ずるいヤツら~新生児殺しを誘発する人々⑤~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********

 

新生児殺しの理由

いくつかの例を取り上げたが、中絶ではなく生んでから殺害する、遺棄するというのはどういった心理なのか。
作田氏は、出産直後というのは女性も母性愛というものが希薄な時期であるため、と述べている。
特に、アノミー型の場合はそもそも初産である場合が多く、それまでの出産や子育てで経験として得る子供への愛情などは持ち合わせていなくても不思議ではない。
一方で間引き型によるものの中には、不幸にして死亡してしまったものを遺棄したケース、結果として殺害遺棄に至ったものの、写真を撮ったり、母乳を与えるなどかすかな愛情が垣間見えるものが多い。
また、「今しかない」と考えてしまうというのもあるだろう。これ以上そばに置いてしまうと決心が鈍る、そういう思いもあるのではないか。

ではなぜ、中絶しない、出来なかったのか。
これについては、単に中絶費用を捻出できなかった、中絶の意思はあったが時期を逸していた、といったもののほかに、保育士のケースに見られるような、男性側の甚だしい逃げ、無責任、または那須塩原市の遺棄事件のような夫の見て見ぬふり、疑心暗鬼、そういった態度に女性が悩み、希望にすがるうちに日数が経過してしまう、そういったものもある。

さらに、八幡浜市のケースでは、最初こそ費用と思いがけない早産からの問題であったものが、それ以降は中絶をしようと思ってすらいない節がある。
もっというと、二度と同じことをしないように、ではなく、そうなったらまた同じことをすればいい、といった開き直りというか、本人なりの解決策が見て取れる。

ただ、それらの事件に共通するのは、周囲の人間(主に家族、交際相手)の明らかな見て見ぬふりである。

よく、妊娠に気付かなかった、という家族の証言があるが、絶対嘘だ。いや、正確に言うと、妊娠を疑い、またはうすうす感づいていながら、それを本人に「あえて」確認していないのだ。
事実、那須塩原のケースでは、夫は妻の妊娠にも出産にも気付いていた。にもかかわらず、「問題があれば言ってくるだろう」と、すべてを女性側に丸投げしていたのだ。
八幡浜のケースはどうだろう。ほとんどが売春の相手であることから、そもそも妊娠の事実を生物学上の父親が知るすべはなかったわけだが、それ以前に妊娠させる可能性が高い行為をわかっていてやっているのは事実であり、ここにも女性を人間としてみていないのがありありと見て取れる。
実際、映美は公判で、「男性たちはお金を出しているのだからと、ひどいことを言ってきたり私をモノのように扱った」と話した。
もちろん、これは映美にも大きな問題がある。日銭を稼ぐためとはいえ、数千円の上乗せのために妊娠というリスクをとるのはあまりに無謀だ。
たった数千円、などというつもりはない。その数千円のために体を張る女性は他にもいるし、私は彼女たちを浅はかだ、愚かだと馬鹿にはしない。明日払う数千円が捻出できなかった経験があるからだ。幸い、私には頼れる実家があったからよかったが、そうでなかったらその日のうちに風俗の面接を受けていたかもしれない。

せめてピルを飲む、などの予防策はとるべきだったろうが、そもそもその金も映美には惜しかったのだ。もっというと、きちんと病院に行けば処方してもらえるものだという知識も、なかったのかもしれない。
そんな映美のおなかが膨らんだりしぼんだりしているのを、他人が気付くのに同居の父と弟が気付かない、そんなことがあるわけがない。

この父親と弟も、家の中の見たくないものには目をつむり、耳をふさいで生活してきたのだ。何も聞かなければ、知ることもない。気付いていても、それを口外さえしなければ、本人に確認さえしなければ、自分は何も知らなかったのと同じ、彼らは勝手にそう思い込むことで、保身を図ったのだ。
妻や娘に、なにからなにまでを背負わせて。

情報と選択肢の提供

今、緊急避妊薬(アフターピル)を薬局で自由に買えるように、との動きが起きている。
現在では、医師の処方箋のもとでないと服用が原則できない状態(アプリでの診察をうたうものもあるが、原則対面診察(オンライン、医院での診察など)が必要)で、オンライン診療可能な場合でも身分証の登録が必要なことがある。

個人輸入や通販サイトで購入する手もあるが、そもそも本物かどうかの判断は難しく、手元に届くまでには時間もかかる。緊急避妊薬は72時間以内の服用となるため、通販やオンライン診療での配達は場合によっては意味をなさない可能性も高い。

