何もかもを間違えた一家にとどめを刺した8000万円~豊田市・家族3人殺害放火事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 




平成27年5月26日未明

愛知県豊田市太田町の民家に、男が駆け込んできた。
家主を起こした男は、「家が燃えている、自分は用事があるから119番通報を頼む」とだけ告げて、どこかへと去っていった。
慌てた家主が外に出ると、先ほど訪ねてきた男の家が確かに燃えていた。

その頃、男は岡崎市岩津町へと車を走らせていた。
岩津天満宮の駐車場に車を停めると、そこから300メートルほど離れた場所にある「はんこ屋」を訪ねていた。

「お前のせいで家族がめちゃくちゃだ、妻が病気になったのはお前のせいだ!殺してやる」

喚き散らして逆上する男に、はんこ屋の主人とその妻はただただなだめるのに必死であった。
男は通報で駆け付けた豊田署の警察官に逮捕された。

男の名は松井芳治(当時65歳)。芳治は、はんこ屋に怒鳴り込む前、妻とその母、そして長女の3人を殺害し、自宅に火を放っていた。

続きを読む 何もかもを間違えた一家にとどめを刺した8000万円~豊田市・家族3人殺害放火事件~

🔓双葉ハイムで死んだ女①~宇都宮拳銃たてこもり心中事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

 平成一六年五月二〇日早朝。

電話口で、女は必死で訴えていた。
愛する人が死にそうなこと、先に撃ったのはこの人ではないこと、追い詰めたのは周りだということ。
そのマンション下の国道一一九号には、ずらりと黒塗りの高級車が列をなし、あきらかに堅気ではない人物の姿もあちこちに見えた。その中に、中年の夫婦の姿も見て取れる。
警察車両もマンションを取り囲んでいる。周囲の道路は封鎖され、すぐ向かいにある中学校は臨時休校、周辺のガソリンスタンドや商店も、閉店を余儀なくされていた。

マンション近くの陸橋のそばで構えていた報道のカメラに、突然、女性の絶叫が聞こえた。名前を叫んだように聞こえた。

そして、間髪入れずに銃声。

宇都宮市一条の双葉ハイム二〇六号室で、その日男と女が死んだ。

その四年前、同じマンションの最上階の部屋でも、一人の女が死んでいた。

平成一六年の事件

平成一六年五月一八日午前九時四五分。
神奈川県内で銃刀法違反の容疑がかかっていた住吉会系暴力団員・畠山武人(当時四一歳)が、栃木県宇都宮市内の知人女性宅に立てこもった。
栃木県警と綿密な連携をとっていなかった神奈川県警は、畠山の過去なども把握しておらず、栃木県警に対する報告も事件が起こる三〇分前になって初めて行い、安易に知人女性宅へ突入しようとし銃撃戦に。
その際、畠山は被弾し重傷を負う。栃木県警が必死の説得を試みるも、投降の意思はなかった。警察は畠山がダイナマイトのようなものを見せていたことを懸念し、突入の決断が出来ずにいた。

翌五月一九日。
当初人質と思われていた知人女性が、電話で「一緒にいたい」と言ったことなどから、女性は人質ではなくいわば「協力者」的な立場であると判断。
数々の説得を試みるもことごとく失敗。この時点で、畠山の容体は重篤な状態になっていたと思われる。
そして、五月二〇日午前五時。
閃光弾が室内に投げ入れられた直後、捜査員がドアを破壊して中になだれ込んだ。
その間、銃声が三発、轟いた。

畠山武人と、その愛人の女性は頭部を撃ち抜いており死亡。当初30代とみられていた女性は、まだ二二歳という若さだった。
武器庫と推察されていたその部屋には、自身を撃ち抜いた拳銃以外はモデルガンしかなく、警察がダイナマイトだと思っていたそれは「トイレットペーパーの芯」であった。

【有料部分 目次】
加藤敬子さんのそれまで
畠山武人の人生
ふたりの最期

ここからは有料記事です