彼女たちの理由~殺すしかなかった女たちの事件~

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女が起こした事件というと、どんなものを想像するだろうか。
最近ではメガバンクの女性行員が貸金庫内での窃盗を行っていたという事件があったり、全国各地の農協、信金などでも女性職員による多額の横領事件などは後を絶たない。
統計でみても、女性による検挙者の中で万引き、窃盗が6割を占める。次いで傷害・暴行、そして詐欺横領などとなっているが、それ以上のいわゆる人の命を奪うような重大なケースも全体の1割ほどになる(令和4年度の場合、女性検挙者37,021人)。
殺人事件における被害者との関係を見ると、男性が知人や職場関係などが多いのに対し、女性は家族や親族、恋愛関係など狭くて深い関係性のものが多い。
またその動機では、男性が些細な口論やトラブルから殺人に発展するケース、犯罪を隠蔽するため、逃走するため(逮捕回避)に殺人を行うケースが多いのに対し、女性はやはり男女問題が絡むケースが多いという。女性特有の動機としては「育児に関係するもの」もある。

女が人を殺す時。その理由。 続きを読む 彼女たちの理由~殺すしかなかった女たちの事件~

彼女の憂鬱~高知・女子中学生殺害事件~

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高知城の北、山のふもとを切り拓いた住宅街にその家はあった。
期末試験を控えたその夜、高校1年の姉と中学1年の妹は、それぞれの試験に向けた勉強を深夜まで続けていた。

深夜2時、仮眠を取っていた妹は姉に起こされ、交代するように今度は姉が仮眠をとった。
午前6時、妹は英語の文法について聞くために父親に声をかけた。しかし寝ぼけまなこの父親から「後にしてほしい」と言われたために、自室へと戻った。

その1時間後、寝ていた姉は妹の叫び声で目を覚ました。
「何をするの!」
寝室の隣のコタツで勉強していた妹のもとへ姉が走ると、そこでは黒い服を着た男が妹を刃物で刺している場面に遭遇した。
とっさに姉は男の右腕を掴んだが、それを振り切って男は逃げ出した。

「お父さん!」
姉の叫び声で目を覚ました父親が二階へ駆けあがったところ、コタツの付近で血まみれの妹を姉が抱きかかえていたという。父親に妹を託すと、姉は一目散に隣の家に助けを求めに走った。
その姿は、抱きかかえた妹の血に染まっていた。

妹は救急搬送されたが、搬送先の病院で死亡が確認された。 続きを読む 彼女の憂鬱~高知・女子中学生殺害事件~

片隅の記録~三面記事を追ってpart5~

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名古屋市名東区のDV無理心中事件

平成21年5月22日早朝。110番通報によって駆けつけた名東署員は、その家の寝室で女性が血まみれで倒れ、かつ、クローゼットの中では男性が首を吊っているのを見つけた。

室内には血の付いた包丁。通報は、この家の18歳になる長女からで、「お父さんが警察を呼べと言っている」というものだった。
状況から、クローゼットで死亡していた男性が女性を刃物で刺した後に首吊り自殺を図ったとされた。

死亡していたのは、この家に暮らす飲食店経営・大久保洋平さん(仮名/当時42歳)と、その妻で主婦の香織さん(当時38歳)。
解剖の結果、香織さんの死因は失血死だった。

子供3人とともに暮らすこの夫婦、この家族に何が起きていたのか。

実は香織さんは、夫の洋平さんからDVを受けていたのだ。 続きを読む 片隅の記録~三面記事を追ってpart5~

愛についてPart2~岡山女児監禁事件・宮城被害者は女王様事件〜

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その欲求を満たすために他人を傷つけることになったとしても、自分を抑えることができない人たちがいる

思い描いた淫辱を愛だと信じた男、何から何までを決定し従わせることこそが、自分への愛と信じて貪った女が招いた事件。

“だいたい 痛いから いつも
最初から”