だからこそ、誰もが迅速に緊急避妊薬を薬剤師がいる薬局で購入できるようにしてほしいという声が高まっているのだ。
副作用等は現在ほとんどないとされ、医師の処方箋が必ずしも必要なものでもない。
この利用が今よりもスムーズになれば、中絶手術を受ける際の精神的、肉体的負担は軽減され、費用の面でも格段に経済的だ。
もちろん、これによる弊害もあるにはあるだろう、アホな奴はこれ幸いと避妊をしなくなるかもしれないし、性病の問題もあるかもしれない。
しかし、避妊をしてほしいのに聞き入れない相手はあなたのことを愛してなどいないということをわかるべきだし、この際そういうことも教えればいいのだ。
それよりなにより、緊急避妊薬が普及し、誰もが今よりうんと手軽に使えるようになれば、女性の意思で後からコントロールすることが可能になる。それの何が悪いのか。

岡山の保育士のケースでも、もし、緊急避妊薬が手に入る状況で、かつ、それにたどり着くための手段などを周知できていれば、彼女はこんな悲しい事件を起こさずに済んだかもしれない。
妊娠検査薬を試すにも、それは次の整理が来るか来ないかをはらはらしながら待たなければならず、しかも陽性だったらば中絶手術を受けるか産むかしかないのだ。それがどれほど精神的、肉体的にきついか、わからない人は何も難しくない、簡単なことだうだうだ言わずに黙っていればいいのだ。

他にもある。里親制度、特別養子縁組制度など、法務局でしか見かけないポスターを町中いろんなところでもっと貼ればいいのだ。
学校でもしっかりと教育として取り入れ、子供のころからそういう仕組みがあるということを教えるのだ。
避妊をしなければ1回だけでも妊娠する可能性があるということ、望まないならばSEXには慎重にならなければならないということ、もしも心配な場合は相談できる場所があるということ、緊急避妊薬というものがあるということ、そして、誰も怒ったり白い目で見たりしないよ、むしろ、話してくれてありがとう、えらかったねということも。

その時機を逸しても、中絶は悪ではないということ、育てる気で産んだけれども難しくなったらその子を待っている人に託してもいいんだということ、一人で抱え込む必要はないんだということ、たとえ手放してしまっても、あなたは手放すことでその子の命をつないだんだということ、そういったことをもっともっと情報として出していってほしい。

特別なことではなく、それもありなんだと教え、受け入れることを私たち全員がしていかなければならない。
簡単にはいかないかもしれないが、情報を出し、周知していくことは難しくないはずだ。
どんなデメリットがあろうとも、命懸けで産んだわが子をその手で殺す、そんな結末よりも全然マシなはずだ。

特に、若い女性による新生児殺しは、たとえ社会的に援助の仕組みが整っていたとしても、彼女ら自身にそれを知り、利用する力が欠けているケースが多く、支援を充実させることが解決ではない。
先の女子少年による新生児殺しの場合、18例中16例は、病院にすら行っていない。
パチンコ店のトイレに行くと、DV被害相談支援センターのステッカーが貼られていることがある。これは、誰にも相談できない女性が一人きりでそれに向き合える瞬間を提供している。
そのように、母子支援に取り組む行政や団体にはぜひ、情報や受け皿の周知に励んでもらいたい。ファストフード店、ショッピングセンターのトイレ、ゲームセンターやカラオケ店、図書館やスポーツ施設のトイレなど、いくらでも場所はある。
昔のような、一部の非行少女にだけ起こり得ることではないのだ。むしろ、そうでない少女のほうが、経験している友達がいないことからも途方に暮れることは多いし、親になど口が裂けても言えないだろう。

新生児殺しは、「殺すのではなく生かさない選択」といえる、と、宮城学院女子大学の鈴木由利子非常勤講師は述べている。これは、時代を超えて共通する意識、とも述べている。
もちろん、どんな事情があっても殺人や死体遺棄は許されるものではないが、妊娠を一身に背負わされ、産む産まないの選択すら自由にならず、女であるというだけですべての判断と責任を押し付けられた挙句に、命を削って産んだ我が子を生かさないと決めざるを得なかった彼女たちの涙の陰には、彼女らの苦しみを知っていたくせに黙って知らん顔をし続けた者たちの存在があるということを忘れてはいけない。
それが悪意であろうとなかろうと、彼らはとてつもなく無責任で、ズルかった。

