🔓嗤う霊能者~酒田市・男性傷害致死死体損壊遺棄事件~

平成13年9月20日午前4時

秋田県由利郡象潟町の原野で女がひとり佇んでいた。
しばらくすると、女は自分が乗ってきた自動車に火を放ち、立ち去った。

「一緒に死のうと思ったが、死にきれなかった」

後に女はこの時の心境をこう供述している。
女が火を放った自動車には、女が長年連れ添った夫の遺体が載せられていた。

【有料部分 目次】
事件
横山家
狂気
長男の妻と、山形の女霊能者
やるせない結末
思い出の原野

もうひとつの「MOTHER マザー」~桐生市・高齢女性殺害事件~

川口の事件

平成27年年94日、東京高等裁判所の秋葉康弘裁判長は、強盗殺人などの罪に問われた事件当時17歳の少年に対し、控訴棄却、懲役15年の一審判決を支持する判決を言い渡した。
少年は、平成26年に川口市で起きた高齢夫婦強盗殺人の実行犯であり、その高齢夫婦の孫だった。
裁判では、被害者夫婦の娘であり、少年の母親でもある女も強盗と窃盗の罪で起訴されていたが、そもそもこの母親による「殺してでも借りてこい」という指示があったことが明らかとなり(母親は現在も否定)、また、少年の信じられない不遇な生い立ちにも注目が集まった。

母親の判決は懲役46月、その後この事件は令和2年に長澤まさみ主演で映画化された。

その、ずっと前。
平成16年にも、同じく母と息子が共謀して祖母を殺害、その金を奪うという事件があった。

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🔓死刑と無期のはざまで~石垣市・小学生殺害事件/鹿沼市・幼児女子高生殺害事件~

まえがき

死刑、その是非は日本国内のみならず、世界中で議論され続けていること。
死刑そのものがない国もあれば、日本同様、死刑を行う国もある。
死刑を執行するたびに、日本は世界中の死刑反対団体などから抗議を受け、国内でも人権団体や法律家による講義が行われるが、正直、それが何か影響しているかというような印象はない。

確かに国家による殺人と言われる死刑について、本当にそこまでしなければならないのかは、死刑囚と近い人間(個人的な繫がりのみならず、刑務官や弁護士など職務上つながりのある人を含む)であればあるほど、複雑な思いも抱くだろう。遺族の中にも、死刑に否定的な方すらいる。

しかし一方で、被害者遺族のみならず、家族からも「殺してくれ」と言われてしまうような、正直救いがたい罪を犯してしまった人もいる。
さらに、一度死刑判決を受けたものの、控訴審、上告審において無期懲役となって死刑を免れる人もいる。もちろん、その逆も。

昭和の終わりに起きた、二つの許し難い犯罪について、その後の裁判の結末を含め残しておく。

彼らは死刑を免れた。

【有料部分 目次】
鹿沼市の事件
 まさかの犯人
 もう一つの事件
 それまで
 出来のいい隣の子
 踏みつけられた部品
 第2の事件まで
 凶行
 裁判
石垣市の事件
 その日
 男の異常な性癖
 鬼畜の所業
 死亡ひとりでの死刑判決
それぞれの控訴審
 「死刑にしてくれ」といった母
 破棄自判
 解釈
死刑基準

破滅のロト6~舞鶴市・母親殺害幼児遺棄事件~

兄妹

平成17年3月29日午前9時50分、京都府福知山市。
その日、男性は仕事でダンプカーを運転し、曲がりくねった府道530号線を走行していた。
春の山里の景色が広がるその道は、普段あまり車の往来も地元民や工事関係者のみでさほど多くない。春先とはいえ、朝晩は気温が5度以下になるほど冷え込み、運転席の窓をすかすと気持ちの良い冷たい風が吹き込んできた。

ふと、道路沿いを流れる上三岳川が目に入った。
道路との高低差は5mほどあり、普段ならば気にも留めない小さな川だが、運転手は思わずダンプを停めた。

上三岳川の川岸に、なにか、いた。 続きを読む 破滅のロト6~舞鶴市・母親殺害幼児遺棄事件~

🔓卑怯者~鈴鹿市他・少女連続殺傷事件~

平成6年9月1日 

三重県上野署に、この日一人の男性が出頭してきた。
男性は、テレビのニュースでとある事件を見聞きし、2年前の出来事を思い出したのだ。

「犬の死体を池に沈めるのを手伝ったことがある……」

そのニュースとは、8月11日に拓殖町の竹谷池において、浮いていた黒いごみ袋の中から、手足のない女性の遺体が発見された、というものだった。
男性がこのことを警察に話そうと思ったのは、その発見された黒いごみ袋が、金網で巻かれていたという特殊な状態だったことが、自身が手伝って遺棄したものと全く同じ状態だったからだった。
【有料部分 目次】
竹谷池の遺体
被害者
犯人逮捕
連続暴行魔
出生の秘密と「におい」
協力者
妻の苦悩
死刑求刑と無期判決
どうしようもない衝動と人間性のかけら
叫び