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ちいさな行旅死亡人
平成19年5月28日付官報に、このような行旅死亡人に関する記事が掲載された。
(行旅死亡人データベースより)
行旅死亡人とは、いわゆる身元不明のご遺体のことをいい、その事件性の有無にかかわらずこのように官報に掲載される。
ある時、このデータベースを漂っていたときにこれを見つけた。
年代別に検索できるのだが、基本子供の遺体は嬰児、胎児であることがほとんどで、いわゆる生み捨てたと考えられるものが多い。
死産の可能性もあるし、そもそも戸籍もまだない状態であるわけでどこの誰なのかは母親のみぞ知る、である。
そんな中で、この死亡人は年齢的に社会との関わりもあったろうし、発見された状況からも完全に殺人死体遺棄事件であると言わざるを得ない状況だった。
このデータベースには解決し身元が判明したものもそのまま掲載されていることから、これをもとに事件を検索したところ、該当する事件があった。
幼い子供をゴミ袋に入れて捨てた人間はどんな奴で、いったい何をしたのか。
しかしそれらを調べれば調べるほど、ここまで想像力の欠如した人間が社会で普通に生活しているのかと恐怖を覚えるほどの、バカとしか言いようがない救いがたい人間がいるという事実をただ知ることにしかならず、感情が滅多打ちにされただけであった。
側溝のゴミ袋
平成19年4月23日夕方、大阪府能勢町の国道173号線につながる道路沿いの側溝に、青いごみ袋のようなものがあるのを通りがかった男性が見つけた。
この道路は生活道路や抜け道としても利用されることは少ないといい、交通量も日にせいぜい4~5台だった。
男性が近寄ると、ごみ袋の横に何かが見えた。その「何か」は、小さな子供の全裸の体だった。
男性はすぐさま警察に通報、警察の調べによるとその遺体は2歳前後の男児ということで、死後約一週間。すでに顔は一部腐敗がはじまっていた。
状況から、全裸の状態でごみ袋に押し込められた後この場所に遺棄されたが、おそらく風雨や動物の影響でごみ袋が破れ、その後頭部だけにごみ袋がかぶさった状態になったとみられた。
その体には、動物によるものなのか判別のつかない外傷もみられたことから、単なる死体遺棄にとどまらない可能性も視野に警察は捜査を進めた。
はやい段階で判明すると思われた男児の身元特定は思いのほか難航した。
男児は栄養状態が悪くなかったため、直前までごく普通の環境で育っていたと思われることから、虐待要注意の家庭のみならず、付近の自治体に所在確認できない子供がいないか確認を急ぐよう通達が出た。
あわせて大阪府警は、府内で昨年以降に子供を連れて家出したなどの捜索願が出ている13件について捜査したところ、ある若い母親の存在が浮かび上がった。
淀川区内で実父らと暮らしていた女性が、子供を連れたまま実家を出て行方が分からなくなっていることをつかんだのだ。その母親が連れている子は、1歳8か月の男児だった。
そして5月17日、大阪府警は側溝で見つかった男児の遺体がこの母親の子供であると特定、当時豊中市で生活していた21歳の女と、その再婚相手の男を尼崎市内発見し、男児の死体遺棄容疑で逮捕する。(・・・再婚?)
逮捕されたのは田宮美香(当時21歳)と、再婚相手の田宮元貴(当時21歳)。男児は美香の子供で、峯松優ちゃん(当時1歳)だった。
【有料部分 目次】
驚愕の死亡原因
夫婦のそれまで
死亡時期と目撃情報の謎
出刃包丁と「ミキサー」
かわいそうなあの人
記念日