「うじ虫」と呼ばれた妻が遂げられなかった本懐~伊丹市・夫殺害未遂事件~

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平成13年8月15日

「うじ虫。出ていけばええやん。」

夫の暴言は今に始まったことではなかった。これまでに何度、どれほどの暴言を吐かれてきたか。
いつものように、言い返すこともできた。いつものように、とりあえず外へ逃げて気分を落ち着かせることもできた。

けれどこの日、妻は逃げなかった。
妻は台所で文化包丁を手に取ると、茶の間で寝そべってテレビを見ながら馬鹿笑いを続ける夫の背後に、静かに正座した。

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やつあたり~高野山写真店主殺害事件①~

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平成19年8月15日

「判決は短すぎる印象。お墓には、残念な結果になった、と報告します……

老齢の男性は、新聞社の取材に対して呟くと、肩を落とした。
普通の裁判と違うことはわかっている。成人と少年では、与えられる罰が軽減されることもわかっている。
最初から、わかっていた。

それでもあまりに軽い。加害者が少年ならば、どんな苦しみ、無念の中で命を奪われようとも、その罪は軽くするのが正しいのか。

男性はいつまでも考えていた。

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やつあたり~高野山写真店主殺害事件②~

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見えない「理由」

裁判は平成19129日から和歌山地裁で始まった。
事件から9か月が過ぎ、季節は冬になっていた。
裁判では殺意の有無が争点となり、「死んでも構わないと思って爆発的に暴行を加えた」とする検察と、「死んでもいいという意識すら持ち合わせていないほど、行動を抑制できない状態だった」と主張する弁護側が真っ向対立した。 続きを読む やつあたり~高野山写真店主殺害事件②~

やつあたり~高野山写真店主殺害事件③~

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母との確執

少年は裁判でも「母親との関係」について言及することがあった。
それ以前にも、仲のよかった女友達に対し、「家のことが分からない」などと話すこともあった。

先にも述べたとおり、少年は小学校低学年の頃に両親が離婚、以来、母親と祖母(母方)に育てられた。
その間、一時期ではあるが、母親は男性と交際し家を空けがちだったこともわかっている。
しかしどうも、その時のことが原因ではないようなのだ。
原因は、その男性と別れた後の出来事にあった。 続きを読む やつあたり~高野山写真店主殺害事件③~

娘を守りたかった父に遺族が叫んだ「そこまでするか」~久慈市・男性傷害致死事件~

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平成13年5月17日

その夜、父親は自宅の娘の部屋から男の声が聞こえることに驚いた。
「なんで男がいるんだ?」
不審に思った父親は、そっと娘の部屋を覗くと、そこには娘とその女友達、そして見知らぬ男がいて一人酒を飲んでいた。
男はすでに酩酊状態に見え、父親が何をしている、どこの誰なんだ、と問い詰めても、一向に意に介さない風でへらへらと酒を飲んでいた。
娘にも状況を訊ねるも、なぜか娘とその女友達もその男がどこの誰でどういう関係なのか、なぜここにいるのか要領を得ない。
「今すぐ出て行け。」
父親が怒鳴ると、男は捨て台詞を吐いて部屋を出た。 続きを読む 娘を守りたかった父に遺族が叫んだ「そこまでするか」~久慈市・男性傷害致死事件~