいた。

そんな息子の通院費を稼ぐために、父親は家業の自転車店のほかに、トラックの運転手や市場の鮮魚部門で早朝の仕事を掛け持ちしていた。
母親と次男はすでに家を出ていた。

小さな家に、父親と息子。

「仕方なかった」

そう呟いた父親は、同時に

「後悔していない」

とも話した。

鳴門の砂浜の胴体

平成17年5月11日、徳島県鳴門市の砂浜に、男性とみられる遺体が打ち上げられた。
遺体は、頭部と四肢が欠損した状態。明らかに、切断されて遺棄されたものだった。

指紋も顔も分からない場合、身元特定には時間がかかるかと思われたが、2日後身元はあっさり割れた。
警察のDNAデータベースに、遺体と合致するDNAが登録されていたのだ。

胴体は、大阪府八尾市在住の藤見一(はじめ)さん(当時33歳)と断定。一さんは当時八尾市内の実家で父親と二人で生活していたという。

警察がDNAが一致したことを踏まえて父親に話を聞きに行ったところ、なんとその父親が一さん殺害、切断、遺棄を認めた。

逮捕されたのは一さんの父親・秀雄(仮名/当時62歳)。
秀雄は一さんが自室で寝ているときに工具を用いて頭部を殴り、殺害したと自供。その後、遺体を解体して仕事で使用していた2トンの保冷車に積み込むと、大鳴門橋の上からその遺体を遺棄したと自供した。

秀雄は自転車店を経営しており、事件当時も店の入り口には「パンク直します。1台500円」といった張り紙もあった。
住宅街にある小さな自転車店。自宅も兼ねていたというその2階で、一さんは父親によって殺害され、バラバラにされて鳴門海峡に捨てられた。

取り調べに対し、秀雄は冒頭のように、仕方なかったと、後悔していないと話した。

秀雄は自転車業界でも知る人も多い人物だったという。事件を知った知人や同業者らはその人柄などに触れ、信じられないといった様子だった。

しかし、妻と息子二人との家族4人幸せな日々は、とうの昔に崩壊していた。

【有料部分 目次】
幸せな4人家族
変わり果てた両親
他害行為と絶望
「もう、悩まなくて済む」
「お父さんは悪くない」
医療観察法
当事者と他人の距離

 

忘れないで〜生きた証⑥〜

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

長阪 優奈ちゃん(滋賀県高島市:平成18年7月5日死亡/当時2歳)

「勤務態度は真面目。口数は多くないが、しっかりしている」

母親が再婚した相手は、航空自衛官。饗庭野駐屯地で電気関係の任務についていた24歳で、上官からの評価も良かった。

滋賀県中央子ども家庭相談センターの職員も、当初は子育てに不安を抱えていた母親の様子が再婚を機に成長が見られたこともあって、それまで入所措置が取られていた2歳になる女の子を母親の元へ返すことにした。
すでに女児と母親の再婚相手は養子縁組も済んでいる。一つ上の姉(当時3歳)とともに新しい家族として再スタートを切ったその女児は、入所措置停止から2ヶ月後、無惨な姿となって命を落とした。

忘れないで~生きた証⑤~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

山本 涼司くん(兵庫県姫路市:平成12年1月24日死亡/当時6歳)

生死不明の子

その男の子は、もう半年以上その姿を誰にも見られていなかった。
男の子が暮らす姫路市立津田小学校でも、入学通知が届いているはずなのに、学校に来ない男の子を心配していた。

平成12年9月、姫路署にとある相談が持ち込まれる。

「身内の男の子の姿が長いことみえない。その子の姉が、父親が弟を殺して捨てたと言っている」

相談に訪れたのは姿が見えない男の子の親類だった。前々からその子に会えていなかった親類が、ある時10歳の姉に聞いたところ、姉の口から驚愕の話が出たのだ。

警察は両親から事情を聴き始めたところ、すでに男の子は死亡しており、なんと山中に遺棄されていたことが発覚。
その後、両親の供述から兵庫県神崎郡須加院の山に捨てたとの供述を得たことから付近を捜索。9月21日、3回目の捜索で人骨と思われるものが発見された。

