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平成15年6月2日
「被告人は、無罪。」
この日、横浜地裁で行われたとある放火殺人事件の判決公判の主文が読み上げられると、法廷内はどよめいた。
傍聴席の最前列で固唾をのんでこの時を待っていた初老の夫婦は、手をぐっと握りしめたまま目を閉じた。
「美穂ちゃん…」
心の中で愛しい娘への思いが溢れる。あの日、「これでやっと自由になれる!」と大の字になって寝ころび、微笑んだ娘。
夫婦の最愛の娘は翌日、自宅アパートで焼死体となって発見された。
しかし、その時娘は一人ではなかった。別れると決めていた交際相手の男性がその部屋にいたのだ。しかも、男性は娘が無理心中を図ったと言った。
「そんなことがあるはずがない。自殺など、ましてやあの男と無理心中を図るなど、断じてあり得ない!」
両親には確信があった。さらに、事件の3年後に両親が起こした民事裁判では、一審から一貫して男性が殺害したと認定され、すでに最高裁で確定していたのだ。
にもかかわらず、この日の刑事裁判で男性は無罪とされた。 続きを読む 嗤う男の化けの皮~藤沢市・OL放火殺人事件①~