************
参考文献
嬰児殺が起きた「家族」に関する実質的研究
発行者 社会福祉法人横浜博萌会 子どもの虹情報研修センター 平成31年3月20日発行

平成22年度 児童の虐待死に関する文献研究
発行者 同上

 


最後までお読みいただきありがとうございます。こちらから1文字2円のコメントが送れます。
いただいたお気持ちは資料集めに使わせていただきます。

🔓腐る家~泉南市・一家5人餓死事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********

 

平成13年8月16日午後6時

「玄関を開けてください」 泉南市樽井6丁目の民家の玄関先で、警察官らが家の中へ声をかけていた。
この日、この家に暮らす住民の親族から、 「何日も姿を見ていない、家の中から物音もしなくて心配だ」 という相談が泉南署に出ていた。
この住宅には、60代の男性とその妹、そしてその妹の子供5人の計7人が暮らしていたというが、7月頃から家族の姿は近所の人らの目から消えていたという。 警察官らの問いかけに、屋内から「(玄関は)開けません」と、弱弱しい声が聞こえてきた。
「子供がおらんやないか!どこ行った!」
そう叫ぶ警察官らに対し、さらに家の奥から、
「子供はここにおりません」
という答えが返ってきた。
しかし警察官らは、強引に玄関をこじ開け中に入らざるを得なかった。

玄関先には、明らかな死臭が漂っていたのだ。

5人の遺体

警察官らが屋内へ踏み込むと、凄まじい腐敗臭が鼻を衝いた。 家の中は雨戸が閉められ、光は差し込まない。それでも探りながら奥へ進むと、6畳と4畳の間があり、そこには布団が敷き詰められていた。

すべて頭や足は見えなかったが、明らかな人型がそこにはあり、その状況たるや警察官らを恐怖のどん底に叩き落すには十分すぎるものだった。
そして並んだ布団の横に、同じように並べて敷かれた布団の上に座り込んでいる年配の男女がいた。 二人は、この家に暮らす若狭良一さん(仮名/当時66歳)と、その妹のあつ子さん(仮名/当時64歳)とみられた。
警察官が声をかけたが、ふたりは衰弱しているのか立ち上がることができなかったという。 そして、二人の布団の並びにあった布団をめくると、そこには5体の腐乱死体が寝かされていた。

腐乱死体の身元は、行方不明の子供たちであると推測され、その後若狭さんらの口から、その遺体が妹・あつ子さんの5人の子供であると語られた。
「2か月ほど前から、子供たちが次々と死んだ」 そう二人は語ったが、近所の人らの話では、一家は7月の初めまでは以前と変わらぬ風に目撃されていたという。
あつ子さんの子供たちは、長女・すい子さん(当時41歳)、次女・薫さん(当時38歳)、三女・栄子さん(当時29歳)、四女・弘美さん(当時28歳)、そして、末っ子長男の実さん(当時27歳)。
遺体は腐敗が進んではいたが、外傷は見当たらず、いずれも普段着できちんと仰向けに並んで寝かされており、頭からすっぽりと布団が掛けられていた。 死後、1~2か月とみられたが、若狭さんが、「食べ物がなくなり次々と死んでいった」と話していることから、5人の死因は餓死とみられた。

その後の司法解剖では全員が予測通り餓死、6月30日に長女すい子さんが、その翌日に四女弘美さん、7月5日に三女栄子さん、7月10日に長男実さん、次女薫さんは8月1日に死亡したと推定された。
5人全員、消化管内に物がなく、薫さんは肺炎を起こしていた。

通報した若狭さんの弟のほかに、実は若狭家の隣にはあつ子さん以外の妹も住んでいた。 しかし、いずれも近くに住みながら、20~30年兄弟の付き合いはなかったと言い、あつ子さんの子供らの存在もよくは知らなかった。
発見時、若狭さん兄妹は、息もできぬほどの死臭の中で放心状態で座り込んでいたが、話によれば、子供たちが死んでからずっとこうして寄り添っていたのだという。 一方で、若狭さんは警察官に対し、 「この場所は汚れてしまったから清めなくてはならない」 「神さんに清めてもらった」 などと言っており、その精神状態が心配された。
これが年端も行かない子供であるならば、何をどう考えても保護責任者遺棄致死などの虐待を想定するのだろうが、この場合、亡くなっていたのは子供とはいえすでに全員が成人しており、食べ物がなくなったからと言って、年寄より先に若い人間が全員死ぬというのも、どこか腑に落ちなかった。
しかし若狭さん兄妹も極度の栄養失調状態に陥っているのも事実であり、また、家の中には冷蔵庫の中にもどこにも食べるものはなかった。 家族は2か月ほど前から食べ物がなくなり、若狭さんとあつ子さんは子供たちに水を飲ませて飢えをしのがせていたという。

