🔓満期出所しても許せない、被害者遺族の慟哭~恵庭OL殺害事件②~

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一貫否認と不可解な言動

大越元受刑者は取り調べの段階から出所にいたるまで、一貫して否認し続けている。
確かに、殺害と死体損壊についてたとえば凶器が出たとか、防犯カメラに写っているとか、香さんの遺体から大越元受刑者の関与を確定させる証拠が出たわけではない。
この点は警察が批判されても仕方ないと言え、大越元受刑者の無罪を支持する人の言い分もわかる。
疑わしきは罰せず、その精神に照らせば、いささか物足りないのではないかと思うのもわからなくはない。

ただ、物証がない代わりに、大越元受刑者には犯人としか思えないような不可解な言動が数多くある、いや、あり過ぎる。

元交際相手が香さんと付き合っていたとか、職場が同じとか、一緒に退社したとか、灯油を買っていたとか、そんなことだけで犯人にされたというならそれは気の毒だし、そもそも公判を維持できないと思われる。
しかし、大越元受刑者の言動はそのさらに斜め上をいくものが多数あったのだ。
【有料記事 目次】
・灯油購入にまつわる不可解
・唐突に止めたいたずら電話の不可解
・携帯電話とロッカーキー
・携帯基地局の移動と大越元受刑者の移動の「偶然」
・遺留品と発見者の謎
・「震える姿、小鳥のよう」
・弁護側の主張に見る笑止
・本当は気が強かった「小鳥」
・「あなたは都合が悪いことは忘れる癖がある」
・法廷で遺族が受けた「仕打ち」
・元受刑者となって

ここからは有料記事です

🔓悪いのは、全部あなた~宇都宮・主婦散弾銃殺害事件~

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平成14年7月4日。

その日は梅雨空で、正午過ぎの郊外の新興住宅地は人通りもまばらであった。
栃木県宇都宮市さつき3丁目。
大手自動車メーカーや、宇都宮駐屯地に勤務する自衛隊員らの家族の家が多いその一角で、事件は起こった。

その新興団地に住む初老の男は、その手に散弾銃を持ち、隣家のベランダへその銃口を向けた。ベランダには隣家の主婦、田中公子(当時60歳)が日課の布団干しを行っている最中で、パンパンパンパンとリズミカルに布団を叩く音が周辺に響いていた。

男は公子さんに狙いを定めると、無言のまま、驚いた表情の公子さん目掛け発砲。
銃弾は公子さんの左半身と左顔面に命中、そのまま公子さんはベランダに倒れ込んだ。
男は鍵を壊し家の中へ入り、公子さんが倒れているベランダへと階段を駆け上がった。そして、瀕死の状態であえぐ公子さんに、迷いなく至近距離から5発撃ちこんだ。男はその後、不意に外に目をやり、近くの家から走り出てきた主婦・海老沼志都子さんにも計5発発砲、海老沼さんは左頭部から肩にかけて被弾する。

男は名を高橋卓爾(当時62歳)という。すでに駆けつけていた警察官に臆することもなく、2階和室に座り込んだ。目の前には公子さんが虫の息で横たわっている。それを確認すると、男は猟銃を口に咥え、迷うことなく足の指で引き金をひいて自らの頭を吹き飛ばして果てた。

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