嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件②~

13通の偽造手形

由香さんに対して、絶対に銀行に回ることはないから安心しろなどと言っていた冨田は、その手形を受け取ったその日のうちに、手形割引業者に裏書譲渡した。
由香さんが勤務していた会社は特に経営に問題がなかったため、割引業者らも冨田からの依頼であっても拒否する理由がなかった。
もちろん、ここで偽造されたものではないのか、という疑いを持たれれば拒否される可能性はあったが、この時点ではその疑いを持つ余地はなく、また、冨田の「嘘」を全員が見抜けなかった。
この時冨田が得た現金は、4625741円だった。 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件②~

嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件③~

振り払った救いの手

経営者の妻らに知られたことで、本来ならば由香さんの苦悩はここで終わるはずだった。
理解ある経営者の妻と息子は、由香さんが騙されてやったことであり、現時点では会社に損害も出ていないことから、由香さんを今後監督していくことで不問に付した。
それはもちろん、由香さんが洗いざらい話してくれたと思ってのことであり、心労をかける必要はないとして由香さんの両親にも何も言わないことにしたのだ。

しかし、由香さんはすべてを話してはいなかった。 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件③~

嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件④~

猿芝居

由香さんは、ある時冨田からこんな話を聞かされていた。
「弁護士を紹介してくれたのは、大阪の暴力団の組長なんだ。A(冨田と由香さんが出会った会社)にいたときに研修で大阪に行ったんだけど、飲み屋で隣り合わせてね。
すごく気に入られて、その時に何かあったら連絡すればいい、と弁護士を紹介してもらったんだ」 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件④~

嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件⑤~

心中を慫慂したか否か

検察は、冨田が事あるごとに「お前だけを死なせない」「俺も死ぬしかないと思っている」などと由香さんに申し向けたのは、最悪の場合は一緒に死ぬということを由香さんに思い込ませ、由香さんから心中を持ちかけるようにするためで、最初から冨田自身にその気はなかったと主張。
心中を言い出してくれればこっちのものであり、最初から由香さんを死なせる意図があった、とした。
由香さんが殺害を依頼したとしてもそれは自分だけが死ぬことになるとは思っても見ないことで、殺害依頼、すなわち嘱託殺人は成立しないとした。 続きを読む 嘘八百男に振り出し続けた愛の約束手形~臼杵市・交際女性殺害事件⑤~

箍のはずれたふたりが夫を殺すまで~八王子・男性教師殺害死体遺棄事件~

平成4年11月17日



神奈川県藤野町にある峠に向かう道を、男性は自転車で登っていた。

この峠道はいたるところに休憩所やベンチなどが置かれ、自転車でのぼる人のほかに、ハイキングで訪れる人もいる自然豊かな場所だ。
男性が「それ」を見つけたのは、ふと足を止めた落ち葉の中だった。ゴミかと思った「それ」は、骨のようにも見えた。
「まさか・・・」
そう思ったが、どうも気になった男性は110番通報。後にそれは、人骨であることが判明した。

警察が周辺を捜索したところ、男性が骨の一部を見つけた場所に接する斜面からほぼ全身の人骨がバラバラの状態で発見された。
しかも、胸の骨には刺し傷のような痕、そして額部分にも殴られたような傷痕があったことから、この人は殺害されてこの場所に遺棄されたとみられた。 続きを読む 箍のはずれたふたりが夫を殺すまで~八王子・男性教師殺害死体遺棄事件~