一家は何年も前から仕事をしている人間はだれもおらず、かといって生活保護を申請した形跡もなかった。 また、土地や建物を担保に金融機関から借り入れをしている形跡もなかった。 家族はどうやってこれまで暮らしていたのだろうか。 調べるまでもなく、近隣や若狭さんの別の兄弟らから、一家のこれまでの歩みが語られた。

※この記事は令和4年8月30日まで無料で公開されていたものです。条件に合致する方は無料でお楽しみいただけます。
そうでない場合も、既読でないかご確認の上、購入にお進みください。
【有料部分目次】
塩の家
母の教え
クソ味噌の中野「信念」
義姉の4000万円
不起訴
一家がすがった神さん

当サイトの内容に関する扱いについて~Youtuberパクリ事件①~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********

 

YouTuerの皆さま、動画編集のみなさまへ

更新情報にも取り急ぎ書いたのですが、改めてこちらにお願いと、今回の詳細についてまとめておきます。
私なりの個人的なそれこそ備忘録としても、残しておこうと思います。
重要な点から申し上げると、当サイトの文章をYouTubeなどの動画に使用する場合は、必ず事前に連絡をお願いします。

事件概要

事件を扱うYoutuber2名(それぞれは無関係)が、当サイトの複数の記事を盗用、丸パクリして動画を作成、公開していたもの。
発見したのは私本人。これにより、かなりの精神的ダメージを受け、さらには深刻な睡眠不足に悩まされた。
YoutuberAは、登録者数が1万人未満で動画の数こそあったものの、さほど再生されていないようだった。
YoutuberBは、登録者数およそ6万人、動画は50ほど公開されていて、1年前から事件系の動画を作成していた模様。再生回数も、1動画につき少ないものでも5万回、多いものだと30万回を超える動画もあった。

いずれも当サイトからパクったのが一目瞭然の状態(詳細は後述)であったため、すぐさま動画のコメント欄、Twitterアカウントから本人へ連絡。
数時間後には双方から連絡が来、全面的に非を認めたうえで謝罪、解決案の提案がなされ、早期解決が図られたもの。

Youtuber A氏のケース

721日、エゴサーチをしていた際、あるTwitterアカウントが、私のサイトを、自分がフォローしているとあるYoutuberに知らせているのを見つけた。
その書き方、やり取りになんとなく嫌な感じを覚え、さかのぼって調べてみると、そのYoutuberの方がアップしている動画に、見覚えのあるタイトル、キーワードが並んでいた。目玉ポーン。
確認できたのは、東京駅構内で起きたコンビニ店長殺害事件、苫小牧ネグレクト、久慈市男性殺害、出雲市長女殺害、山形一家3人殺傷。もしかしたら他にもあったかもしれないが、公開されてすでに何日も経過していた。
内容は、事件系動画に多く見られる、文字と朗読を組み合わせたもので、とりあえず全部聞きくことに。
時間がもったいないので倍速で確認したところ、すべてにおいてパクリの確信を持った。
理由として、
①私が書いた文章の言い回し、表現まで同じだったこと
A氏本人が、フォロワーとのやり取りにおいて「以前から(事件備忘録を)知っている」と話していたこと
③なにより、ほとんどネットに載ってない事件(久慈市のとか)を取り扱っていたこと
以上の3点から、パクリ認定した私は、毅然とした態度で本人に連絡……出来るはずもなく、あわあわしながらスクショを撮りまくった。
この時点でビビりな私は心臓が口から出そうなほど焦っており、たまたまDMでやり取りしていた折原臨也氏に泣きついた。

折原氏も仰天し、すぐに当該動画を確認してくれ、最初の数分でこれは間違いなくパクっていると断言してくれた。
ちなみに、これらの記事は折原氏の協力で書き上げたものも含まれ、私としては大変申し訳ない気持ちだった。
ビビりな私はとにかく味方をつけたくてtweetし、何人かのフォロワーさんが動画を確認したうえで「これはやっとるで!」とお墨付きもいただけたことで、あわあわが怒りへと変わった。

