綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件

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この事件は、昭和から平成へ変わる数か月の間に起こった事件で、当時中学1年生だった私は報道などで概要を知り、あまりのことに強烈に印象に残っている。
また、当時はヤンキー雑誌として有名だった「ポップティーン」に、被害者の顔写真入り記事が掲載されており、愛読していた私はその被害者の女子高生のアイドル並みの可愛らしさにも驚いた。

綾瀬女子高生コンクリート詰め殺人事件

事件の概要は、あまりに有名であるので改めて文字にする必要はないだろう。本来は、40日間に及ぶ暴行、レイプでの殺害であるから、この呼び名はおかしいんだけれども、コンクリート殺人と言えばこの事件といえるほどのインパクトがあるため、こちらでもそのように記載しています。
概要はWikipediaに判決文のリンクがあるのでそちらを参考にされたい。

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被害を強調する妻と、佇むだけの夫の戯言~富士見町義妹殺害事件その②~

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7月16日の修羅場

2007年7月16日。再三にわたって絵里子さんから実家を出ろと言われていた咲は、職場で絵里子さんに「どうしてそんなことをいうの」と涙ながらに問い詰めた。
そこで絵里子さんから出た言葉は、「お前はなんで結婚式教えてくれねぇんだ?」というものであった。

実は咲夫婦は結婚式を挙げておらず、後に子連れの結婚式を計画していた。詳細は不明だが、その結婚式の話をどうやら咲夫婦は絵里子さんにしていなかったようだ。
義母を通じてか、絵里子さんがそれを知り、自分がのけ者にされたと感じたのかもしれない。
結婚式の話を皮切りに、絵里子さんはこうも続けた。

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🔓被害を強調する妻と、佇むだけの夫の戯言~富士見町義妹殺害事件その③~

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咲の夫、そして被害者の兄

夫であるH氏は、五味家の次男である。先述の通り、長男は不慮の事故で亡くなっている。
H氏は介護の道を志し、夜勤などもしっかりとこなす真面目な人柄であることは間違いない。

その夫が、咲の裁判で驚くべき証言をした。
絵里子さんとはそりが合わず、また、高校生の頃タバコのにおいをめぐって口論となり、あげく絵里子さんの交際相手に怒鳴りこまれ、それ以来絵里子さんには関わらないようにしてきたという。
妹であるにもかかわらず、家を出ていた期間は絵里子さんの居場所も知らなかった。
咲とは専門学校時代に知り合い、同棲を経て結婚、娘が生まれたのち富士見町の実家へ家族で同居している。
絵里子さんが同居する以前から、妻である咲に対しては絵里子さんに良い感情を持っていないことを告げている。
H氏にとって、咲が殺害した絵里子さんは実の妹である。にもかかわらず、裁判ではっきりと、「妹より妻」と断言した。
さらに、これからも妻を支えていくともきっぱり述べている。
妻の犯罪は自分にも責任がある、だからこそ私は被害者の兄としてではなく、加害者の夫として生きると決めた、これらを聞けば、なんとできた夫であろうかと、咲の親族でなくとも誰もが目頭を熱くするのではなかろうか。

しかし私は感じてしまう、この夫の、その朴訥な皮の下にある本心が、咲をただひたすら思い自身の過ちを悔いているのではないということを。

【有料部分目次】
「娘の生活費」
頼れなかった夫
懲役10年。金づち1本没収。

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🔓暴走した年下男の涙の陰で女は嗤ったか~境町就寝中男性殺害事件~

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事件当日。

2013年5月26日午前2時15分。
国道354号線が走る茨城県猿島郡境町の中心部から、北西に数キロ走った民家から女性の声で110番通報が入った。
「寝ていた夫が血まみれになっている」
電話の主は、その家に住むレンタルビデオ店店員で、被害者の妻だった。
警察と消防が駆けつけると、大きな敷地に並んで建つ二つの民家の奥側の2階で、この家に住む小野里正志さん(当時38歳)が、左胸を刃物のようなもので刺されているのを発見。
傍らには通報した妻が呆然としていた。
正志さんは大量に出血しており、搬送先の病院で死亡した。

