但し、条件によって無料でご利用いただけますのでこちらを参考になさるか、jikencase1112@gmail.comまで連絡ください。なお、有料記事を無断で転載、公開、購入者以外に転送した場合の利用料は50万円~となります。
**********
大学病院にて
九州地方のとある大学病院。多くの入院患者を抱えるこの大学病院には、もう3年近く、我が子の入退院に付き添う母親の姿があった。
入院していたのは幼い息子。生後1か月の頃から原因不明の下痢や発熱を繰り返し、時には重篤な敗血症を起こしたこともあった。
国立病院に転院しても症状は変わらず、大学病院との間を行き来しながら入退院を繰り返してきた。
入院患者らも、その母親とは顔見知りで、機会があれば話をすることもあった。
「あの方のお子さん、なんだか大変な病気みたいですね」
ある入院患者は、何の気なしに看護師に話を振った。看護師は勝手に他人のことをしゃべるわけにもいかないため、あいまいな表情を見せる。
「余命1年、なんでしょう?小さいのに、かわいそうに…」
看護師は思わず作業の手を止めた。