🔓22歳元自衛官が見誤った故郷の誇り~宮崎家族3人殺害事件②~

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【有料部分目次】
貴子さんとくみ子さんの過ち
「あんたの両親はなんもしてくれん」
ひとり歩きし始めた被害者遺族像
語られない真実
奥本の過ち

自己憐憫の夫がつけた、やり過ぎた妻へのおとしまえ~日立母子6人殺害事件①~

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2017年10月6日

月明かりに照らされた家族の寝顔を、男はしばらく眺めていた。
リビングのテレビが、午前4時39分を告げたころ、男は答えを出した。
左利きの男は左手に包丁を持ち、妻と子供が眠る寝室へと向かう。

午前5時ごろ、茨城県日立市田尻の県営上田沢アパート7棟から出火。
通報で駆け付けた消防によれば、そのアパートに暮らす小松恵さん(33)とその子供ら5人の合わせて6人が倒れているのを発見、長女以外はその場ですでに死亡、長女も病院に搬送されたが病院で死亡が確認された。

騒動になった頃と時を同じくして、日立署に一人の男が現れた。
脚にやけどを負い、錯乱に近い状態のその男は、応対した署員にこう告げた。

「ごめんなさい、妻と子供を刺して火をつけました」

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自己憐憫の夫がつけた、やり過ぎた妻へのおとしまえ~日立母子6人殺害事件②~

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恵さんへの違和感

幼い子どもたちとともに突然殺害された恵さんについて、報道によれば「しっかり者のお母さん」「病院で薬剤師として働く立派な人」「働かない夫から暴力を受けていた」というようなものばかりである。
被害者という立場を差っ引いても、夫である小松被告のクズっぷりが凄いため恵さんについては同情の声しかない。
しかし、どうも私は恵さんという女性について、そういった世間の声と本人像が合致せずにモヤモヤしたものがあった。

被害者を貶める意味ではなく、客観的に冷静に恵さんという女性を見た場合、事件が起きてしまった要因もまた見えてくる。もちろん、だからといって殺されて良いはずは全くない。

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私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害遺棄事件~

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平成15年10月8日午前。

母親は、前夜から夫が帰っていないと中学生の娘にうろたえた表情で伝えていた。
でも、帰ってくるかもしれないからと、いつも通りお弁当も作った母親を、娘はどんな目で見ていたのだろうか。
「お母さん。お義父さんはもう帰ってこないんじゃないの
心の中では、娘とて両親の不仲には気づいていたのではないだろうか。

9日、警察から「夫の車が塩浜公園で燃えている」と伝えられた。
夫の父親とともに警察で事情をきかれ、「昨日から夫が帰宅していない」と心配そうに捜索願を出した。

ぼんやり考えていた。
明々後日は、息子の3歳の誕生日。こんなことになってしまって、息子がかわいそう。
でも、息子は「いちごのお姉さん」のほうが好きなのかしら。
どうしてこうなってしまったんだろう。あんなに私を求めてくれたあのひとは、遠くに行ってしまった

1012日、「夫を殺して池に棄てました」。

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私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害死体遺棄事件②~

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結婚生活と些細なほころび

結婚式などにもこだわらず、一緒に生きることのみを求めた息子と14歳年上の子連れの光子に、父親はそれでもこうなった以上はと歩み寄りを見せた。
光子の両親に挨拶に行こうと息子に相談したが、「彼女がそういうことはいらないと言っている」と、消極的な態度であったのは少し気になった。
また、反対していたとはいえ、今まで1度も光子に会ったことがなかった。入籍から二十日ほど過ぎて、両親は光子とその娘に会うことになった。
電話口での話し方などから、勝気な印象をそれまで持っていた両親だったが、目の前の光子はむしろ穏やかで気立ての良さを感じさせた。
それに加え、とても30代半ばとは思えないほど若く見えて、少しずつ両親の拒否感は薄らいでいた。
なにより、かわいらしい盛りの一人娘は、いくら血が繋がっていないとはいえ、まだ孫がいなかった両親にとっては愛おしく思えた。
心配していた母親も、光子たちのために手料理をふるまい、それまでのぎこちなかった距離を近づけようとしていた。

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