Evil and Flowers~新居浜・両親殺害事件⑫~

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外側から見た、その家

「私はねぇ、娘がそこに家を建ててからしょっちゅう遊びに来てるんです。もう、20年くらいになりますか。
でもねぇ、娘夫婦には子供がおらんのでね、あのお宅ともあんまり交流はなかったみたいなんですよ。
ただ・・・。うちがガソリン入れに行くスタンドで、剛志君が働いとったからね、高校の時から。そんなんであの子がここにおった頃は、朝自転車で学校行くとき、『おはようございます』ゆうて挨拶してくれよったんですよ。
それがねぇ・・・なんであんなことになってしまったんか・・・ここらの人もみんなわからんのやないですか。」 続きを読む Evil and Flowers~新居浜・両親殺害事件⑫~

Evil and Flowers~新居浜・両親殺害事件⑬~

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最期の言葉

剛志は、母親の最後の言葉は特になかったと話した。
しかし、実際は洋子さんと最後のやり取りというのが存在している。

剛志が洋子さんの首を絞めたとき、意識がもうろうとした洋子さんは、剛志のことが分からなくなっていた。
そして、剛志に対して、
「あんた、誰?」
と聞いた。そして、自身の弟である剛志のおじの名を呼んだという。 続きを読む Evil and Flowers~新居浜・両親殺害事件⑬~

善き人の、誰も知らないためらい傷~桑名市・家族2人放火殺人事件~

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平成18年2月13日

子どもたちが集団登校し始めた月曜日の午前8時。
畑が広がるのどかな桑名市長島のこの一帯では、冬の寒さの中、早朝から畑仕事に勤しむ人々の姿も見られた。
天気予報は、日中の気温が15度近くまで上がると告げており、冬独特の乾燥した一日になると予想された。

その日、男性はいつものように自身が栽培した野菜を市場へと出荷し、自宅に戻ってきた。
家には先週末から体調を崩している次男坊が寝ているはずだ。
家につくと、ふと、なにかにおう気がした。誰か朝から野焼きでもしているのだろうか。

男性は違和感を覚えながらも玄関の戸を開けた。

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🔓青空~苫小牧・2児ネグレクト死体遺棄事件~

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平成18年10月30日午後6時30分

すでに冬の寒さとなっていた北海道苫小牧市。10月第三週に入ってからは薄曇りの日が続き、最高気温は10度から13度となっていた。
この日も、日中は晴れていたものの気温は前日よりも3度低く、最低気温は4.1度と10月に入って最低気温を記録していた。

苫小牧市の中心部、旭町にある市営住宅。この一室で、母親はその日幼い兄弟を家に残したまま、帰らないと決めて玄関のドアを閉めた。

平成19年2月20日

その前日、苫小牧署に室蘭児童相談所から通報が入っていた。
「支援している母親の子どもに会えていない」
通報を受けて苫小牧署員が件の母親に連絡を取った。母親の名は山崎愛美(当時21歳)。旭町の市営住宅で4歳の長男と17か月の三男との三人暮らしだったが、室蘭児童相談所は、その三男の姿を確認できずにいた。
愛美は旭町の市営住宅を124日付で退去しており、当時は高砂町の実母が暮らす市営住宅に同居していたという。
生活には困窮していた様子で、一時は生活保護も受給していたが、それよりも子育てについて悩んでいた様子がうかがえた。

苫小牧市役所には、愛美が子供の面倒が見られないといった趣旨の相談に訪れた記録があり、29日には苫小牧市が室蘭児童相談所へ通告を行っていた。
それを受けて、室蘭児童相談所は愛美と2回にわたって面談した。その際に、三男がいないことを尋ねると、曖昧な返事しか返ってこなかったことに不信感を抱いた担当者が、苫小牧署へ通報したのだった。

署員が愛美に事情を聞くと、市営住宅退去後、有珠の沢町在住の当時交際していた男性宅で同居していたこと、荷物はその男性宅へ運んでいたことなどが判明、任意で男性宅を調べたところ、男性宅の裏庭にあった物置の中から乳児らしき遺体が発見された。
遺体は腐敗が進んでいたが、頭部にはビニールがかぶせられ、洋服は着たままだった。
愛美の自供から、この遺体が行方の分からない三男であるとみて死体遺棄の疑いで愛美を逮捕した。

遺体は死後35か月経過していると見られたが、愛美の話から食事を与えられなかったことによる衰弱で、餓死または病死したと推測された。
愛美は、「昨年10月から三男を自宅に残し、交際相手の家にいた。12月に戻ったら、三男が死んでいた」と供述。さらに、保護された長男も一緒に置き去りにしていたと話したが、保護された時点での長男の健康状態は問題がなかったことから、長男が実際はどこにいたのかも警察では調べを進めていた。

しかし、実際に長男は愛美の供述通りあの市営住宅にいた。弟と二人、帰らぬ母をその部屋で待ち続けていたのだ。

ウジ虫が這ってくる部屋

そもそも愛美が家を出てすぐの11月、市営住宅ではあるトラブルが起きていた。
愛美の自宅がある8階では、何とも言えない悪臭が漂っていたのだ。夏場であれば、ベランダに放置した生ごみなどの臭いかとも思えたが、時期は冬、暖房が必要な時期だった。
【有料部分 目次】
ハードモードの人生
殺意
残り物のチャーハン
「ママ、遅い」
裁判
苫小牧という土地
実母
楽しいことだけ

DV女と逃げなかった男の愛の水中花~岩国・交際男性殺害事件~

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平成26年6月10日

広島市南区の路上で、中年の男性が家から飛び出してきた。
そのすぐ後を、同じく中年の女性が追いかけ、その男性を捕まえると家の中へと戻っていったのを通行人がその一部始終を見ていたが、どこか乱暴というか、男性と女性の関係に異様な雰囲気を感じさせていた。

「家に帰りたい・・・」

男性は力なく呟いた。

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