但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********
嘱託殺人 松山地裁 42号法廷
被告人 織田由佳(おりた ゆか) 昭和61年8月10日生まれ (現在39歳)
小柄、痩せている。色白で本当にはかない感じの女性。腰の下まで伸びた長い黒髪を一つにまとめている。入廷時から泣いている。
🔓メビウス~愛知・3歳女児餓死事件~
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********
緊急の知らせに駆けつけた祖母は、目の前に横たわる3歳の孫娘を抱きしめた。
孫娘は見開いた瞳を閉じることもせず、その干からびた躯には拘縮の症状が出ていた。
凄まじい悪臭が鼻をつく。腹部から大腿部にかけて糞便がこびりつき、パンパンに膨れ上がったままのオムツからは、抱きしめた拍子に尿が溢れ出て祖母の服を汚した。
祖母は構うことなく、孫娘を抱きしめる。
「あんたら、これでも親か!」
警察官が問うたが、その返事はない。まるで他人事のような態度で黙ったままの、若い男女。その傍では、1歳くらいの男の子がキョロキョロと辺りを見回していた。
「お前が死んでしまえ!」
孫娘を抱いたまま祖母は、呆然と立ち尽くす我が息子を罵倒した。
餓死した幼女
平成12年12月10日午後11時55分頃、愛知県武豊町の社宅の一室から、3歳の娘が死亡していると110番通報があった。
通報してきたのはこの社宅に暮らす21歳の父親。死亡したのはこの父親の長女だという。警察官と救急隊が駆けつけると、部屋の中には両親らしき若い男女と1歳くらいの男児、中年の夫婦と見られる男女、そして若い男女いずれかの妹だろうか、未成年らしき少女の姿もあった。
部屋はゴミと物が散乱し、それらを踏み分けていかねばならないほど荒れていたが、それ以上に息もできぬほどの凄まじい悪臭に満ちていた。
それを踏み越えて警察官がたどり着いた6畳間に、その子はいた。
まるで難民キャンプの子どものようだった、と、のちに救急隊の1人が話したというが、6畳間に寝かされていたその子どもは、「干からびていた」。
皮膚は完全に乾き、人の肌とは思えぬほど。その頭部と背中には褥瘡が見られた。足は左右ともに股関節のところで90度曲がり、肋骨部と下肋骨部とが皮膚の上から容易に判別できるほどに痩せ衰えていた。
痩せ細った体のせいで大きく見える頭部にも肉はなく、そのせいで瞳を閉じさせることすらできない状態だった。その瞳も、白眼の部分が黒く変色していたという。
死因は、餓死だった。
何がこの子の身に起きたのか。
警察はその場にいた親らしき男女から話を聞いた。両親は死亡に至る経緯を話し始め、その内容から幼女の死は病気や事故ではなく、この両親によって引き起こされた犯罪行為が要因であると警察は判断。そのまま両親を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。
逮捕されたのは武豊町の会社員、谷川千紘(仮名/当時21歳)と、その妻で主婦の真緒(仮名/当時21歳)。死亡していたのは2人の長女・依織(いおり)ちゃん(当時3歳)だった。依織ちゃんは約20日間にわたって満足に食事も与えられず、家族とは隔離され、窮屈な段ボールの中にいることを強要されていた。
2人は依織ちゃんが死亡した経緯として「懐かないので疎ましかった。下の子が生まれ 手がかかるため放置していた」という話をしており、また2年前に依織ちゃんが脳内出血を起こした後、成長に遅れが見られるようになり、それも両親が依織ちゃんを疎ましく感じる要因になったと見られた。
この時代、親による虐待の問題はクローズアップされていたが、その挙句に餓死させるというケースは知られておらず、地元新聞社をはじめ報道関係もその詳細を次々に報じた。
また、その過程でこの依織ちゃんに関しては病院や保健師、児童相談所など多くの公的機関や専門分野の人々が関わっていながら、最悪の結末になってしまったことも判明していた。
愛知県内では平成12年までの過去5年間で虐待死事件が42件起きており、県別で見ると突出して多かった(全国総数464件)。一方で依織ちゃんを担当していた半田児童相談所は虐待に関しては積極的な対応をしており、児童福祉法28条に基づいて親子分離に踏み切ったこともあった。そこに所属する児童福祉士もベテランだったという。
なのに、なぜ依織ちゃんはこれほどまでに無惨な最期を迎えてしまったのか。
【有料部分 目次】