しかし、折原氏に「落ち着け」と諭され、とりあえずTwitterのアカウントに連絡、本人からの連絡を待つことにした。

すると、1時間もしないうちに本人からDMが届いた。
逆ギレされたら、開き直られたらどうしよう、そんな思いでDMを開くと、そこには平謝りのA氏の言葉が並んでいた。
内容は控えるが、全面的に非を認め、自分がしたことは間違っていた、と謝罪された。
根が単純な私は、謝られると怒れないので、まずはどうして事前に連絡してくれなかったのか、いかにこのサイト、記事を私が大切にしているかを伝えた。
A氏は以前から事件備忘録を知っていたとTwitter上で発言されており、さらにそこには、「このサイト(事件備忘録)に迷惑をかけないようにしなければ」といった言葉も並んでいた。
だからこそ私は理解できなかったのだ。ひとこと、「参考にした動画を作ってもいいか、文章を使ってもいいか」と聞いてくれなかったのか、と。

それに対する具体的な返答はなかったものの、A氏は深く反省し、解決案としてYouTubeのアカウントを削除することを約束してくれた。
約束は守られ、現在そのアカウントは存在していない。

Youtuber・B氏のケース

A氏の件が早期円満解決に至ったことで安心していたが、やはり思うことがあった。

「ほかにもあるんじゃね?」

ゴキブリを一匹見たら100匹はいると思えというではないか。
当然ながら、私のサイトには普通にアクセス解析がついている。また、訪問者がどこからきたのか、というのもわかる。
記事一つ一つも、何回読まれたのかとか、わかるようになっている。
通常、記事を公開した数日から数週間は、その記事が閲覧数トップ、あるいは上位にある。
過去に書いた記事は、たとえば犯人が死刑確定し、その死刑が執行されたとか、何かニュースになるようなことがあればまた閲覧数は増えるが、何事もないのに古い記事の閲覧数が上がるというのは、誰かがSNSで当該記事へのリンクを貼ったか、5ちゃんに晒されたかのどっちかだ。

過去にも、秋田男児殺害(進藤美香のやつ)がどんと伸びたことがあったが、たまたまフライデーデジタルに小野一光さんがこの事件の記事を書いており、それを読んだ人々がキーワード検索でたどり着いたようだった。めちゃめちゃ伸びたのでフライデーすげぇと感心した。
また、青木峠のバラバラ死体遺棄も突然読まれだしたことがあったが、これはYouTubeで「物騒なニュース速報」という動画がたまたまこの事件の被害者の身元判明を伝える速報(ちょうどドラゴンボールをやっており、絵面はかなりシュール)を取り扱っていて、さらに、コメント欄で当サイトの記事へのリンクを貼ってくれた人がいたためだった

話がそれたが、この視点で見た時、気になることがあった。
恵庭OL殺人事件と、広島の一家失踪事件の記事も、こういった不可解な増え方をした形跡があったのだ。
しかし、リンク元をみてもはっきりしない。ということは、検索でたどり着いたということか。
見てみると、717日ころから恵庭OLに関するワードが突然増えていた。
そこで、YouTubeで検索してみると、A氏と同じような事件系YouTuerB氏のアカウントを見つけた。
そこにアップされている動画はほとんど私のサイトでは取り扱っていない事件ばかりだったが、2つ、被っているものがあった。
それはまさしく、恵庭OLと、広島一家失踪事件だった。

コンタクトを外し、さぁ寝よう、と思っていた矢先で、私はとっても気分を害した。これは寝られない。すやすやと寝られようものか。しかも2度目なのであわあわよりも怒りが来た。
このB氏は、事件系Youtuberの中では結構人気のある人物のようで、コメントも1動画につき300500もついていた。その理由は、B氏が「視聴者参加型」と銘打ち、視聴者にも謎を考えてもらおうというような動画に仕立てており、事件好きな視聴者は我先にとこのえん罪の可能性がつきまとう恵庭OLと、謎過ぎる一家失踪事件について考察を書いていた。私がイラついたのは、そこだった。

動画はどちらも30分近くあるもので、B氏と思われる人物が事件の概要、疑問点などを朗読するといったスタイルだったのだが、その内容がA氏同様、丸パクリだった。
こちらも倍速で聞いてみたところ、私の文章を100%引っ張ったとしか言えないほど、パクっていた。
たとえば、恵庭OLの場合、不可解な偶然、としていくつか書いている部分があるのだが、その項目だけでなく順番まで同じ、内容も同じ、語尾を変えているだけのものもあった。
また、私が考察したものまでパクられていた。それは広島一家失踪でも同じで、というかこっちのほうがひどかった。
一言一句、まったく同じ文章まであった。信じれーん。手抜きにもほどがある。

