いいわけ〜祖父母による孫殺害無理心中事件〜

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親が子を道連れにして自殺を図るというケースを、日本では無理心中、と表現する。
この言葉の適切さはさておき、一般的なイメージや言葉が社会に浸透しているは間違いない。

この言葉には、親の身勝手な考えの犠牲になった、という印象があり、子は親を選べないという、今時の言葉で言えば「親ガチャ失敗」の最悪のケースである。
母親主導の場合は母子心中が多く、父親主導の場合は一家心中になるケースが統計的にも多い。
また特殊な統計として、虐待死は内縁の妻、夫によるケースが多く見られるのに対し、無理心中においてはむしろ血の繋がりのない子どもが犠牲になるのは少ないという。

一方で、その無理心中、一家心中を画策したのが他の家族だったら。

基本的に両親以外の家族が加害者になる場合は、一家心中、一家皆殺し的なことに発展することが多い(中津川の無理心中、柏の無理心中など)こと、結果として被害者数が多くなり死刑求刑もあり得るためセンセーショナルな扱いをされてしまうことで記憶には残るが、件数としては多くない。

この、親以外による無理心中事件の中で、祖父母による無理心中について取り上げてみたい。
加東市にて、娘の長男を預かっていた60代の祖母が2歳の孫を池に沈めて殺害した事件があったが、このケースも無理心中(未遂)とされている。
親が主導して子を巻き添えに無理心中することと、祖父母が孫を巻き添えにそれを企てるのと、その動機や背景に違いはあるのだろうか。 続きを読む いいわけ〜祖父母による孫殺害無理心中事件〜

限界破裂〜虐げられた人々の愛の事件〜

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普通に生きていても、時に他人から不当な扱いをされることがある。
会社でのパワハラ、学校でのアカハラ、そして夫婦間、恋人間におけるモラハラ、DVなど。
相手との立場の問題や相手に対する感情の問題で、不当な扱いだとわかっていてもそれに抗議できず、ただ耐えることでやり過ごそうとする人も少なくない。
また、怒りがあったとしても同じ土俵に立ちたくないという思いで、あえて無関心を通そうとする人もいるだろう。

特に日本人はできるだけ、争い事を避けようとする傾向があるのも事実で、少々のことで騒ぎ立てるのはみっともない、そう思う人もいる。
限定していうと、男女間夫婦間における様々な問題は、第三者が介入し辛い面もあって気がつけば虐げられていた人は一人その理不尽な思いを抱き続けることになる場合が多い。

一方で人にはそれぞれ堪忍袋というものがあり、その容量は個人差が激しい。

虐げられた人々の我慢の限界が来た時、それまで蔑ろにしてきた本当の加害者は狼狽え、そして許しを乞う、自分がしてきたことを棚にあげ……

いくつかの我慢の限界を超えた男女の事件。 続きを読む 限界破裂〜虐げられた人々の愛の事件〜

22週~昭和の少女と、いつくしみ深きまなざし

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子を宿すということは、場合によって悲しい事件に直結する。
経済的な問題、交際相手との離別、その理由はさまざまだろうが、子供を産むことを断念せざるを得ないこともある。
日本では妊娠を継続することで母体に経済的、身体的に著しいダメージを与える場合や、レイプなど女性の意思に反する形で妊娠したケースにおいて22週未満であれば中絶が認められている。

ところが、この週数を過ぎてしまうといかなる理由においても「人工中絶」は認められない。
胎児が母体を離れて生きていける週数が関係しているわけで、それ以降は母体に危険が及んだための緊急手術であっても、子どもの救命を考慮した方法を優先させる必要がある。

今の日本では、中絶手術自体を知らない、あるいは知ってはいるが週数が決められているということを知らない、という人は特に成人女性においては少ないのではないかと思われるが、未成年者となるとその辺りの知識はかなり危うい人もたくさんいるだろう。

さらに、どれだけ知識があっても中絶自体、ハードルが高い。
おそらく初めてであろう産婦人科へ行き、現実を突きつけられ、中絶するにしてもタダではない。未成年者がおいそれと用意できる額でもない。
そうなった時、腹をくくって親兄弟に相談できる子たちは、救われる。
しかし誰にも言えずに時間だけが過ぎてしまったら。

最悪の決断をしてしまった昭和の10代の少女たちと、彼女らに慈しみ深い眼差しを向けた裁判官の話。 続きを読む 22週~昭和の少女と、いつくしみ深きまなざし

FUNNY MONEY~あるふたつの家族の結末~

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家庭の悩み事のほとんどは現預金が解決してくれる、とは真理で、多くの問題は解決されると私は思っている。
すべてではないにしろ、とにかく一家心中みたいなことは避けられるんじゃないかと思うのだ。
現預金さえあれば生まれなかった悲劇は山のようにあって、格差社会や貧困問題が事件につながることは少なくない。

が、同じ金がない、でも、登場人物に問題があって、さらにはそれを解決する手段を講じない、現実を見ないという場合もある。

ある二つの家族がたどった破滅への軌跡。 続きを読む FUNNY MONEY~あるふたつの家族の結末~

🔓禁じられた遊び~いくつかの子どもの事件その顛末~

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子どもが亡くなるニュースは辛い。
それがたとえ、事件でなく事故や子供に過失がある場合でも。
令和4年9月18日、北海道森町のイベントで起きたカートの暴走事故でも、2歳の男児が死亡、カートを運転していたのもまた11歳の女児という、やりきれない事故が起きた。
亡くなった男児はもちろんのこと、事故を起こしてしまった11歳の女児も故意にしたことではなく、本人の11歳という年齢を考えても、事態の重大さがおそらくわかるであろうから余計に辛い。
このケースでは主催した会社の安全配備などに瑕疵がなかったか捜査されている段階だが、亡くなった男児とそのご家族のためにも責任の所在はうやむやにすべきではない。

ただ、中にはこの事故のように衆人環視の中で起きたのではなく、目撃者がいない、なぜそうなったのか憶測、もしくは「子どもの話」だけで推測せざるを得ないケースの場合はどうだろうか。

本当に真相が明らかになっていると言えるのだろうか。

高知・南国市の事故とされているあのケース、ここでも過去に取り上げた、神戸のため池のケース、ほかにも、事件性なしとされているもののすべては、本当に事件性はないのだろうか。
過去に起きた様々な子供の死亡事案をいくつかお送りする。どれも解決済み、事件性はない。

秘密がそこにないならば。

【有料部分目次】
栃木県小山市のケース
 公園から消えた保育園児
 栃木なまりの中年男
 ずれていた、マンホールのふた
京都府亀岡市のケース
 焼却炉の中に、いる
 生きて焼かれた子ども
 事故か、事件か
 誰も見ていない
沖縄県名護市のケース
 消えた3人の子ども
 まさかの自宅から50メートル
 一緒にいた子どもら
 禁じられた遊び