片隅の記録~三面記事を追って~

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家庭内での不幸な事故、悲しい交通事故など、新聞の片隅にその事実だけが掲載されるだけの出来事。

事件として発生当時は大々的に報じられるも、すぐに忘れ去られてしまうような続報のない事件。

そして当事者が全員死亡して真相がわからないままの事件。

けれどそこにも、いろんな人生があってドラマがある。

報じられたことから推測されていたことが、実は違っていたり。裁判を傍聴しているとよくある。なぜ事件が起きたのか、その本当の部分は時に、報道することが躊躇われたり、あるいは記者本人の主観がそうさせたり。

報道から読み取ったことが実は違っていた事件、ひとつの事故で被害者と加害者が家族の中に生まれた場合に起こること、そして、真実が分からない無理心中の記録。 続きを読む 片隅の記録~三面記事を追って~

🔓禁じられた遊び~いくつかの子どもの事件その顛末~

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子どもが亡くなるニュースは辛い。
それがたとえ、事件でなく事故や子供に過失がある場合でも。
令和4年9月18日、北海道森町のイベントで起きたカートの暴走事故でも、2歳の男児が死亡、カートを運転していたのもまた11歳の女児という、やりきれない事故が起きた。
亡くなった男児はもちろんのこと、事故を起こしてしまった11歳の女児も故意にしたことではなく、本人の11歳という年齢を考えても、事態の重大さがおそらくわかるであろうから余計に辛い。
このケースでは主催した会社の安全配備などに瑕疵がなかったか捜査されている段階だが、亡くなった男児とそのご家族のためにも責任の所在はうやむやにすべきではない。

ただ、中にはこの事故のように衆人環視の中で起きたのではなく、目撃者がいない、なぜそうなったのか憶測、もしくは「子どもの話」だけで推測せざるを得ないケースの場合はどうだろうか。

本当に真相が明らかになっていると言えるのだろうか。

高知・南国市の事故とされているあのケース、ここでも過去に取り上げた、神戸のため池のケース、ほかにも、事件性なしとされているもののすべては、本当に事件性はないのだろうか。
過去に起きた様々な子供の死亡事案をいくつかお送りする。どれも解決済み、事件性はない。

秘密がそこにないならば。

【有料部分目次】
栃木県小山市のケース
 公園から消えた保育園児
 栃木なまりの中年男
 ずれていた、マンホールのふた
京都府亀岡市のケース
 焼却炉の中に、いる
 生きて焼かれた子ども
 事故か、事件か
 誰も見ていない
沖縄県名護市のケース
 消えた3人の子ども
 まさかの自宅から50メートル
 一緒にいた子どもら
 禁じられた遊び

今まで大丈夫だったから~我が子を放置して平気な親たち~

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令和4年7月29日、神奈川県厚木市の公園駐車場で、「車内にいた子供の様子がおかしい」と母親から110番通報があった。
救急隊らが車内から子供たちを救出したが、1歳と2歳の姉弟はすでに意識がない状態、「これまで経験がないほど体が熱くなっていた」と救急隊員が言うほど子供たちの状態は悪かったという。

調べに対し母親は、公園で遊ばせた後、車内で子供たちといたと説明。ただ、7月末のクソ暑いさなかなぜかエンジンを切り、30分も自分はスマホをいじっていたのだという。
そして気が付いた時には、子供たちは後部座席で重篤な状態に陥っていた、という説明をどこの誰が信用すると思ったのか。
案の定、その後の調べで母親は知人男性宅の前の路上に子供たちを乗せたままの車を放置、男性宅で過ごした後に車に戻ったところで様子がおかしいことに気づきわざわざ公園まで車を移動させてから、110番通報していたことが判明。
子供の命よりも自己保身、しかもこの母親はこの事件の数週間前にもスーパーの駐車場に1歳の息子を残したままにしているのを通報されていた。

児童相談所が把握していながら防げなかった事件。もうあまりのことに頭がどうにかなってしまいそうだが、保護責任者による積極的な虐待とはまた違うこういった事件は後を絶たない。
毎年のように車内放置で死亡に至らなくとも危険にさらされる子供が報道されているのに、同じことをする人がいなくならないのはなぜなのか。

振り込め詐欺がいっこうになくならないのも、こう思っているからだ。

「まさか、わたしが。」「自分は大丈夫」「ちょっとだけなら大丈夫」

この事件に限らず、過去に起きたいくつかのケースを掘り起こしてみたい。
そしてそのケースごとの背景や結末、世間の当時の反応なども比較してみる。 続きを読む 今まで大丈夫だったから~我が子を放置して平気な親たち~

何見てヨシって言ったんですか?〜あなたの隣の重過失〜

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重過失。
些細な注意を払えば防げたはずなのに、その些細な注意を怠ったがために重大な結末、例えば第三者の死亡などを招いた場合につけられる罪状。
平成31年、日本工業大学による屋外イベントにおいて木製のジャングルジムの内部から出火、幼い子供の命が奪われるという痛ましい事故があったことは記憶に新しいが、この事故で起訴された人物の罪名は重過失致死罪である。
木製のジャングルジムに高温になる白熱球を仕込んだだけでなく、その周囲に燃えやすい鉋屑(かんなくず)を詰め込むという発火待ったなしの状態だったことは、白熱球の熱さを知っている昭和生まれの度肝を抜いた。

類似するものとして、重過失失火というものもある。寝たばこや火の不始末などで火災に発展した場合に適用される。

そこに故意、悪意がないということのみならず、加害者のちょっとした気の緩みや無知と、ほんの一手間の注意を怠ったことで人を死なせてしまう事故は実は少なくない。
バックモニターもアラウンドビューもない車をガレージに入れる際、なぜか幼い子供を先におろす親、ガス漏れ警報で点検に来たにも関わらず、暗いからとなぜかライターをつける人、回収したスプレー缶を空にするため大量に噴射したのちになぜか瞬間湯沸かし器をつけて爆発させる人などなど、他人事としてその報に接すれば「なんでそうなった」と唖然とするわけだが、そんな私たちの隣にも「最悪のミステイク」はまるで日常の裂け目のように口を開けているのだ。

あなたはミスを犯さないか。あなたの隣人は、家族はミスを犯さないか。 続きを読む 何見てヨシって言ったんですか?〜あなたの隣の重過失〜