被害者宅の家のつくりについてや、小見出しの言葉まで一緒だった。
怒髪天を衝くとはこのことだとわなわなしながら、こちらも前日同様tweetしまくったところではたと気が付いた。

フォロワーさんめちゃめちゃ被ってる……

当サイトの内容に関する扱いについて~Youtuberパクリ事件②~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********

 

B氏との会話

事件系Youtuberであれだけ人気なんだもの、被ってる可能性は高かったのわかってたのに、頭に血がのぼっていたため見落としていた。
しかし後には引けぬ、ていうか私悪ないし、イチャもんと違うのは見てもらえればわかるはず。

Twitterへの書き込みと並行して、公開されている当該動画のコメント欄に抗議の文章を載せた。
と、そうこうしていると、B氏本人のTwitterアカウントからDMがきた。
人気の高いYoutuberであることで少々怯んでいたが、B氏もA氏同様、謝罪の文章を送ってきた。
ただ、A氏の釈明と違っていたのが、シナリオを制作する人間が別にいるという点だった。
Youtuberの世界、常識みたいなのに疎い私は、ちょっと興味も出てきて、可能であれば直接話がしたいとB氏に申し出た。
B氏も快く応じてくれ、直接話すことができた。
ある程度質の高い動画を制作し、それをYouTubeの規則に従って動画を増やすには、やはりチームで取り組む人が多いのだとか。
なにをやるか、の原案を作る人(これがアカウント本人)がいて、依頼されて動画を作る人、音楽をつける人など、役割分担をしている人が多いと教えてもらった。
B氏も同じで、テーマや何の事件を扱うか、どういった構成にするかはB氏が決めるにしても、シナリオ作成は依頼をかけていたという。

要は、その受けた人間がやらかしたということだ。

しかし、責任はB氏にあると認めていて、丁寧な謝罪と動画へのクレジット表記、さらにはOFUSEを通じて謝礼を支払っていただいた。
当初よりB氏からは謝罪と、動画を削除しない代わりにクレジット表記、ならびに「報酬として」金銭を受け取ってほしいとの申し出があった。
もちろん、私はお金の問題ではないし、そもそもこのサイト自体金儲けには程遠いものであり、もっというと、記事を引用したことへの報酬をもらってしまうと、その価格で記事を売り飛ばした気分になってしまうのでお断りした。
が、お気持ちということでOFUSEはありがたく頂戴した。

B氏の動画の対応については、
①2つの当該動画は完全にパクリだったが、それ以外の多くの動画は問題がない
②クレジット表記の申し出があったこと
③直接話をし、今後も当サイトを参考にしたいと改めて申し出があったこと
以上の点から、クレジット表記を当該動画につけてもらう、ということで和解となった。

私の思い

私自身、このサイトは、過去に誰かが取材し、発表したものを読み、それをもとにまとめているものがほとんどであるから、自分がしていることも「パクリ」になってはいけないと常日頃から気を付けてはいる。

事件という扱うコンテンツの性質上、時系列や概要などはそれでも似通ったものになってしまうため、表現を変え、それができない場合は引用元の明記をしている。

ただ私はパクリにならない自信みたいなのがあるのも事実だ。
それは、自分自身が自分の言葉を選び方、表現の仕方が独特で、良い悪いは別にして特徴的だと思っているからだ。
使いたい言葉、熟語、言い回しなど、選びに選んで書いている。漢字を使うか、あえてひらがなにするか、カタカナにするか、法律用語を使うか、句読点の場所、改行の場所などなど、結構考えている。
以前フォントが小さくて見え辛い、和暦じゃなく西暦にして、といった要望もあったが、これも私のこだわりなので今後も変えない。

そして、こう思っているのはきっと私だけではなく、多くの文章を書く仕事をしている人、文章を書くのが好きな人は同じ思いなんじゃないかな、と思う。

そこらへんを、今回の二人にも気付いてほしいと思うのだ。

人が紡ぐ言葉は思い入れがあり、その人だけにしかできない表現や言い回しがある。
そして、それを好きだと言ってくれる人たちもいる。
コメントを書いてくれる人、資料集めに協力してくれる人、多くの人のおかげで私は好きなことをやれている。
それらすべてを今回、二人は踏みにじったのだ。だから私は怒ったのだ。
眠れなかったこともちょっと腹立ったけど。

