🔓忘れないで~生きた証⑨この世の地獄編その壱~

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親が子供を殺害する。
虐待の多くが「死ぬとは思わなかった」というような言い訳のもとに行われるのに対し、確実に子どもを殺す親がいる。

この世に地獄があるならば、私は親による子供の虐待そしてその究極である子殺しこそ、この世の地獄だと思っている。

背景は違えど、結果は違えど、親によって過失ではなく殺意を持って殺害された子どもたちの記録。 続きを読む 🔓忘れないで~生きた証⑨この世の地獄編その壱~

片隅の記録〜三面記事を追ってpart8〜

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昨日まで普通の生活を送っていた人が、翌日には死体になっている。
誰もが想像したくもない恐ろしいことだが、これは誰の身にも起きることでもある。

あなたは想像したことがありますか。

昨日まで普通に笑っていた人が、あるいは自分が、1週間後には骨になっていることを。 続きを読む 片隅の記録〜三面記事を追ってpart8〜

🔓狂気の世界~浦和市・実子3人殺害事件~

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令和6年6月11日、愛知県一宮市で幼い我が娘3人を殺害したとして母親が逮捕された事件で母親に判決が言い渡された。

母親は令和4年2月10日、一宮市の自宅で当時5歳、3歳、生後9か月の娘らの首を絞めて殺害、母親も手首などに軽傷を負っていたが、後に娘らの殺害を認めたため逮捕、起訴されていた。
当初から争点は責任能力にあった。初公判で母親が起訴事実を間違いないと認めた際には、弁護人が心神喪失状態だったと付け加えた。

検察が懲役25年を求刑したのに対し、弁護側は犯行当時心神喪失だったとして無罪を主張。被告人である母親も、自分をもう一人の自分が眺めている感覚、頭の中で声が聞こえていたといった証言もありその判断が注目されたが、判決は懲役23年。
裁判所は母親の完全責任能力を認めた(※令和6年6月15日現在判決は確定していない)。

正直、どんな事情があろうとも幼い我が子を3人も殺害した時点で感情としては死刑でいいやろ、というか、死刑にしたった方が本人も楽になるんちゃうかという乱暴な思いもある。が、基本的に家族間、特に親(母親)が幼い子供を殺害した「だけ」の場合は、この懲役20~23年あたりがどうやら「相場」になっているようだ。

一方でそもそも子供を殺すような精神状態になっている時点で異常とも言えるわけで、それが人格に由来するものなのか、それとも精神を病んでいる状態なのかの判断は非常に難しい。この一宮の母親は、検察もかなりその完璧主義の性格を強調していたように思う。
証言台に立った元夫も、被告人がスマホで得た情報を信じ込む性格、という話をしていた。

結局、地裁は完全責任能力を認めたため、過去の同種の事件の判決などを参考に量刑が決められたと思うが、産後うつで通院歴と投薬治療をしていたのに途中でやめていて、家事も育児も回っていない状態で希死念慮があり、かつ離人の症状があったり、頭の中で声が聞こえていると言った状態でも心神耗弱ですらないというのは正直驚きもあった。

昭和の終わり、この母親と同じように、わが子3人を殺害したこちらも完璧主義の母親がいた。そして同じように、ほぼワンオペ状態で子育てをしながらうつを患い、希死念慮を抱き通院もしていたが、ある出来事でタガがはずれそのまま子供3人を殺害し自身も自殺を図ったものの、死ねなかった。

その母親に対し、検察は懲役13年を求刑。しかし、浦和地裁はその母親に対して心神喪失無罪の判決を言い渡した。

その判決が、というのではなく、その判決文にある裁判長のいわゆる傍論に、私は度肝を抜かれた。

それは正義か。それとも、偏重か。

【有料部分 目次】

浦和の我が子殺し
優秀な母親と理想の家族
翳りゆく家
死にたいから、殺してよ
狂気の世界
裁判長
最も決定的な被害を受けたのは誰か
ふたたび、一宮の事件

かしの樹の下で~中国人妻と残留孤児の事件~

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平成時代、農業や漁業に従事する独身男性が多い地域に、そこでの生活と結婚を希望する女性らを引き合わせるお見合い番組がいくつかあった。
都会の生活に疲れた女性は、時に自然豊かなのんびりとした地方都市での生活に憧れを抱くこともあるのだろう。
しかし実際に来てみると、確かに食べ物は美味しいし自然は豊かだが、その生活を維持するためには想像を絶する労力と、地域との密接な関係の中で立ち回っていかなければならず、都会での人間関係など足元にも及ばない濃い人間関係や地域の風習はストレス以外にもなにものでもないと気づき、帰りのバスに乗ってしまう女性が多かった。

同じ日本人であっても、おいそれとうまく行かないお見合い。恋愛でも同じだ。

それが、言葉も通じないような相手だったら?相手の求めていた理想と現実が激しく乖離していたら?
帰る場所もない人たちだったら?

素晴らしい国、日本に憧れ日本の地にやって来た人々と、祖国日本へ帰ってきた人そして、殺された人、殺した人たち。 続きを読む かしの樹の下で~中国人妻と残留孤児の事件~

🔓それぞれの死~いくつかの被疑者、被告人の死~

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容疑者、被告人の死。

理由は様々あれど、関係者の多くにとってそれは残念な出来事だと思われる。
中には口封じとしか思えないような不可解な拘置所内での自死、事故死もないとは言わないが、いつの時代にも容疑者や被告人がその事件の犯人としての罪のあるなし、その量刑が確定しないまま何もかもが終わってしまうのはやはり、残念なことである。

有名な事件で言うと、尼崎の連続不審死で主犯格として逮捕された角田美代子氏だろう。彼女は事件が発覚し逮捕されたわずか2ヶ月後に、身柄が置かれていた兵庫県警本部の留置場の布団の中で、長袖のTシャツを首に巻き付け、自死していた。
事件詳細は関連書籍など山ほどあるので読んでいただくとして、北九州のあの事件と双璧をなすと言ってもいい事件の首謀者があっけなく自殺するものだろうかという疑問はあった。
結果的には、角田氏は逮捕直後からかなり弱気になっていたようで、状況的にも自殺と考えられ、その後、角田氏と行動を共にした人物らも刑が確定し、事件は終わった。

事件備忘録でもいくつか、逮捕されることを嫌い、また裁判を待たずに自ら命を絶った容疑者の事件を報告している(確定後の服役中の死亡は除く)。これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか、これとか。
刑が確定する前に、起訴された被告人が死亡すれば公訴棄却となり、事件は残っても死亡した人間には前科はつかない。
たとえ、現行犯で一旦逮捕されていたとしても、100%犯人でも、死亡した以上は被疑者死亡で書類送検となり、その後検察も被疑者死亡で不起訴の判断をするため、前科はつかないのだ。

先日公開した事件の中で、一審判決が下された直後に被告人が死亡したというケースがあったが、それについても控訴手続きが取られないままだったためにこのまま放置すれば判決は確定してしまう。
検察は、死亡した人間に前科をつけることはせず、あえて控訴し、その後高裁で公訴棄却となった。

判決はまだでも、現行犯などで犯人確定しているケースはある意味、自分の命で償ったとも考えることは可能だが、中には最初っから容疑を否認しているケースもある。
広島の警部補の自殺も、本人は容疑を否認していた中での自殺だった。

事件の大小にかかわらず、被疑者、被告人の死によって幕が降りた事件をいくつか紹介したい。 続きを読む 🔓それぞれの死~いくつかの被疑者、被告人の死~