🔓幻愛〜〜広島・小6教え子殺害事件〜

平成3年7月。
広島県豊田郡安浦町では、町内の小学校の教諭らが平成2年の春に卒業した元6年生の家々を回っていた。
その手には、卒業アルバム。しかし、教諭らの誰もが、厳しい表情を崩すことができなかった。

「現実を隠すわけにはいきませんから」

同じく厳しい表情の保護者らを前に、教諭らはそう言って卒業アルバムを手渡した。
修学旅行、音楽発表会、運動会、そして卒業式。楽しい思い出が詰まったはずの卒業アルバム。しかし、多くの元6年生とその家族は、アルバムを直視できずにいた。そのアルバムには、もう二度と会うことの出来なくなった友達と、その友達を殺した「先生」の写真があったからだ。

🔒悖るひと〜太宰府市・小学生男児殺害事件とその前後〜

まえがき

非常に大切なことであるにもかかわらず、なぜか非常に虚しい印象、響きがつきまとう言葉というものがある。

愛、平和、平等、善意、擁護、共生……

実現できれば、こういったものだけでできている社会なら世界なら、どんなに素晴らしいだろうか。

しかし人は間違える。愛を、善意をはき違えて暴力となる。平等を求めて諍いが起きる。擁護や共生を望んで、命を落とす。

そんな間違いを犯した人に必ずついて回るこの言葉について。

更生。

【有料部分 目次】
遺体

逮捕
動機
過去
精神年齢4歳〜5歳
15年後
それまで
暴力の家
少年院での出来事
疼き
出所の日の家
逃れられない
更生

🔓Hungry Spider~中国自動車道女子中学生轢死事件・小5女児沖縄連れ去り事件~

まえがき

本来、愛の象徴ともいうべき「家庭」。
嫌なことがあっても家に帰って家族の顔を見、お風呂に入ってご飯を食べて暖かい布団で眠れば、また頑張ろうと思える、そうであるはずの家庭から、逃げ出したいと思う子供がいる。

特に、それは少女に多く見られるように個人的に感じているのだが、彼女たちはなぜそこまで家から逃れたいのだろうか。
親が口うるさい、兄弟姉妹とうまくいかない、両親の不和、経済的な理由、それは差こそあれども、本人にとっては重大な問題である。

ただ現実問題として、小中学生であれば逃げる金もないわけで、空を見上げどこへ行くともしれない飛行機にその思いを託してみたり、漫画やドラマの世界に没頭してその気持ちをやり過ごす、多くはそうして大人になっていく。

しかしもしもその時、目の前に逃げる手段を持ち合わせる「大人」の存在があったらどうだろうか。
その大人は、金を、自分の希望を満たしてくれる。そして、その大人は自分たちのような「少女」と呼ばれる存在に対して価値を見出しているとしたら。

ふたりの少女の、それぞれの逃避行の結末。彼女らが恐れた、あるいは彼女らの手を取った大人たちについて。

【有料部分 目次】
中国自動車道で死んだ少女
事件発生
犯人逮捕
男の評判
援助交際
見過ごされた赤信号
実行された妄想
逃げたかった少女と、捕えたかった男「たち」
沖縄へ逃げた少女
千葉の誘拐事件
距離感のおかしい少女
溺れ行く男
欲しがる人々
宴のはての懲役2年6月
めぐ
Hungry Spider

🔓死刑と無期のはざまで~石垣市・小学生殺害事件/鹿沼市・幼児女子高生殺害事件~

まえがき

死刑、その是非は日本国内のみならず、世界中で議論され続けていること。
死刑そのものがない国もあれば、日本同様、死刑を行う国もある。
死刑を執行するたびに、日本は世界中の死刑反対団体などから抗議を受け、国内でも人権団体や法律家による講義が行われるが、正直、それが何か影響しているかというような印象はない。

確かに国家による殺人と言われる死刑について、本当にそこまでしなければならないのかは、死刑囚と近い人間(個人的な繫がりのみならず、刑務官や弁護士など職務上つながりのある人を含む)であればあるほど、複雑な思いも抱くだろう。遺族の中にも、死刑に否定的な方すらいる。

しかし一方で、被害者遺族のみならず、家族からも「殺してくれ」と言われてしまうような、正直救いがたい罪を犯してしまった人もいる。
さらに、一度死刑判決を受けたものの、控訴審、上告審において無期懲役となって死刑を免れる人もいる。もちろん、その逆も。

昭和の終わりに起きた、二つの許し難い犯罪について、その後の裁判の結末を含め残しておく。

彼らは死刑を免れた。

【有料部分 目次】
鹿沼市の事件
 まさかの犯人
 もう一つの事件
 それまで
 出来のいい隣の子
 踏みつけられた部品
 第2の事件まで
 凶行
 裁判
石垣市の事件
 その日
 男の異常な性癖
 鬼畜の所業
 死亡ひとりでの死刑判決
それぞれの控訴審
 「死刑にしてくれ」といった母
 破棄自判
 解釈
死刑基準

🔓卑怯者~鈴鹿市他・少女連続殺傷事件~

平成6年9月1日 

三重県上野署に、この日一人の男性が出頭してきた。
男性は、テレビのニュースでとある事件を見聞きし、2年前の出来事を思い出したのだ。

「犬の死体を池に沈めるのを手伝ったことがある……」

そのニュースとは、8月11日に拓殖町の竹谷池において、浮いていた黒いごみ袋の中から、手足のない女性の遺体が発見された、というものだった。
男性がこのことを警察に話そうと思ったのは、その発見された黒いごみ袋が、金網で巻かれていたという特殊な状態だったことが、自身が手伝って遺棄したものと全く同じ状態だったからだった。
【有料部分 目次】
竹谷池の遺体
被害者
犯人逮捕
連続暴行魔
出生の秘密と「におい」
協力者
妻の苦悩
死刑求刑と無期判決
どうしようもない衝動と人間性のかけら
叫び