今後はどうか、そういったことを考えて、良い動画をたくさん作ってほしいなと思う。

今後について

どこかに書いたと思うけれど、このサイトは私のライフワークというか、100%趣味、世のため人のためとか一切考えてなくて、お小遣いの中で資料を集め、それが無理な時は夫のカードを切りまくり、怒られながらも日々楽しんで書いている。
無料というのはやり過ぎじゃないか、という声もあるが、やはりこのスタンスでいたいと思っている。

今回、B氏からは仕事として、このサイトで扱っている記事をB氏が動画にし、その報酬を支払うという形はどうか、という提案も受けた。
それはB氏が今回のことを早く収束させたいがための適当な提案ではなくて、一つの考え方としてのまじめな提案だったのだが、今後も私はそれはしないと思う。

記事1本の相場もわからないし、正直「じゃあ〇〇円で」と相手に提案されて、それが自分の想像より安かった日には泣くと思うし、こっちが提案した額を「それはちょっと高杉」と言われたらそれはそれで気分悪いし、なんかやだ。

でも、きれいごと言うようだけど、やっぱり「文字」で読んでほしいと思ってるというのが一番大きい。
さっきも書いたけれど、このフォント、文字の大きさ、ストリートビューの角度、それらにも思い入れがあって、すべてをひっくるめてこのスタイルが一番いいのだ。
なので、動画になるのはなんか違う。もうそれは私の作ったものじゃない。
これからも文章で伝えていきたい。

最後に、A、B両氏にすればすでに和解済みのことを持ち出して記事にするのはちょっと、と思われるかもしれないが、これで私の気が済むんやから、かまんかろう、このくらいは我慢せぇ笑。

今回の出来事は確かに不愉快だったし、ちょっぴり傷ついた。

でも、すぐに解決し、双方気持ちよく落としどころを見つけられたのはよかったと思うし、B氏に話を聞けたのも勉強になった。
A氏もB氏も、一切言い訳はしなかった。

また同じようなことは起こるかもしれないけど、今後はあわあわしないで筋を通すだけにしたいと思う。

おわり。


最後までお読みいただきありがとうございます。こちらから1文字2円のコメントが送れます。
いただいたお気持ちは資料集めに使わせていただきます。

🔓流浪の運命共同体~長野・山梨・静岡・男女殺害遺棄事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********

 

無念の記者会見

「なぜ母が殺されなければならなかったのか。そしてなぜ、姉がそれに加担したと言われるのか、まったく理解できません。
ふたりは仲の良い母娘でした……」

黒磯市役所で記者会見に応じた男性は、悔し涙をにじませた。
傍らには、妻の姿もあったが、この二人は一歩間違えれば今頃生きていなかったかもしれなかったのである。
ふたりは生き延びたが、入れ替わりに行方不明になった男性の母と姉は、壮絶な人生を送る羽目になってしまった。

平成一五年二月二六日

この日、とある傷害事件で男が逮捕された。
男は昨年に静岡県伊東市内の貸別荘で、当時行動を共にしていた男性とその妻、そして一歳の子供に暴力を振るい怪我をさせたとして、静岡県警から指名手配となっていたのだ。
男の名は、上原聖鶴(当時三五歳)。

ところが調べを進めるうちに、
「長野県内で仲間らとともに二人殺している。遺体は甲府市内のアパートにある」
と供述したため事件は違う展開を見せ始める。
甲府市飯田のウィークリーマンションを捜索したところ、供述通り、室内から男女と思われる遺体を発見した。
上原の供述では、自分以外の仲間もここへ遺体を運んだ行為にかかわっているとしていて、警察は、上原と行動を共にしていた女と、若い男二人も死体遺棄の容疑で逮捕した。

当然警察では二人の殺害にもかかわっている可能性が高いとして調べを進めたところ、男二人は殺害にかかわっていないことが判明。警察は、三月にはいって、上原と女を二人に対する殺人の疑いで再逮捕した。
上原と一緒に逮捕されたのは、高須賀美緒(仮名/当時二七歳)。美緒は、昨年の六月から上原と行動を共にするようになったというが、上原には妻子があった。しかも、その妻子もずっと行動を共にしていたようなのだ。
わかっているだけでも、上原と妻子、美緒、若い男二人、この六人が逮捕当時共同生活を送っていたとみられた。
さらに、上原は美緒と生活を共にし始める前、美緒の弟夫婦とその子供と一緒に生活をしていた。
そして、弟家族と離れた直後、今度は美緒とその母親を呼び出し、まるで入れ替わるかのようにその母娘と生活し始めていたのだ。

