私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害遺棄事件~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

平成15年10月8日午前。

母親は、前夜から夫が帰っていないと中学生の娘にうろたえた表情で伝えていた。
でも、帰ってくるかもしれないからと、いつも通りお弁当も作った母親を、娘はどんな目で見ていたのだろうか。
「お母さん。お義父さんはもう帰ってこないんじゃないの
心の中では、娘とて両親の不仲には気づいていたのではないだろうか。

9日、警察から「夫の車が塩浜公園で燃えている」と伝えられた。
夫の父親とともに警察で事情をきかれ、「昨日から夫が帰宅していない」と心配そうに捜索願を出した。

ぼんやり考えていた。
明々後日は、息子の3歳の誕生日。こんなことになってしまって、息子がかわいそう。
でも、息子は「いちごのお姉さん」のほうが好きなのかしら。
どうしてこうなってしまったんだろう。あんなに私を求めてくれたあのひとは、遠くに行ってしまった

1012日、「夫を殺して池に棄てました」。

続きを読む 私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害遺棄事件~

私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害死体遺棄事件③~

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 




光子と私

私は光子と似ている。30代半ばで離婚し、子供を連れてバツイチになった。その後、職場に出入りしていた9歳年下の現夫と再婚しているが、光子と同じように当初は周囲の反対があった。
とはいっても、私の場合は反対していたのは私の愚かさを知っていた私の両親であり、夫に対して「こんな娘ではあなたが苦労する」といって反対していたのだ。
また、夫の両親、兄、親類はなぜか私を好いてくれた。一度は極道の世界にまで足を踏み入れた息子には、年の離れた姉さん女房がちょうど良いと思ったのかもしれない。

結婚して7年になるが、幸い、夫は高校生になる私の息子の良き理解者として、今もしっかりと家族の大黒柱でいてくれているし、夫としても私にちゃんと向き合ってくれていると思っている。

続きを読む 私を捨てるなら、死んで。~木更津年下夫殺害死体遺棄事件③~

はじめに。

この記事を転載あるいは参考にしたりリライトして利用された場合の利用料金は無料配信記事一律50,000円、有料配信記事は100,000円~です。あとから削除されても利用料金は発生いたします。
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください
**********

 

思えば子供のころから事件モノが好きだった。

刑事ドラマや怖い映画も好きだったし、新聞の事件欄に目を通すのは日課だった。
私は一九七〇年代の生まれだが、昭和末期のその頃というのは、校内暴力の嵐が吹き荒れ、子どもが親を金属バットで殴り殺すとか、受験を苦に自殺するとか、とにかく未成年が荒れに荒れていたと記憶している。
幸い、私自身はせいぜい先輩に呼び出される程度のことで、大きなトラブルに巻き込まれるといったことはなかった。親も健在だ。
昔の事件は陰惨さが際立つものが多かった…

新聞報道でも、今のように「容疑者」扱いなどはなく、名前は呼び捨て、加害者は顔写真入りで新聞に掲載されるのが当たり前。事件現場どころか、被害者加害者の細かい住所まで新聞には掲載されていた。
ワイドショーは今のような生ぬるさはなく、被害者の葬儀に突撃は当たり前、加害者の親を捕まえてマイクを突き付けるのも当たり前だった。
テレビが娯楽の頂点だったから、リポーターも強かった。
そのせいで辛く悲しい思いをする人も多かっただろうけれど、今よりも規制が甘かったから犯罪マニア(?)には貴重な情報源だったのも事実。

私も人生半ばを過ぎ、記憶に残る事件も少しずつ薄れ始めている。
そこで、自分のためにも過去の「個人的に忘れられない事件」をまとめてみようと思う。
ウィキペディア的なまとめではなく、あくまでも事実に基づいたワイドショー的、小説的まとめ。

事件の大きさはあまり関係なく、有名なものでも取り上げないこともあるし、多くの人は知らないようなマイナーな事件を取り上げることもある。

それでは事件備忘録、はじまりはじまり