クレイジーデイジー~青森・武富士弘前支店放火事件~

夫の告白

「今までずっと騙してたの?仕事行くふりして、弁当持って出かけてたの?」
男は、はらはらと涙を流す妻の質問に答えられずにいた。
男は妻から競輪や、それにつぎ込むための借金をやめるよう再三懇願されていたにもかかわらず、妻に嘘をつき続けて借金を重ねていた。
その額、三〇〇万円。

二人して実家の母に借金を申し込んだ。
母は悲しそうな顔をして、それでも八〇万円を用立ててくれたという。
しかし、母はこう付け加えた。

「これ以上くるなら、もう親でも子でもないよ」

年老いた母からの、厳しくも間違いのない愛の鞭だったが、男はその言葉を真剣に受け止めることができなかった。

平成一三日。
男はかねてより目をつけていた消費者金融の扉を開けた。

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小心者~三島市・短大生暴行焼殺事件①~

平成七年四月八日午後一〇時半

静岡県三島市長泉町土狩の路上を、町内在住の公務員男性(当時22歳)は自転車で家路を走っていた。
そこへ、走ってきた車が男性の進路をふさぐように前方に回り込み停車、車から人の若い男たちが下りてきた。
「金、持ってるだろ、出せよ」
唐突に絵にかいたようなカツアゲをされた男性は、当然断った。
直後、頭に激しい痛みが走る。男たちは木刀を持っていた。
殴られた。男性が必死に体をかばっている隙に、男たちは男性の財布を奪って走り去った。

二三日。
三島市若松町の駐車場内で、車上荒らしが発生。
会社員の所有する乗用車の中から、書類入りのバッグが盗まれた。
この事件で警察は、周辺の防犯カメラ映像や聞き込みから、若松町在住の男(当時二三歳)を割り出し、窃盗の容疑で逮捕した。
二二日、男は日に発生した路上強盗でも逮捕される。共犯の男(当時二一歳)も逮捕となった。

男らは罪を認め、二三歳の男は執行猶予中であったことから前科も併せての実刑となり、それから年間服役した。
男の名前は、服部純也。彼は一七年後の夏、死刑執行によりその人生を終えた。 続きを読む 小心者~三島市・短大生暴行焼殺事件①~

🔓小心者~三島市・短大生暴行焼殺事件②~

逮捕

警察では犯行現場から、「土地勘のある人間の犯行」とみて聞き込みに力を入れていた。
そんな中、不審者、夜間徘徊者リストに名前があった服部の、当夜の目撃情報に目を付けた。
事件後には三月と六月の二度、大規模な検問なども実施されていたが、この時に服部の事件関与は全く浮かんでいなかった。
というのも、服部は事件の直後にひき逃げ事件を起こしており、二月末に出頭して逮捕されていたのだ。

警察では住民らの協力の下、不審者リストを作り上げ、現場の地理に詳しいもの、住民目線で見て不審者、あるいは犯罪の臭いがする人物などを調べていった。
その一人一人のアリバイ、素行調査、証拠資料との照合などを地道に行う日々が続く中、不審者リストにある服部のDNAと、現場に残されたDNAが一致したのだ。
もし、住民らの協力がなかったら、おそらく服部は重要人物とみなされなかった。しかも本人は別の事件ではあるものの、自ら出頭して罪を認め、実刑判決を受けていたのだから。

DNAというゆるぎない証拠があったものの、当初服部は全面否認だった。
「コンビニでナンパしたが、家に帰した」
服部の当初の供述はこうだった。
警察も、DNAが現場にあったということから、佐知子さんと最後に接触した人物の可能性が強い、ということは言えても、殺人を犯した張本人とは言い切れなかった。
とりあえず逮捕監禁と強盗の罪で逮捕したものの、本人の口から供述を得られたのは逮捕から一週間後、佐知子さんの自転車を遺棄した場所を自白し、その後殺害を認めることとなった。

【有料部分 目次】
無期は嫌
死刑になると思ってなかった弁護人
ふてぶてしさの反面
小心者

「嘘」~狭山市・二女児殺害事件①~

平成13年11月16日深夜

「助けて!!子供が中にいるの!!!」

狭山市広瀬1丁目の河川敷で、車らしきものが炎上しているのを近所の住民らが発見。
気付いた住民らが消火器を持って駆け付けてみると、その傍らに全身ずぶ濡れの女性が呆然と立ち尽くしていた。
通報で駆け付けた消防により、車の火は消し止められたものの、車内の助手席と後部座席から小さな遺体が発見された。

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