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平成19年3月27日
さいたま地裁。
この日の午前、とある事件の判決公判が開かれた。
被告は、20歳代の男。罪状は、未成年者略取と窃盗だった。
任介辰哉裁判長は、「卑劣で悪質な犯行だが、学校教育を受けず、閉鎖的生活をし、知的障害も認められる」とし、求刑3年に対し、懲役2年6月、執行猶予5年の判決を言い渡した。
実はこの男は、公判中から「別の事柄」が発覚して注目されていた。
裁判長が情状酌量として認めた事柄には、「男が20年間無戸籍」であったことも含まれていたのだ。
事件概要
平成18年6月25日夕刻、埼玉県鳩ケ谷市内の公園で遊んでいた当時4歳の女児が行方不明となった。
その後、同じ鳩ケ谷市内のスーパーで女児は無事保護されたが、下着を盗まれていたという。
埼玉県警武南署は、窃盗と未成年者略取の疑いで捜査をし、10月になって、鳩ケ谷市内に暮らす当時二十歳の男を逮捕した。
しかしその後の展開は予想外のものとなった。
武南署が男の身元を紹介したところ、なんと無戸籍ということが判明したのだ。
男は両親と姉との4人暮らしだったが、13歳年上の姉には戸籍があった。
さいたま地方法務局が調査し、両親とこの男性は間違いなく親子関係であることが認められたため、10月半ばに母親が届を出し、男は戸籍を得ることができた。
戸籍法では出生の届けは14日以内に行うと定めており、正当な理由もないのに届け出を怠った場合は3万円以下の過料が科せられる。
この男には家族がいた。にもかかわらず、戸籍がないというのはどういう事情だったのか。
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【有料部分目次】
無戸籍の理由
少年時代
母親
やがて暴発
なにが事件を起こしたか
戸籍なしの子供って、最近はときどきネット記事の題材にもなるようですね。。。
そういう記事を改めて今検索したら、やっぱり出てくると思ったのは30年ちょい前の巣鴨の……
あれはバブリーな時期でしたけど、まあ最初の子供が生まれたときはバブルよりだいぶ前でしたけど。
あの事件では当時、母親が実名報道されていたのをよく覚えています…
バブルが崩壊してかなりの年月が過ぎ、リーマンショックに大震災に、そしてそれからやっと～と思ったらコロナ禍と、これからも届け出されない子供が出てしまう事態はなかなか減らせなさそうに思えてきます…
oko さま
コメントありがとうございます。
最近でも、大阪でしたか、無戸籍だった母親と息子が死亡するという悲しい事件がありましたよね。長く地域で普通に他人とも関わりながら暮らしていたのに、まさか無戸籍だったなんて思いもしないでしょうね…
現在でも、不可抗力(親の離婚問題など)で一時的なものを除いても、相当な数の無戸籍者がいるそうです。
けれど、それでも生きていればなんとか支援に繋がる可能性はあるので、と思うしか出来ないのがもどかしいです。
無戸籍もそうなんですが、行方不明児童の存在の方が事件性が格段に上がってしまうので怖いですね。
1万人ほどいるとの事ですが、こないだも砂浜から10代の骨が出たというのもありましたし、発覚していない犯罪は山ほどあると思うとゾッとします
酷過ぎますね。
二十歳そこそこなら、まだいくらでもやり直せるよ、
なんて普通は言いますがそれは人生の土台が人並みにあっての話。
幼い頃、思春期、青春時代、小さな社会の中で協調し合い、競い合うこと。
仲間と笑い合ったり喧嘩したり、壁にぶつかり涙したり、
淡い恋心を抱いたり、不器用にも直向きな夢を見たり、
そういったことを経験せずに体だけ大人になってしまった子が不敏すぎる。
執行猶予とのことですが、被害者は胸糞悪いでしょうが無罪でもよいのでは。
言い方は悪いですが、もほや「社会の中で生きている人」ではなかったわけで、
こういうのこそ「責任能力無し」と言うべきと思います。
執行猶予と言えども前科です。
法的に名前も貰えていなかったのに、前科は付くのですね。
この親は裁かれないのでしょうか。
子供の人生を台無しにした。どんなことをしても償えない程の大罪だと思います。
いわしサバさま
コメントありがとうございます
事件よりもこちらの方が衝撃的で話題になりました。
彼のような人は実は思っている以上にいるとか。かつては離婚後早い段階で生まれてしまった子供が自動的に前夫の子とされてしまうことがあり、そのためにやむを得ず無戸籍状態になっていた人、もちりん、この男性のように親の保身、無知によって放置された人も。
子供時代を奪われ、体だけ大人になってしまったことが、犯罪に繋がったのかもしれません。
母親の性教育の異常さも無関係ではないでしょう。
ただ、悪いとこ、してはいけないことの区別はついていたと思われるので、無罪とはいきません。
同情すべき点は多い、だから執行猶予なのでしょう。罪は罪として裁かれなければなりません。
これはあの京都伏見の介護殺人の記事でも書きましたが、情状酌量が必ずしも本人のためになるとは言えない。
しかしながら、いわしサバさんが仰る、
「法的に名前も貰えていなかったのに、前科はつくのか」
これは考えさせられますね。
彼がまともな人々の中で今後生きていけることを願います。