差別と自死で煙に巻かれた本筋~奈良・月ヶ瀬女子中学生殺害事件~

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平成9年5月4日。
月ヶ瀬村の嵩集落にある自宅へと続く鬱蒼とした道路を、少女はひとり歩いていた。ついさきほど別れた友人の姿は、もう見えなくなっている。
自宅まではここから坂道を登っておよそ500m。鬱蒼とした村道ではあるが、幼いころから知っている慣れた道である。
顔見知りの商店のおばさんの車とすれ違う。この道を通るのはほとんど顔見知りの村の人ばかりだ。

背後から来た車が不意に停車し、運転手が声をかけてきた。
「乗っていくかい?」
充代さんは、顔を上げた…

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🔓差別と自死で煙に巻かれた本筋~奈良・月ヶ瀬女子中学生殺害事件②~

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高野嘉雄弁護士の存在

それに着目したのが、奈良弁護士会の高野嘉雄弁護士である。
殺人事件、少年犯罪などの刑事事件で弁護を重ね、裁判では情状面を非常に重視する弁護士としても知られる。
「弁護人は(被告にとって)最後の情状証人」であるとし、たとえどんな犯罪を犯した人間であっても、自身の感性を研ぎ澄ませ、全力でぶつかり弁護していくという、弁護士からも尊敬される大変優秀な弁護士である。
甲山事件、奈良の小一女児殺害事件などの有名な刑事事件を手掛けたほか、無銭飲食、窃盗などの比較的軽微な事件でもその精神は同じであった。

誠人の弁護には3人であたっており、弁護と言うよりも誠人の心をどうすれば開かせることが出来るのか、誠人の本当に言いたいこと、苦しかったことをきちんと世間に伝えたい、その上で、誠人に立ち直ってほしい、そういう思いをもってこの事件に臨まれたと推測する。

【有料記事 目次】
・与力・区入り制度
・浦久保家との関係
・家族をして「根源」と言わしめた母親
・放火疑惑と花瓶事件
・叱られることを知らずに育った男
・誠人が囚われた呪縛
・被害者遺族への中傷と「人の道」
・その後

ここからは有料記事です

私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害遺棄事件~

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平成15年10月8日午前。

母親は、前夜から夫が帰っていないと中学生の娘にうろたえた表情で伝えていた。
でも、帰ってくるかもしれないからと、いつも通りお弁当も作った母親を、娘はどんな目で見ていたのだろうか。
「お母さん。お義父さんはもう帰ってこないんじゃないの
心の中では、娘とて両親の不仲には気づいていたのではないだろうか。

9日、警察から「夫の車が塩浜公園で燃えている」と伝えられた。
夫の父親とともに警察で事情をきかれ、「昨日から夫が帰宅していない」と心配そうに捜索願を出した。

ぼんやり考えていた。
明々後日は、息子の3歳の誕生日。こんなことになってしまって、息子がかわいそう。
でも、息子は「いちごのお姉さん」のほうが好きなのかしら。
どうしてこうなってしまったんだろう。あんなに私を求めてくれたあのひとは、遠くに行ってしまった

1012日、「夫を殺して池に棄てました」。

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私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害死体遺棄事件②~

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結婚生活と些細なほころび

結婚式などにもこだわらず、一緒に生きることのみを求めた息子と14歳年上の子連れの光子に、父親はそれでもこうなった以上はと歩み寄りを見せた。
光子の両親に挨拶に行こうと息子に相談したが、「彼女がそういうことはいらないと言っている」と、消極的な態度であったのは少し気になった。
また、反対していたとはいえ、今まで1度も光子に会ったことがなかった。入籍から二十日ほど過ぎて、両親は光子とその娘に会うことになった。
電話口での話し方などから、勝気な印象をそれまで持っていた両親だったが、目の前の光子はむしろ穏やかで気立ての良さを感じさせた。
それに加え、とても30代半ばとは思えないほど若く見えて、少しずつ両親の拒否感は薄らいでいた。
なにより、かわいらしい盛りの一人娘は、いくら血が繋がっていないとはいえ、まだ孫がいなかった両親にとっては愛おしく思えた。
心配していた母親も、光子たちのために手料理をふるまい、それまでのぎこちなかった距離を近づけようとしていた。

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私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害死体遺棄事件③~

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光子と私

私は光子と似ている。30代半ばで離婚し、子供を連れてバツイチになった。その後、職場に出入りしていた9歳年下の現夫と再婚しているが、光子と同じように当初は周囲の反対があった。
とはいっても、私の場合は反対していたのは私の愚かさを知っていた私の両親であり、夫に対して「こんな娘ではあなたが苦労する」といって反対していたのだ。
また、夫の両親、兄、親類はなぜか私を好いてくれた。一度は極道の世界にまで足を踏み入れた息子には、年の離れた姉さん女房がちょうど良いと思ったのかもしれない。

結婚して7年になるが、幸い、夫は高校生になる私の息子の良き理解者として、今もしっかりと家族の大黒柱でいてくれているし、夫としても私にちゃんと向き合ってくれていると思っている。

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