警察は、妻から事情を聞き、「以前からしつこくつきまとってくる男がいる」との証言から、妻が勤務するレンタルビデオ店の同僚のアルバイト・野村賢志(24)を殺人容疑で翌6月6日に逮捕した。

野村は犯行を認め、供述通りの場所から凶器とみられる刃物も見つかった。

野村は正志さんの妻に好意を抱いていたが、交際を断られたにもかかわらず諦めきれず、正志さんが邪魔だと思うようになり殺害に及んだと見られていた。

しかし、裁判が始まると野村は予想外の告白を始めることになる。

「正志さんを殺しました。刺したのは自分です。 一人で考えてません。○○さん(正志さんの妻)が関わっています。 」

【有料部分 目次】
ふたりの出会い
男が信じた妻の事情
女の主張
妻は共犯と言えるか
A子さんの誤算
終わりのない日々

🔓双葉ハイムで死んだ女①~宇都宮拳銃たてこもり心中事件~

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 平成一六年五月二〇日早朝。

電話口で、女は必死で訴えていた。
愛する人が死にそうなこと、先に撃ったのはこの人ではないこと、追い詰めたのは周りだということ。
そのマンション下の国道一一九号には、ずらりと黒塗りの高級車が列をなし、あきらかに堅気ではない人物の姿もあちこちに見えた。その中に、中年の夫婦の姿も見て取れる。
警察車両もマンションを取り囲んでいる。周囲の道路は封鎖され、すぐ向かいにある中学校は臨時休校、周辺のガソリンスタンドや商店も、閉店を余儀なくされていた。

マンション近くの陸橋のそばで構えていた報道のカメラに、突然、女性の絶叫が聞こえた。名前を叫んだように聞こえた。

そして、間髪入れずに銃声。

宇都宮市一条の双葉ハイム二〇六号室で、その日男と女が死んだ。

その四年前、同じマンションの最上階の部屋でも、一人の女が死んでいた。

平成一六年の事件

平成一六年五月一八日午前九時四五分。
神奈川県内で銃刀法違反の容疑がかかっていた住吉会系暴力団員・畠山武人(当時四一歳)が、栃木県宇都宮市内の知人女性宅に立てこもった。
栃木県警と綿密な連携をとっていなかった神奈川県警は、畠山の過去なども把握しておらず、栃木県警に対する報告も事件が起こる三〇分前になって初めて行い、安易に知人女性宅へ突入しようとし銃撃戦に。
その際、畠山は被弾し重傷を負う。栃木県警が必死の説得を試みるも、投降の意思はなかった。警察は畠山がダイナマイトのようなものを見せていたことを懸念し、突入の決断が出来ずにいた。

翌五月一九日。
当初人質と思われていた知人女性が、電話で「一緒にいたい」と言ったことなどから、女性は人質ではなくいわば「協力者」的な立場であると判断。
数々の説得を試みるもことごとく失敗。この時点で、畠山の容体は重篤な状態になっていたと思われる。
そして、五月二〇日午前五時。
閃光弾が室内に投げ入れられた直後、捜査員がドアを破壊して中になだれ込んだ。
その間、銃声が三発、轟いた。

畠山武人と、その愛人の女性は頭部を撃ち抜いており死亡。当初30代とみられていた女性は、まだ二二歳という若さだった。
武器庫と推察されていたその部屋には、自身を撃ち抜いた拳銃以外はモデルガンしかなく、警察がダイナマイトだと思っていたそれは「トイレットペーパーの芯」であった。

【有料部分 目次】
加藤敬子さんのそれまで
畠山武人の人生
ふたりの最期

ここからは有料記事です