鑑定の結果、骨は紛れもなく人骨で、しかも子供のものと判明。両親らの自供と照らし合わせると、この骨があの男の子のものである可能性は高かった。 続きを読む 忘れないで~生きた証⑤~

🔓忘れないで~生きた証④ 続・鬼の棲む家~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

松本〇〇くん(名前不詳/奈良県月ヶ瀬:平成10年7月4日死亡/当時生後8か月)

その男の子は、生後4か月から病院にいた。意識を失い、ずっと寝たままで。
4か月後、まだ1歳にもならない小さなかわいい男の子は、1歳のお誕生日が来る前に、その短い人生を終えた。

奈良県警奈良署は平成20年3月10日、生後4か月の双子の長男と次男に対し虐待を加えたとして、奈良市月ヶ瀬の夫婦を殺人未遂の容疑で逮捕した。
ふたりは共謀し、生後間もないころから双子の兄弟に激しい暴行を加えており、保護された際、長男は慢性硬膜下血腫を、そして次男にいたっては心肺停止で救急搬送されたが、その後低酸素脳症となり、4か月後に脳死と判断された。

死亡した次男は発見時、目を覆うほどの虐待の痕跡のみならず、その腹部には赤ペンで「ブタ」「死ね」という落書きまであった。
両足の骨は折れ、肋骨は11本が骨折していた。

通常、このような重大虐待事件は周囲や行政が気づいていながら防げなかった、という話がついて回るものだが、この事件に関しては周囲が全く気付くことができなかった中で起きていた。

【有料部分 目次】

それまで
いらなかった双子
「バンジー」
「なぜ死んだのかわからない」

鈴木杏実(あずみ)ちゃん(名古屋市南区:平成13年7月17日死亡/当時7歳)
あぶない家
それまで
体罰で子は育つ
悪魔人間
子供たちの悲痛
救おうとしなかった祖母
裁判と信じられない「ふたりのその後」
繰り返される事件、解明されない現実

忘れないで~生きた証③~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

高旗龍翔くん(広島県福山市:平成15年10月下旬頃死亡/当時1歳7か月)

広島県警福山東警察署に、3人の男女が相談に訪れた。
3人は、両親とその娘。娘とは言っても23歳の女性ですでに母親だった。相談内容は、この母親の2歳になる息子の存在が「わからなくなっている」というもの。

対応した警察官らが話を聞いていくうちに、母親は「子どもは死んでいる。どうしていいかわからなくて、埋めた」と話した。

供述に基づき、母親の住んでいるマンションの敷地内を捜索したところ、その場所から遺体を発見したことで、福山東署は女性を死体遺棄容疑で逮捕した。

遺体で発見されたのは、女性の息子の高旗龍翔くん。

母親は昨年4月に離婚しており、以降、龍翔くんと福山市内のマンションで生活していたという。
龍翔くんは未熟児で誕生しており、病弱だったことで、母親の子育ては大変なこともあったようだ。
母親は平成15年の10月中旬頃から、どういう心境だったのかはわからないものの、龍翔くんの世話を「一切しなかった」という。
ミルクや離乳食といった食事はおろか、入浴もさせず、さらには抱いてやることもしなかった。

体調が悪くなっていく龍翔くんを見ながら、そのまま龍翔くんを死なせた。

そして、死んでから「病院に行こう」と思ったものの、途中でどうしていいかわからなくなってマンションの敷地の一角にこっそり埋めたというのだ。

この時点でもはや理解不可能な域にあるため、もしかすると精神鑑定等行われたか、あるいは不起訴になったか。
以降の報道は見つけられなかった。 続きを読む 忘れないで~生きた証③~