🔓止められない、止まらない〜4つのリンチ殺人後編〜

佐賀のコンクリ殺人

平成3年3月4日、鳥栖署は殺人死体遺棄事件の容疑者として佐賀県内の建設業の男ら4人を逮捕した。

そして、男らの供述通りの場所から遺体が発見された。

遺体があったのは大野城市内の稼働中の鉄鋼製作工場敷地内。
深さ約1mの土中から発見されたが、その遺体はコンクリートで固められていた。 続きを読む 🔓止められない、止まらない〜4つのリンチ殺人後編〜

止められない、止まらない~4つのリンチ殺人前編~

ある事件の加害者は、「殺すほどのことではないと思っていた」と話した。
別の事件の加害者も、部下にあたる別の加害者が被害者に怪我をさせた以上、始末するしかないと話しているのを聞いて、当初は「なにバカなことを言っているんだ、医者に連れてけねぇのか」と、まともな判断をしていた。

しかし結果として、被害者は殺害され、その遺体は無残な状態で発見された。

どれも、きっかけは些細な事だった。ある事件では「勝手にジュースを飲んだ」、またある事件では「店の規則に反した」、別の事件では「ムカついた」などの、およそ事件になりそうにもないような、日常のありふれた出来事がきっかけだった。

なぜ彼らは、止まれなかったのか。

4つのリンチ殺人の顛末前編。 続きを読む 止められない、止まらない~4つのリンチ殺人前編~

🔓洗脳と恋慕、そして怒れる裁判員~宮崎・同居女性バラバラ殺人事件~

これで何度目だろうか。
ここのところ、娘と会う約束をしても直前でキャンセルになることが続いていた。
『大丈夫?』
メールを送ると、返事はあった。心配かけてごめん、大丈夫だよ……
けれど6月以降、顔を見ていないし声も聞いていない。

気になることはほかにもあった。9月中旬、突然「メールアドレスを変えた」という連絡が入っていた。メールアドレスを変えるというのはトラブルがあったからではないのだろうか。

女友達の家で一緒に暮らしていると言っていたあの彼氏とはうまくいっているのだろうか。あの彼氏と交際し始めてから、消費者金融で借金もしているようだし、とにかく会って顔を見ない事には心配でたまらない……

平成25年9月30日、この女性は警察に娘の捜索願を出した。

変わり果てた娘

宮崎北署は母親からの捜索願を受け、連絡が取れなくなっている女性と同居している女友達と、交際相手の行方を追った。
平成23年10月1日、宮崎市内でその女友達と交際相手を発見。
同居していたとされる女友達名義のマンションを捜索すると複数の血痕が検出された。
それを受けて女友達を追及したところ、翌2日になって、
「彼女の遺体を切断して知人の家に置いている」
という驚愕の事実が判明。
別の女友達が暮らすマンションの一室を捜索したところ、部屋の中のクローゼットの衣装ケースの中から、圧縮袋に詰め込まれた「体の一部」が発見されたのだ。

県警は死体遺棄の容疑で宮崎市在住の無職・金丸真菜実(当時23歳)と、行方不明の女性の交際相手だった元飲食店従業員で無職の東竜二(当時28歳)を逮捕、後に遺体が置かれていた部屋に住んでいた無職の阿部麻里絵(仮名/当時22歳)も逮捕した。
遺体はこの時点で身元の断定はできなかったが、3人の話から連絡が取れなくなっているあの女性で間違いないとみられた。

女性は、宮崎市の澤木友美さん(当時27歳)。
その後の司法解剖などで本人であると断定された。警察は友美さんが殺害された可能性が高いとみて捜査を続けたが、3人とも遺棄容疑は認めていたものの、殺害については否認していたという。
「気づいたら冷たくなっていた」
これが、3人の主張だった。
友美さんの死因は、切断され腐敗が激しかったものの、複数の内出血の痕跡があり、当初外傷性ショック死とみられていた。

友美さんの死に、この3人は関与しているのか。そもそも、友美さんとこの3人はどういった関係なのか。
捜査が進むにつれ、そのおぞましい「四角関係」と「共同生活」があらわとなっていった。

【有料部分目次】
体脂肪率6パーセントの男
東ルール
3号と別格の4号
監禁と暴力
操る男
畑の出来事と、カレールゥ
女たち
量刑の差
往生際が悪いのか、頭がおかしいのか
恥知らず
怒れる裁判員
行為責任の枠

🔓悪魔は、誰だ~前橋・1歳女児悪魔祓い暴行死事件~

取調室で、母親は自身が述べた供述調書を前に、固まっていた。

「間違いがなければ署名してください。」

私は間違っていない。「正しいこと」を言ってきた。この長い間、ずっと。
あの子を思い、ただひたすらに、あの子のために私たち家族のためにしてきたことだ、それが間違いのはずがない。
「正しいこと」を言わなければ、先生に背くことになる。先生が困ることは、「正しいこと」とは言えない。だから私が疑われても、家宅捜索をされても応じてきた。

でも、でも、「正しいこと」は、「本当のこと」とは違う……

「すみません、本当のことが書かれてないので、サインできません。」

取り調べに当たっていた刑事たちはこの後、母親がおよそ6年越しに語り始めた事件の真相に驚愕することになる。

悪魔は、誰だ。

【有料部分目次】
6年前の「死亡事故」
解けた母
発端の心霊写真
神の手、神の子
平成23年5月2日
家族
掲示板の告発
完全否定
悪魔にとらわれた女

🔓惨劇の朝、消えた日本刀~下関・日本刀11人殺傷事件~

惨劇の朝

昭和60年9月19日、午前5時45分。
下関市員光町のはずれのその家では、老母(当時72歳)がすでに起きて朝の家事に取り掛かろうとしていた。
老母は昭和50年に夫と死別したのちは、37歳になる息子との二人暮らしだった。
一週間ほど前から始まった屋根の葺き替え工事のため、職人たちがやってくる。9月とはいえまだまだ暑い。農作業もいろいろとしなければならないことがあった。
同居の息子も起きだしていた。畑の肥料の話をした後、老母は便所へと向かい、用を足して出てきたその時だった。

崩れ落ちる瞬間、老母はそれを見ただろうか。

血を噴きあげて絶命した老母を、男は無言で見下ろしていた。その手には、日本刀が握られていた。

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