22週~昭和の少女と、いつくしみ深きまなざし

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子を宿すということは、場合によって悲しい事件に直結する。
経済的な問題、交際相手との離別、その理由はさまざまだろうが、子供を産むことを断念せざるを得ないこともある。
日本では妊娠を継続することで母体に経済的、身体的に著しいダメージを与える場合や、レイプなど女性の意思に反する形で妊娠したケースにおいて22週未満であれば中絶が認められている。

ところが、この週数を過ぎてしまうといかなる理由においても「人工中絶」は認められない。
胎児が母体を離れて生きていける週数が関係しているわけで、それ以降は母体に危険が及んだための緊急手術であっても、子どもの救命を考慮した方法を優先させる必要がある。

今の日本では、中絶手術自体を知らない、あるいは知ってはいるが週数が決められているということを知らない、という人は特に成人女性においては少ないのではないかと思われるが、未成年者となるとその辺りの知識はかなり危うい人もたくさんいるだろう。

さらに、どれだけ知識があっても中絶自体、ハードルが高い。
おそらく初めてであろう産婦人科へ行き、現実を突きつけられ、中絶するにしてもタダではない。未成年者がおいそれと用意できる額でもない。
そうなった時、腹をくくって親兄弟に相談できる子たちは、救われる。
しかし誰にも言えずに時間だけが過ぎてしまったら。

最悪の決断をしてしまった昭和の10代の少女たちと、彼女らに慈しみ深い眼差しを向けた裁判官の話。 続きを読む 22週~昭和の少女と、いつくしみ深きまなざし

🔓罪万死に値する~横浜・一家3人殺害事件~

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県道にて

平成14年8月4日、午後1時半。
富山県富山市東田地方(ひがしでんじがた)の県道で、一台の不審な乗用車が目撃された。
赤色のその乗用車は、県道を蛇行するような運転をしており、警察にも危険走行をしている車がいるとして通報が入っていた。

近くをパトロール中だった覆面パトカーは、ある情報を持っていたことからその赤い乗用車を捜索、後にその車を発見、停止させた。
その乗用車は、神奈川県内である事件に関係した人間が乗っているとして、神奈川県警から全国手配されていたのだ。
警察官が車を停止させ、運転手を確認。事情を聞いたところ、神奈川県警から手配されていた人物だと認めたため、そのまま富山署に任意同行となった。

この時、車内には女性の姿もあった。実はこの女性の行方も警察は追っていた。

この女性の両親とひとり息子は、8月日夜に自宅マンションでメッタ刺しにされ殺害されているのが見つかっていたのだ。

都筑区の惨劇

警察に知らせたのは、そのマンション3階に暮らす老夫婦の長男だった。
千葉県内に住んでいた長男は、数日前からこの横浜市都筑区のマンションに住む両親と連絡が取れず、心配して訪ねてきていた。
外から見ると、洗濯物が干しっぱなしのような状態だったことで心配は嫌な予感に変わった。
警察に連絡したうえで、都築署員と共に合鍵で部屋に入ると、そこはまさに血の海だった。

父親はリビング、母親は廊下、そして中学生になる甥っ子が寝室でそれぞれ息絶えていた。
全員寝間着姿で、状況から死後数日とみられた。

【有料部分目次】
行方不明の男女
嫉妬深い男
裁判
夫婦のそれまで
離婚話
拉致監禁
弁護士
私立探偵とほどかれた髪
はずしていなかった、「思い込み」
話し合いたかっただけ
妻の言い分、夫の言い分
被害者、遺族であっても……

FUNNY MONEY~あるふたつの家族の結末~

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家庭の悩み事のほとんどは現預金が解決してくれる、とは真理で、多くの問題は解決されると私は思っている。
すべてではないにしろ、とにかく一家心中みたいなことは避けられるんじゃないかと思うのだ。
現預金さえあれば生まれなかった悲劇は山のようにあって、格差社会や貧困問題が事件につながることは少なくない。

が、同じ金がない、でも、登場人物に問題があって、さらにはそれを解決する手段を講じない、現実を見ないという場合もある。

ある二つの家族がたどった破滅への軌跡。 続きを読む FUNNY MONEY~あるふたつの家族の結末~

死なばもろとも~静岡・歯科医長男殺害死体遺棄事件~

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「なんで今頃になって……」
千葉県内で暮らしていた女が、殺人と死体遺棄を告白した。しかしそれは、4年も前の出来事で、女の自供がなければ全く事件として浮かんでいなかった話だった。

被害者は女の実の息子。当時高校生だった長男を、女は当時の夫と共謀して殺害し、埋めたと話した。
長男と夫に血縁はなく、日ごろから折り合いも悪かったという。

警察の調べに対し、今になって自首してきたいきさつを、女は「良心の呵責に耐えきれなかった」と話しうなだれた。

捜査員らも、母親の気持ちを捨てることは出来なかったのかと、複雑な思いで女を見ていた。 続きを読む 死なばもろとも~静岡・歯科医長男殺害死体遺棄事件~

🔓禁じられた遊び~いくつかの子どもの事件その顛末~

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子どもが亡くなるニュースは辛い。
それがたとえ、事件でなく事故や子供に過失がある場合でも。
令和4年9月18日、北海道森町のイベントで起きたカートの暴走事故でも、2歳の男児が死亡、カートを運転していたのもまた11歳の女児という、やりきれない事故が起きた。
亡くなった男児はもちろんのこと、事故を起こしてしまった11歳の女児も故意にしたことではなく、本人の11歳という年齢を考えても、事態の重大さがおそらくわかるであろうから余計に辛い。
このケースでは主催した会社の安全配備などに瑕疵がなかったか捜査されている段階だが、亡くなった男児とそのご家族のためにも責任の所在はうやむやにすべきではない。

ただ、中にはこの事故のように衆人環視の中で起きたのではなく、目撃者がいない、なぜそうなったのか憶測、もしくは「子どもの話」だけで推測せざるを得ないケースの場合はどうだろうか。

本当に真相が明らかになっていると言えるのだろうか。

高知・南国市の事故とされているあのケース、ここでも過去に取り上げた、神戸のため池のケース、ほかにも、事件性なしとされているもののすべては、本当に事件性はないのだろうか。
過去に起きた様々な子供の死亡事案をいくつかお送りする。どれも解決済み、事件性はない。

秘密がそこにないならば。

【有料部分目次】
栃木県小山市のケース
 公園から消えた保育園児
 栃木なまりの中年男
 ずれていた、マンホールのふた
京都府亀岡市のケース
 焼却炉の中に、いる
 生きて焼かれた子ども
 事故か、事件か
 誰も見ていない
沖縄県名護市のケース
 消えた3人の子ども
 まさかの自宅から50メートル
 一緒にいた子どもら
 禁じられた遊び