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🔓理由なき最期と、「再会の日々」〜宮城・女性殺害事件〜

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平成18年1月31日。
宮城県名取市の県立がんセンターにおいて、一人の父親がこの世を去った。
まだ50歳。愛する妻や娘たちの今後を本当ならば見守ってあげられる年齢だった。

そして彼には、平成13年からこれまで、犯罪被害者遺族の権利拡大を求めての活動という、大変な仕事があった。

曵地正美さん。彼の当時二十歳の愛娘は、同じ歳くらいの若者複数名に激しい暴力を加えられ、苦しみ抜いた挙句死亡し、その亡骸は冬の雪深い山に棄てられ、燃やされた。

犯人たちを殺してやりたいほど憎んだ父と母は、それでもその加害者たちとの「再会」を望んだ。
それは、固く閉ざされ絶対に開けられるはずがないと誰もが思っていた、犯罪被害者や遺族にとって大切な大切な、ある権利を得るための闘いの日々でもあった。

いなくなった娘

事件は平成12年の年の瀬に起きた。
宮城県柴田郡柴田町。人口約3万7千人、船岡城址、一目千本桜などが有名で、その季節には様々なイベントが催されることでも知られる。
阿武隈川の北、JR東北本線と岩沼バイパスに挟まれるように位置するところに、四日市場という地区がある。
畑が広がる長閑な地域。ここで暮らし成人式を間近に控えた若い女性の行方がわからなくなっていたのだ。

行方がわからなくなったのは、柴田町四日市場在住のアルバイト、曵地里美さん(当時20歳)。

平成12年12月19日の朝、曵地さん宅では里美さんの両親、祖父母、二人の妹たちが揃って朝食を食べていた。当時里美さんはアルバイトで帰りが遅くなることも多く、翌日予定がない場合は昼頃まで寝ていることもあったといい、朝食の席に里美さんがいないことは珍しくなかった。
この朝も、昨夜里美さんが帰宅したことを確認していた家族は、いつものことだと気に留めていなかった。
ただ、朝方玄関の鍵が空いていたことに母親の豊子さんが気づいていて、違和感を覚えてはいた。
また、祖父が朝方目を覚まして4時頃にラジオを聴いていた時、玄関先で里美さんの声が聞こえていたという。

18時、豊子さんが里美さんの携帯に電話を入れたところ、何やら里美さんの様子がいつもと違っていた。

「西公園(仙台市青葉区)の先輩のところにいる。」

話は里美さんが一方的に話す感じだったようだが、里美さんはその日の早朝、先輩に呼び出され合流し、別れた直後にいわゆる「レディース」に絡まれたと話した。
殴られ、金を取られるなどしたものの、別れた先輩が戻ってきたことで助けてもらい、今はその先輩の家でケガの手当てをしてもらっているのだという。

突然のことで、また娘が怪我をさせられたり金を取られたなどという事態で母親の豊子さんも動転したのか、話をうまく聞き出せないまま電話は切れた。
20時、再び里美さんから豊子さんに連絡があった。が、内容としては夕方に話したものとたいして変わらず、バイト先には休むことを伝えているとか、一人で電車で帰れるとか、そういったことを里美さんは伝えてきた。
とにかく、詳しい話は帰宅してからでもよかろう、そういう判断もあって、駅に着いたら迎えに行くから電話するように伝え、電話は終わった。

しかしこれが最後となってしまった。
以降、どれだけ家族が電話をかけても、それに里美さんが応じることはなかった。

里美さんは、この電話のわずか5日後、死亡する。

【有料部分 目次】
家族の苦悩
プリクラの先輩
不穏な動き
額の黒いシミ
若者たち
約束破ったっぺ
地獄の日々
もう、死にたいです
遺体にサングラス、遺棄現場の替え歌
民事を見据えた、刑事裁判
当事者であり続けるために
届いた手紙
本人訴訟
殺意の有無
加害者の親としての自覚
それぞれとの、対峙
帰ってくるわけでもないし……
戦いを終えて、そしてこれからも