ふたりのそれまで
出産と同居生活
社宅
危険なあそび
焦りと拒絶
母親たち
予兆
30万円の「明るい家族計画」
崩壊まで
三畳間の生き地獄
皮肉なまでに親子
いまもどこかで
片隅の記録~三面記事を追ってpart12~
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********
相模原の首吊り遺体
それは、一見よくある首吊り遺体だった。
霊園内の森の散策道にある一本の楢の木からそれはぶら下がっていた。地上約1,3mのところで二股に分かれた枝部分からロープがさがり、木の根元にはロープが重みで緩まないよう、複数回巻きつけられて固定されていた。
遺体は男性、年齢は30代後半から40代といったところか。着衣に乱れはなく、また男性の体格や楢の木の形状などからも、男性が自ら木に登って首を吊ることが可能な状態だった。
ただ、男性の胸には、刃物による傷があった。そして近くには使用されたとみられる刃物も落ちていたのだ。
死にきれなかったときのために、男性が持参したのだろうか?しかし首を吊った状態で遠のく意識の中、自分の胸を複数回深く刺すということが可能なのだろうか。
警察は自殺と事件の両面で捜査を開始、そして7月15日、警察は「霊園内の遺体は息子ではないだろうか」と届け出ていた相模原市内に住む男性から事情を聞いたところ、その男性が息子の自殺を手伝ったという趣旨の話をしたことから男性を殺人容疑で逮捕した。 続きを読む 片隅の記録~三面記事を追ってpart12~
🔓悲しみの果てpart2〜八尾市・闇金心中事件
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********
誰しも生きていれば借金を背負うことはある。たとえば家や車を買うとき、多くの人はそれぞれのローンを組む。学費など、子供の教育費のローンを組む人もいるし、貸与型の奨学金も借金の一つだ。
そして多くの人は銀行や公庫などの正式な金融機関で審査を受け、返済能力を判断されその範囲内での貸付が行われる。そのため、中には希望額が借りられなかったり、そもそもローンが通らないということもある。
そうなった場合、普通の判断ができる人は購入を断念、あるいはグレードをさげ、身の程に応じた生活を送るわけだが、中には諦めきれずに審査の緩い金融機関で再挑戦してしまう。審査が緩いところは全てではないが金利が高いところが多い。それでも数%の高い利息を細かく計算する人はそもそもそんなローンには手を出さないわけで、大抵の人はローンが通るならと、その高い金利のローンを契約するケースも多い。
それにもあぶれてしまったら。お金の使い道が車とか家とかではなく、日々の生活費や医療費などの切迫したものだったとしたら。さらには本人の属性で借金自体が出来なかったら。
そして、その不安と焦りを見透かすかのように「救いの手」を差し伸べたのが、悪魔だったら。
その悪魔から逃れられなかった家族の悲しみの果て。 続きを読む 🔓悲しみの果てpart2〜八尾市・闇金心中事件
崩れゆく人々~いくつかの家族の結末part2~
但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********
文京区の無理心中
平成20年2月。東京都足立区の日光街道沿いにある二階建て店舗兼住宅は不穏な気配に包まれていた。
比較的交通量も通行人も多いというその通りに面したその家は、1階の間口がシャッターになっていた。その閉められたシャッターの下から、どす黒い大量の血が流れ出ていたのだ。
通行人の何人かがその異変に気付いていたようだが、誰もがその理解しがたい光景を信じたくなかったのか、通報しなかったという。
午後3時半、ようやく通報がなされ警察官が駆け付けた。シャッターを開けるとそこは、まさに地獄だった。
家の中ではこの家の家族5人のうち3人が死亡、1人が両手首切断という重傷を負っていたのだ。しかも、その後の調べで死亡した父親による犯行と断定された。
当初は家業がうまくいかない事での経済的な事情が原因かとされたが、不動産にまつわるトラブルも抱えていたといい、さらには無理心中を企てた本人が死亡していることからそれが真に明らかにされることはなかった。
その凄惨な事件から1か月後。
今度は文京区で、同じく父親による一家無理心中事件が発生した。しかしこの文京区の父親は、一命を取り留めた。 続きを読む 崩れゆく人々~いくつかの家族の結末part2~