では、亡くなった二人はいったい誰で、どんな関係の人間なのか。
遺体はそれぞれ男女一名ずつで、男性は二〇代、女性は五〇代~六〇代とみられた。
遺体の状況は、女性のほうが腐敗が進んでいたことから死亡時期が違うこともわかっていた。
その後の司法解剖の結果、男性は神奈川県厚木市の大学生、中里善蔵さん(当時二一歳)、女性は栃木県黒磯市(現・那須塩原市)在住の高須賀悦子さん(仮名/当時五三歳)と判明。

悦子さんは、美緒の母親だった。上原と美緒は、中里さんと悦子さんを殺害した容疑で再逮捕されたのだった。

発端

事件の始まりをたどっていくと、平成一三年に遡る。
当時、とび職関連の仕事をしていた美緒の弟・英治さん(仮名/当時一九~二〇歳)は、仕事関係で上原と知り合った。
五月ごろ、英治さんは上原からこう聞かされたという。
「俺とお前の名前が暴力団のリストに載ってる。俺が何とかしてやるから、一緒に逃げよう、お前も俺の言うことを聞け」

若い英治さんは、暴力団という言葉と、上原の入れ墨に恐怖を感じ、その言葉を信じてしまう。また、それ以前に上原から借金を申し込まれていた経緯などもあり、上原と行動を共にすることを決意した。
すでに妻子がある身だった英治さんは、驚く妻を説得して妻子とともに上原と合流、そこから一年もの間、車で各地を転々とする生活を余儀なくされていた。
生活は、主に貸別荘などを借りていたが、その費用は英治さんが消費者金融から借金をするなどして都合していたという。

逃亡生活は次第に英治さん一家にとって「何のために逃げているのか」わからないものへと変わっていく。
先に述べたとおり、金銭は英治さんに借金をさせ、足りなくなると英治さんの妻にも借りさせた。
食事は一日に一度となり、幼子を抱えた妻は自分の食事をわが子に与え、一〇キロ近く痩せていたという。
そこまでして英治さん一家を縛っていたのは、暴力団に追われているという嘘と、上原からの暴力だった。

上原は体重が一二〇キロ近くある巨漢で、英治さんは日ごろから暴力を振るわれていた。
ある時からそれは特殊警棒のようなものになり、時には妻にもその暴力は向けられたという。
さらに、英治さんの一歳の子供にも、上原は自分の子供に命令し、叩く、けるなどの暴力を振るわせていた。

また、英治さん一家は常に上原の妻に監視されていた。伊東市内の貸別荘では、窓のすべてに鍵がかけられ、外から粘着テープで目張りされて開けられないように細工されていた。
用事で家族に連絡を取る際も、常にだれかがそばにいて、余計なことを言わないよう見張られていたという。
英治さん夫婦に対しては、それぞれを別の部屋で過ごさせ、お互いに「相手は子供を愛してない」などと吹き込んで疑心暗鬼にさせていた。

平成一四年六月一五日、たまたま上原とともに外出していた英治さんは、今しかないと思い隙を見て逃走する。
妻子のことは気になったが、それでも助けを求めるには逃げるしかなかった。そしてこの判断は正しかった。
伊東市内から妻の実家がある栃木県黒磯市までヒッチハイクをしながら三日かけて英治さんは戻り、そのまま黒磯署に助けを求めた。
事情を知った妻の父と警察署員らとともに、英治さんの案内で伊東市内の貸別荘へ戻り、ようやく英治さんの妻子は救出されたのだった。
発見時の妻は、殴られたような痕が多数あり、全治三週間のけがを負わされていた。

妻子を奪還した英治さんは一八日、心配をかけた母親・悦子さんと姉・美緒にも連絡した。実は英治さん家族が上原と行動を共にし始めた直後、「お前の家族も危ない」と吹き込まれていたことから、黒磯市に暮らす悦子さんと美緒に連絡して、福島の親類宅へ身を寄せるよう伝えていたからだ。
しかし、一度は電話に出た美緒だったが、その日のうちに連絡が取れなくなってしまう。

そして、伊東の貸別荘からは、上原たちの姿も消えていた。

(残り文字数:7,783文字)

この記事は有料記事です