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その人は、私の過去のいろんな場面にいた。
学校、会社、家の近所……
いろんな、小さな集団の中に、その人はいつもいた。
彼らは、どうしてそこにこだわったのだろうか。
火をつけた男
愛媛県今治市。しまなみ海道の愛媛県側入り口として、美しい瀬戸内の島々と世界に誇る地場産業、造船を擁する街。
その、市内中心部から少し離れた場所の、半径1,6kmの範囲で連続不審火が起きた。
10月25日深夜から5日間に、資材置き場や廃車置き場、池ののり面の雑草や倉庫などから火が出、幸いけが人や死者は出なかったものの建物などが全焼した。
現場はいずれも火の気はなく、今治市消防本部と今治署は連続放火事件の可能性を視野に地元の消防団と連携して捜査と警戒にあたった。
犯人逮捕は早かった。
令和3年11月17日未明、今治署は今治市内の倉庫の壁に火をつけたとして、市内の20代の男を放火の疑いで逮捕した。実は逮捕されたきっかけは、先の連続不審火ではなく、11月17日午前2時過ぎに起きた倉庫が燃える火災だった。
火災発生を受け、現場に臨場していた捜査員が付近にいた男に話を聞いたところ火をつけたことを認めたという。しかも、男の家は火が出た倉庫の「隣」だった。
さらに驚くべきことに、男は今治市の消防団に所属している消防団員だったのだ。
連続不審火が起きた際、その消火活動にもあたっていたという男。
消防団員が放火するという事件に興味を持って、私は裁判を傍聴することにした。 続きを読む 【傍聴記】Community~愛媛・消防団員放火事件~